EPISODE:006 [光が薄れてくるとそこはカタコンベだった。いや別に怒ってはないよ?ただもう少しマシな所に出来なかったのかなと・・・・・・狭くて臭いんじゃゴラァ!!]
最早遅れた事に何も感じなくなってきたこの頃。←カス
う~ん罰ゲームでも考えるかな?
前回のスキルの《最低位不死者》の核以外の非致命傷化で、核=魔石です。
なんてことでしょう!さっきまで綺麗な夜空を写していた目が、暗くて狭くて臭いクソッタレな地下墓所しか写さなくなりました。
クソが。
寛容な心を持つ私は気を取り直して、メニューやログアウトの場所も確認の他に、伸脚やジャンプ、パンチ、回し蹴りなど一通りの、アバターの動作確認をし始めた。
うん。うん。なるほど!・・・動きづれえ……
説明の通り身体の所々が腐り落ちているので、その部分が動かなくなっている。これが思ったよりも面倒で、細かい動きが無理なのだ。掴む事や走るのは出来たが、どこか拙い。
そして今気付いたのだが、槍は何処だ?こういうのは最初から持っているのが普通なのだが……そう考えてメニューを弄っていると、「お知らせ」の部分にnewが付いていたのでそれを開く。お知らせには武器の配布と書かれた項目があったので、それをタップすると槍が目の前に落ちてきた。
「オ”オ”ガア”!!」
声が汚ねえ!?
声帯も腐っているからか声が唸り声にしか聞こえない。
まあ良い。何処から来たのかや、声が汚いのも別に気にすることではない。こんな事はすぐさま空の彼方に葬り去って、槍の確認をする。
ん?んんん?あれ?槍の武器ステータス欄が開けない。・・・もしかしなくても、スキルの《鑑定》が必要で、それが無いと分からないとか?・・・・・・有ったなあっ!!高かったなあ!!30ポイントもしたなあ!!
・・・自分のステータスも見れないとか無いよね?
バンッッッ!!!!!!!!
「ア”ア”ア”ッ!!ア”ッ!ア”ア”ッ!!」
バンッ!!バンッッ!!!
「ア”ア”ア”ア”ア”ーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!!!」
ピンポンパンポーン↑
(しばらくお待ちください)
ピンポンパンポーン↓
「よしっ、八つ当たりしよう」
私は良い笑顔で槍を持ち、魔物を探しに走り出した。
いた。前方10メートルの距離に一体。種族は多分動く死体だと思う。だって、如何にも死体って感じがしてるからな。そしてこちらに気づいては・・・いるね。でも襲ってこない?同族だからかな。それじゃあ、先制攻撃させてもらうか。
「ア”ア”ッ!」
「ア”ッ、ガア”ーッ!」
相手の胸に槍を突き刺した。槍は体を貫通していて、刺した感触が気持ち悪い。更には赤黒い血が槍を伝って流れ出ていた。ここはリアルっぽくしなくても良いんだけど……ダメージはあまり入って無さそうで、槍が胸に刺さっているのに元気に掴みかかって来ようとしている。《鑑定》で相手のステータスを見れないのは不便だな。どれだけ効いているのかが分からない。
「オ”ッ」
あまり効果が無く、槍が刺さっているのに少しずつ近付いているので、相手の腹を蹴りその反動で槍を一気に引き抜いた。
―――ビシャアァ
動く死体がよろめいたのを見逃さず、直ぐさま石突で頭を強打し仰向けに転倒させた。直ぐに近寄り、胸を片足で起き上がれないよう押さえつけ、力のままに口腔に突き入れた。すると途中で頭蓋骨に阻まれたが、関係ないとばかりに体重を掛けて更に押し込んだ。そのまま押し込み続けるとバキッと乾いた音が鳴って、槍が貫通した。
「ーーーっ、ーーーーっ!!」
意外とタフで、これでも死なない。《最低位不死者》が影響しているんだろうな。効果は確か、核以外の弱点の消失だっけ?じゃあ核、魔石を破壊すれば殺せるのか。
じゃあ、肝心の魔石はどこにあるんだろうか。王道なのは胴体の真ん中か心臓の場所にあるパターン。胴体はさっき刺したから心臓かな?
「エ”ア”」
槍をまた引き抜き、心臓付近を刺す。まだ元気に動くので足で腕を押さえながら力を加えていく。直ぐに穂先に固い触感がしたので、それを芯に捉えて更に押し込む。するとあっさり壊れた感じがして動く死体は動かなくなった。
おーい。
顔の前で手を振る。
返事が無い、ただの屍のようだ。
やっと、やっと敵と戦った……一方的だったけど。ここまで長かった(泣)
ていうか最初の戦闘シーンが嬲り殺しって普通にどうなの……
コイツ(セツナ(作者))めっちゃ脱線しまくるだけど!?