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Topsy Turvy WORLDs  作者: JAVELIN
序章:[An Fantasy With Encounter]
48/53

EPISODE:048 [ピンチはピンチ]

 

 ダルいわー。なんで壊すんさ~。何してくれてんの?マジで。


 私と女の間の距離はおよそ25メートル。学校のプール程だ。女の走るスピードを考えると、もう逃げおることは出来ない。


 横目でフェルを逃がした通路を見ると、あいつの姿は陰一つ無かった。



 まさか、この私がNPCを逃がす為に足止めをするとはな…。あの馬鹿(蠱毒)共に知られたら、煽りの集中砲火をくらうのは確実だ。


 まあ…、別に倒してしまっても構わんのだろう?



 腰に装備していた斧を手に取り、女に向かって投擲すると同時に、長剣もすぐさま引き抜いて投げつける。


 斧は横に、剣は縦に回転しながら飛んで行き、風切り音が二重に聞こえる。このままいけば直撃は免れないだろう。


 しかし、私の投擲の予備動作を見て、どちらも右手の剣一本で簡単に弾かれてしまう。


 弾かれた斧と長剣は破壊され、斧は刃の上から3分の1が無くなり、長剣に至っては刃が根元から折られて10センチしか残っていなかった。


 それらの周辺には壊れたパーツが散乱していて、これではもう修復は出来ない。


 予想はしていた。

 これくらいの攻撃で傷を負うのならば、ステータス差が有っても倒せるのだが……。そう簡単にはいかないか。

 相手はどうやら、ある程度の技術は持っている様子。《剣術》が上位のスキルになっていたしな。



 今の状況は…、そうだな。中堅プレイヤーに初狩りされてる感じか?



 …全くもって問題無い。

 スキルには見えないPS(プレイヤースキル)を見せてやるよ。



 背中から槍を引き抜いて両手で持つ。そして、私は足を不規則に入れ替えながら小さくジャンプをする。


 ターンッ。タターン…ターン。タッーン。タタタターン。



 いつまで経っても攻撃する動作は見せない。そんなクソみたいな時間が過ぎる事で、女は困惑すると同時に警戒を強めた。


 相手が急に意味不明な行動に出ると警戒するのは当然だろう。何か有ると勘ぐって観察に徹する。


 だが、実際の所、この行動に深い意味はない。強いて言えば、相手に慣れさせてからタイミングをずらすことで、正面から奇襲を仕掛けれるといった事ぐらいだろうか。


 一応雑魚は引っかかるけど、時間掛かるし、使い勝手が悪いしで誰も使ってない。知ってる奴には意味ないしなー。


 私は別にフェルを逃がせればそれで良い。これで時間を稼げるのなら、いつまでもやってやる。


 え?PSを見せるんじゃないのかだって?何言ってんだ、今見せてるだろうが。



 しかし、そんな時間は何時までも続かない。女が痺れを切らして魔法陣を5個宙に浮かべる。


 ターン…ダッ!!


 それに対して、私は出鼻を挫く様にして逆に女に向かって走り出した。


 女と私の間の距離が直ぐに無くなっていく。


 女は向かってくる私に驚いたが、気を取り直して魔法を放った。


 私は魔法陣の角度から予想して、その全てを紙一重で避けていく。

 掠ったら死ぬ。それ程の熱量を間近で感じて、私は笑う。嗤う。


 生と死の狭間!その間をタップダンスしながらする闘争ほど面白いものは無い!!

 もう既にこの身体は死んでるがなぁ!


 弾幕を潜り抜けると、私は飛び上がって上段から槍を女に向かって振り下ろす。


 女は双剣を交差させて私の槍を受け止める。


 硬い。ビクともしねぇ。まるで岩に叩き込んでるみてぇだ。


 だが、敢えて更に押し込む。地面に着地しても思いっきり力んで、《魔闘法》も使う。それでも、動かない。


 何故か、女は力勝負で勝っている筈なのに顔を引き攣らせている。


「ガア"ア"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ッッ!!!!」


「ッ!?」


 今まで使ってこなかった《叫び声》を使うと、女の身体は一瞬だけ痙攣(スタン)する。


 隙有りッ!


 それを見逃さず、私は槍を瞬時に逆手に持ち替えると首に突き込んだ。


 しかし、女は痙攣から回復すると直ぐに首を捻ることで回避する。辛うじて穂先は当たったのだが、女の物理防御力を抜けなかったから傷は付かなかった。


 ダメージが通らないよ~(笑)


 ハハッ、萎える。



 女が双剣で槍を上に弾き、空いた私の胴に蹴りを放とうとしてきた。


 しかし、弾かれた勢いのままバク転をして、それを回避する。


 そのまま距離を空けて、仕切り直しといこうとしたところ、急に女が口を開いた。



「あまり気分が良いものではないな」


 憂鬱そうな表情で、私を今まさに追い詰めている女の言い草ではない物言いと態度に、私は若干ながらキレる。


(ああ・?・同情・か・?・クソ女・シバき・回す・ぞ・!)


「なッ!?ステータス欄に有ったスキルの《念話》か?」


 私の咄嗟の《念話》に女は暫し唖然するが、直ぐに顔を引き締めて答えた。


「魔物に同情などするか!下郎!お前を手早く殺せない私に苛立っているだけだ!」


 短気乙。ていうか、私のステータスが何気に把握されていて泣ける。


(私・は・お前・よりも・上手い(・・・)・からな)


「………」


 クリーンヒットでやっぱ嗤えるわ。


 あら、黙っちゃった?技術で負けて悔ちい~?ねえねえねえねえねえねえ(笑)


 おちょくるようにして、前屈みになりながら首を小刻みに傾げ続けていると、突然大きな魔力を感知する。


 勿論大きな魔力の正体は女。女の身長と同じくらいの魔法陣が宙に浮かべられ、ヤバい状況という事だけが分かる。

 一体どうしてこのような事に。

†┌┘墓└┐†



え?まだ早い?

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