撃ちきり
森の中に足を踏み入れ、根を避け、枝くぐり、闇を身に纏う。葉がしゅーしゅーと擦れ、鳥が喋る。一寸先はまるで異界のように怪しい。木々が蠢き、風がいななき、闇の向こうに骸骨が見える。恐ろしいほどに恐ろしくなり、心の中が心の外の感じたものを侵していく。
心という見えないものが見えていく。
闇の中で声と共に恐い色が前に染みる。
その色は喩えようがないことを願っている。
おもむろに右手は震えながら小さな剣にすがりつく。腰に差した剣がだんだんと鞘から引き抜かれていく、抜かれはしない。
森の奥には怪物がいる。
それは森の奥には住んではいない。どこにでもいるわけではない。ただ心の内側に巣食っている。暗がりで怯えきれば、覚えられる。感覚のうち、意識で感じるそれを。
はっ。何だ朝だ。夢か、そうか。そういうことか
朝、自宅を出た。森に向かわず、川に向かう。川で丸い石をとって町の中に戻る。あち〜。朝なのに湿気と熱気がある。町の中で路地に入る。
よし。風向きよし、人はいないな。
空に向かって石を投げる。石は屋根の向こうに消えていった。急いで此処を退散する。
では私の頭の中を申し出よう。投げた石は屋根屋根を飛び越え大通りに面したリガトゥの借りている家の隣の家の窓を割り転がり込む。回転をかけた石は転がりかまどに入り込む。かまどの位置などおぼえている。褐色の石にしておいた。薪に少しは紛れるだろう。
数分火のなかで直火でぬくぬく温まれば石の中の水気が沸騰し、パン!だ。
夕方、に行くと片付けが終わっているかも。少し早めに昼過ぎに様子を見に行くことにした。
昼過ぎ、来てみると石は多分入り込んだらしい。多分というのは投げ込んだ家の壁。表の道路に面した壁が吹き飛んでいるから、もしかしたらなんか違うのかなって。おお、。,
どうなんだ。




