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174  作者: Nora_
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「という感じでな、いまから不安になっているんだ」

「僕は経験したことがあるから不安になる気持ちは分かるよ」

「だが、まだ卒業するというわけじゃないんだぞ? あくまで六年生になるというだけだ」

「クラスが変わって友達とも離れてしまうかもしれない、それだけでも怖いよ」

「おかしいな、結局やらなければいけないことは変わらないのに」


 やらなければいけないことは確かに変わらないが、同じ空間に友達がいるのといないのとでは全く話が変わってくるんだ。

 別々のクラスだとそっちでできた友達といっぱい仲良くしてしまうかもしれないからね、いやまあ、誰かと仲良くできている方がいいわけだが。

 それとこれとは別というやつだ、誰だってひとりになってしまうのは怖いものだ。


「寂しがり屋の君は特になにも感じなかったの?」

「まともに話せる人間がいなかったからな、あ、離れられて清々したとかそういう風に感じたことはないぞ?」

「そうなんだ。んー、同じ学校だったら僕が空気を読まずに近づいていたところだけど、残念ながら別々の学校だったからね」

「それでも問題ない、だっていまは新作や小山がいてくれているから違うだろ」


 まあ、言ってしまえばいまが問題ないのならそれでいいのか。

 千弥子ちゃんも難しく考えすぎずにいつも通りにやってくれればいいが。


「でだ、どうすれば千弥子を安心させられる?」

「僕だったら『僕じゃないんだから大丈夫だよ』と言わせてもらうかな、そうしたらあの子も『そうね』と返してくれると思う」

「あ、あんまり千弥子の言っていることをそのまま受け取るなよ? 何回も言うが素直になれていないだけなんだ」

「いいんだよ、あれぐらいの子があの程度に抑えながら相手をしてくれているというだけでありがたいんだから」


 本当に傷ついていたのなら普通に対応するなんてことはできない、僕のことだからそんなことになっていたら逃げている。

 テスト週間のあれはそれとは関係ないが弱いということには変わらないんだ、だから彼も僕のことを分かってほしかった。


「それにあの子なら大丈夫だよ」

「でも、見ているとなにかしてやりたくなるんだ」

「頼まれたら動けばいいよ、お兄ちゃんだからってなんでも干渉すればいいというわけじゃないからね」

「難しいな、新作に告白をすることよりも難しいぞ」

「ははは、確かに物凄く近くで困っていたらそりゃあね」


 普通は同性に告白をすることの方が難しいと思うが……。


「頼む、よく見ておいてやってくれ」

「うん、分かった」

「よし、じゃあこの件は終わりだな」

「アイスでも食べに行こうか」

「ははは、好きだな」


 好きだ、寒かろうとあの美味しさには勝てない。

 だからまあ、出ることになっても相棒がいてくれれば問題なかった。

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