従姉妹
「偽りの噂で隣国の老王に嫁がされた悪役令嬢は、復讐の機会を逃さない」の四話他に、次のような誤字報告をいただきました。
(現状)「従姉妹」
(報告)「従妹」
主人公のコンスタンツァにとって、ソフィアは年下のいとこですから、従妹と書くべきとのご指摘なのかと思われます。
が、適用は見送りました。
なぜなら、別に従姉妹と書いても間違いではないからです。
というか「いとこ」と読ませたかったので、あえて「従姉妹」を選びました。
国語辞典で「いとこ」を引くと、漢字は「従兄弟」または「従姉妹」しか出てきません。手持ちの辞典の中では、唯一、明鏡国語辞典だけが「書き分け」として次のように追記してありました。
──男女・年齢の違いによって「〈従兄〉」 「〈従弟〉」 「〈従姉〉」 「〈従妹〉」などとも書く。
ただしこの明鏡国語辞典も、「従妹」を引くと読みはジュウマイです。
従妹の読みに「いとこ」を挙げているものは、手持ちの国語辞典にはひとつもありませんでした。なお、確認した国語辞典は、広辞苑、大辞林、大辞泉、岩波国語辞典、明鏡国語辞典、三省堂国語辞典、新明解国語辞典、新選国語辞典です。──最近、大辞泉と新選国語辞典を買ったので、また増えてます。
だから「いとこ」と読ませたいのであれば、漢字は「従姉妹」が穏当なのです。
小説を書くにあたっては、実は「いとこ」とひらがなにするか「従姉妹」にするかで少々迷いました。が、いとこにすると、ひらがなが続きすぎて逆に読みづらく感じるケースがありました。そこで、従姉妹にしたわけです。
一応、泉鏡花の「いろ扱ひ」の中に「年上の従姉妹」という表現が出てくることを確認済みです。明治の文豪でもそのように使っているくらいなので、問題のある用法とは思っていません。
まあ、従妹と書いても頭の中では「ジュウマイ」と読まずに「いとこ」と読んでいる人が多そうだなーとは思います。が、とりあえず今回は事前に散々悩んで調べた末に「従姉妹」を採用しているので、変更することは考えていません。
あしからずご了承ください。