お越しなさい
「とある茶番劇の華麗ならざる舞台裏」の第十三話に次のような誤字報告をいただきました。
(現状)お越しなさい
(報告)おいでなさい
せっかくいただいた報告ですが、適用は見送りました。
以下、割とどうでもよい敬語の話になります。
いただいた誤字報告を見て、「お越しなさい」を「間違い」と感じるかたがいらっしゃることに驚きました。あまり見ない古びた言い方だなと思われるくらいまでは覚悟してたのですが、誤字報告しちゃうほど明確に間違いだと思われるのか……。
そういう意味で、衝撃を受けました。
「お越し」は三省堂国語辞典では、次のように説明されています。
「行くこと・来ること」の尊敬語。「おいで」よりも尊敬の気持ちが強い。
個人的には「尊敬の気持ちが強い」というよりは、「堅い印象を受ける言葉遣い」のように感じます。だから学院長というアカデミック系で地位の高い人の言葉遣いとして選んだわけなのです。
たぶん「お越しください」なら間違いと感じる人はほとんどいないと思います。
ですがここでは目上の者から目下の者に対して使う言葉なので、「お越しなさい」となるわけです。
「ご覧」を目上に使うなら「ご覧ください」、目下に使うなら「ご覧なさい」になるのと一緒ですね。
というわけで、総合的に判断して適用を見送りましたので、あしからずご了承ください。