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元徴用工の謎  作者: やまのしか
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元徴用工の謎③

さて、内容を解説していきます。


まず断わっておきますが、私は直接この資料「経済協力 韓国105」を見たわけではありません。

ゆえに、ここのこのカニ太郎のコメントは「強制連行真相究明ネットワーク」のサイト掲載された「経済協力 韓国105」におけるレポートを読んだ上での解説だということを、ご了承ください。


そして、この「強制労働真相究明ネットワーク」という団体は左翼であり、彼らがもし悪意ある団体であったら、この資料は彼らによって都合よく改竄されてる可能性もありうるということを、あらかじめ忠告しておきます。


この資料は、元徴用工らの「未払金」や「未払金を供託した人数」が記録してあります。

そして簿冊の表紙は「労働省調査 朝鮮人労務者に対する賃金未払債務調」と記されています。


この簿冊は、日本政府がGHQへ1949年に送った「朝鮮人の在日資金額」についての資料・公文書です。

そして大蔵省が1953年に再調査を行った詳細も書かれています。


1950年10月「労働省」が朝鮮人労務者に対する「賃金未払債務調査」を行った。

それを元に1953年8月「労働省給与課」が「帰国朝鮮人労務者に対する未払賃金債務等に関する調査統計」を作成した。


日韓会談にともない、これらの資料は大蔵省へと移管された。

他の供託関係文書も加えて、大蔵省国際金融局で保管され、国立公文書館への移管されたのは2000年度のことである。


さて、その移管された資料のうちの1冊「経済協力 韓国・105」は、

以下の①~⑥の段落で構成されています。


①「帰国朝鮮人労務者に対する未払賃金債務等に関する調査統計」

(労働省労働基準局給与課1953年、1950年の基発917号による調査を集計したもの)


この統計には各企業の未払賃金等の調査が「供託分」「未供託分」「第3者に対する引渡分」の三部構成でまとめられています。

集計項目は「府県・事業場・債務の種類・債権者数・金額・供託日時」の順です。


この統計は全部で3部あり、第1部は1953年7月7日付、第2部が1953年7月20日付。

最初に収録されている7月20日付の労働省調査の統計には、さらに修正の書き込みがなされています。


この調査統計の最後は7月20日付の「総括表」であり、「供託・未供託・第3者に対する引渡分」についての府県別の債権者数と債務額が記入されており、ここにもさらに修正が加えられています。


②「司令部への報告(に対する)外務省への報告と吾が方調査との相違点調」

(大蔵省 理財局外債課1953年6月26日) 


この調査表は、大蔵省による供託関係調査と労働省から外務省を経てGHQに渡された供託調査とを比較したものである。


なお、供託金についてのGHQ渉外局と韓国ミッション(駐日韓国代表部)との英文文書も収録されている。


③「朝鮮人の在日資金」(主管外国財産課・1953年)


ここには、朝鮮人の在日本財産についての調査文書が収録されている。

運輸省・林野庁・宮内庁からの供託の報告書などがある。


④「本計数は、労働省が吾が方を経由して司令部へ報告せるものと、吾が方の調査によるものとの差(+-)を示す」(大蔵省 理財局外債課1953年7月7日)


この文書は府県別の供託金関係の「労働省調査」と「大蔵省調査」の比較であり、②の表よりも新しいものである。


⑤「朝鮮人労務者未払賃金関係・文書一」(竹内による仮題)


この「朝鮮人労務者未払賃金関係文書」には多くの文書が含まれているため、便宜上、「文書一」「文書二」の2つに分けて記した。


「文書一」には1945年末から1953年まで朝鮮人労務者の未払賃金、供託関係の通達類。

中には「帰国朝鮮人労務者の未払賃金債務等の処理について(説明要綱)」があり、

そこには、賠償に関する日韓会談事前準備に関する会議がもたれ、債務を明瞭にし、賠償・還付を意思表明する予定であることが記されています。


その資料として、1950年調査とその調査に用いた1946年の厚生省労政局調査「朝鮮人労務者等に対する未払金その他に関する件」、その調査結果に関する文書類の保管に留意すべき旨が記されています。


大蔵省の供託金関係の英文の報告書と、GHQの文書も含まれています。



⑥「朝鮮人労務者未払賃金関係・文書二」(竹内による仮題)


「軍人軍属徴用者の未払給料等及び供託額調」

「警察・運輸中央気象台・郵政・農林・宮内・運輸船員局・法務・旧陸軍・旧海軍・労働省関係の供託金額」が集計されている。


これらはGHQ渉外局から、韓国ミッション(駐日韓国代表部)に通知されている金額について、

大蔵省側がその額の内訳を推定するため、おこなった調査であるそうです。


「帰国朝鮮人労務者の未払賃金債務等の処理について(説明要綱)」にあるように、

賠償要求に対して資料の作成をすすめたとみられる。


「文書二」の最後には「大蔵省」による「労働省供託調査」に対する分析をまとめたものがあるそうです。


以上が、「経済協力 韓国105」(労働省調査 朝鮮人に対する賃金未払債務調)に収録されている文書の概略です。




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