4話 新年のパーティ
「あけましておめでとうございます」
僕は、先輩の家に呼ばれ
ちょっとしたパーティに出席している
しかし、パーティとは言っても先輩と僕含めて
参加者は5人だけだ
「先輩」
先輩の近くで耳打ちする
「パーティって、緊張しますね・・・」
でも先輩は慣れた様子で
「理久くん、大丈夫だよ。人もこんなに少ないし、じきに慣れるよ」
そんなものなんだろうか?
こういう経験が無いから全くわからないけど
「白唯おぼっちゃん、お久しぶりです」
中年くらいの、身なりの整った男の人が先輩に話しかけた
「はい、柳田さん、お久しぶりです」
「先輩、この人は?」
「この人は、柳田町男さん。今、お父さんの会社の社長代理をしてる人だよ」
「ところで、白唯おぼっちゃん。この方は、お友達ですかな?」
「はい、ええと、大切な人です」
「ぼ・・・僕は、雨野理久と言います。ええと・・・よろしくお願いします」
すると柳田さんは、手を差し出して
「白唯おぼっちゃんのこと、よろしくお願いします。雨野くん」
「えっ、はっはい!」
そうして、僕は柳田さんと握手を交わした
「・・・?」
「どうか、されましたかな?」
「い、いえ!よろしくお願いします」
2時間後、パーティは終わって
やっと、先輩と2人きりになった
「ねぇ、理久くん」
「どうしたんです?先輩」
「柳田さんと握手した時、何かあったの?」
「ちょっとした事ですよ。ただ、手に大きめの傷があって、少し戸惑っただけです」
「ん・・・そっか」
あの傷は、なんの傷だろうか。
僕が、そう考えていると
「ところでさ、理久くん」
「はい、どうしたんです?先輩」
すると、先輩は少し照れながら
「・・・タメ口で良いよ」
「えっ、あっ、ええと・・・」
「敬語は、無しで喋ってほしいな」
「は・・・ええと・・・うん、優・・・先輩」
僕は、湯気が出そうなくらい恥ずかしくなってしまった
でも、これで先輩との距離が縮まった、と思う
先輩の手を握って、少しの間気持ちを噛み締める
遅くなってセンセンシャル!