2話 先輩の家で
先輩と友達になって、早1ヶ月
たとたどしいながらに、僕らは交流をしていた
そして、僕は先輩の家に呼ばれて
正に、豪邸と言うに相応しい家のリビングで
良さそうなソファで、先輩の横に座っている
「あの・・・先輩」
先輩は、ミルクティーのカップを持ちながら
「ん?どうしたの?理久くん」
自然体で応えた
「この家・・・使用人さんもいるんですね」
「うん、広いからね。」
「あの・・・家族の人は・・・」
「もう、居ないよ」
「3年前に死んだんだ」
そう、吐息混じりに応えた
「すみ・・・ません」
「いいよ、もう・・・過ぎたことだから」
その姿は、すこし苦しそうだった
「ねぇ、理久くん」
「あっ・・・はい」
「・・・2人きりで、話したいことがあるんだ」
「自分の・・・部屋に来てくれないかな」
「は・・・はい・・・」
僕が何か不味いことをしたのだろうか
少し怯えつつ、先輩の部屋に入った
「・・・こっちに」
先輩はベッドに腰掛けている
僕は先輩の隣に座った
「ねぇ、理久くん」
どうしよう、なんて言われるだろう
「好きなんだ!・・・君の事が」
僕は、先輩の突然の告白に、何をしたらいいのかわからなくなった
「あ・・・う・・・」
自分の記憶を思い返しても、告白した事もされた事もない
頭の中で思考がグルグルと回る
あぁ、そうだ
僕が何よりずっと抱えてたものを
「せん・・・ぱい」
涙が溢れてくる
「お願い・・・します」
涙を流し、先輩に寄りかかる
先輩は、優しく抱擁しながら
「ありがとう」
そう一言呟いた