第二話(父視点有)
かなり短くなりました。ごめんなさい
「本当に今日で良かったのか?アルト」
「今日がいいんだよ、父さん」
僕は庭で父さんと向かい合っていた。
僕が剣都アルンに行くためには、剣技で父さんに勝つ必要がある。
正直言って自身は無い、が、勝算がないわけではなかった。
僕のオリジナルだ。アレが嵌れば勝てると僕は踏んでいた。
さあ、お披露目の時間だ。
「いくよ、父さん」
僕は大きく、一歩目を踏み出した……
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「……ッ!!」
息子アルトが放つ一撃に、俺は何とか反応し、余裕なふりをする。
アルト自身は気づいていないが、こいつは姉のアリアが14歳だったころのレベルをとうに超えている。
特に加速と切り返しの速さは、天性のものだろうと思う。
少なくとも、俺が現役の剣士だった頃よりも今のアルトの方が早いだろう。
力で負けることはないが反応するのがやっとだなんて、恥ずかしくて、情けなくて、
自分に向けた笑みが口元に浮かんだ。
「まだまだ、簡単に負けてやるわけにゃあいかねえよなぁ」
父として、漢として、目の前の息子に胸を張っていたいからな……
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やっぱり父さんはすごいや……
何度も打ち込みを弾かれているにもかかわらず、僕はこの時間を楽しんでいた。
父さんは強い、少なくとも父さんに教わった剣術では、攻撃は通らないと思えた。
なら、
「これでどうかな、【連波】!!!」
「なッ!?」
繰り返す波のように、さらに加速する。
途切れることのない連撃、これは姉さんの剣技だ。
名を【流水剣】。僕も姉さんと考え、練習にも付き合っていたのだ。
まさか僕が使えるなんて、父さんは思いもよらなかったはず。
そこには一瞬、確実な隙が生まれる。
僕のオリジナルは、その一瞬のためにある。
僕は剣戟のさなか、剣を……
投げた。
一日二話とかやめとけばよかったかもです……