ばくしすてむ
衝撃の展開に真姫奈は、震えてしまった。
[し、死ぬなんて嫌ですわ!まだ殿方とお付き合いもしてですし、コウノトリも拝めてないのですに……]
頭痛がし、ベッドに倒れる。
再び、バクの顔を見るために立ち上がろうとするが、仰向きの状態から起き上がることが出来ない。手を使って上がろうとするが手が天井に向けたまんま動かなくなっている。
[ほう、もう夢を吸い取らない副作用が出たのね、初めてにしては早いじゃない]
前のベッドで寝ていた、白衣を来た女の人が出てきた。 黒い長い髪に、綺麗な赤い目、スタイルもよく出るところ出ている。
[だ、誰ですか?わ、私を助けてくださいますの?]
私はわらにもすがる思いで聞いた。
[うーん、そうだね、まぁ、助けるっちゃ助けるっていうか、その〜]
モジモジしながら、心強くない不安定さだが、信じるしかなかった。
[ほ、ほんとなのですわ?腕がずっとぴーんとしてて立てないのですわ!]
[それはね、と、とりあえず横向けるよね、]
私は、手を伸ばしたまんま横に向く。
[やっと、顔が見れたね、私の名前は霧賀凜子ここの患者たちの世話をやらしてもらっている。気軽に、りっちゃん、キリコなど呼んでくれ。]
[はいですわ、きりさん!私は、須桐真姫奈、今すごく手が痛い女子中学生ですわ……]
[なるほど、今日は手が痛くなったからここに来られたってことですね?]
[え、あのバクの人に連れられて、]
[ん?バクなんて夢の生物じゃない?夢を喰らうだけに]
あははは、と大きく笑われる。
[まぁ、とりあえず、腕と手を触っていいかしら?]
[は、はぁ……]
[うんうん、これはカチカチだねぇ……]
よーし!といきなり立ち出すきりさん。
[せいやぁ!]
といきなり言って自分のスカートをめくって見せつけたのであった。
[な、なななな何してるんですの!]
すると、きりさんはいきなり私を押し倒す。
[ちょ、ちょっと……きりさんは、恥ずかしいですわ……]
そう言って、私は目をつぶる。
だが、いくら待てど、何もされない。
[え、きりさん続きは……]
目を開けるとそこにきりさんの姿はなく、バクりもんだけがいたのであった。
[またあなたですの!きりさんをどこにやったのですの!]
あぁ、といい、前のベッドのカーテンを開ける。
そこにきりさんはいた。
[も、もしかして、私は、気絶しちゃったのかしら?]
[違うよ、彼女が夢を叶えた、その夢を君が食べちゃって、それで満足して君は寝たんだ。]
[夢を食べた?]
[ああ、君はもうバクなんだ、夢を食べたおかげで、君の手はいつも通りになった。]
私の両手を見る。たしかに曲がるようになっていて、カチコチではない。
[私はこれからどう生きていけば……]
[そうだね、まずは、ここで夢を食べて、私や霧賀と1年間暮らそう。]
[ただし、1年間は私が指定した人の夢を食べなければならない……]
質問を受け付けるよ、そう付け足す。
[そういう時って、夢を食べる代わりになんでも願いを聞こう!とかが定番じゃないのですわ?]
[それはね、もうやめたんだ……]
下を向き、苦虫を噛み潰したような顔をするバクりもん
[な、なるほどですわ、まずは、誰の夢から食べるといいのですわわ!]
[あぁ、まずは、この男、摺切林檎この男は、かなり夢を食べるのは難しいと思うけど、君ならできるでしょ……]
私のおかしく不思議な青春が始まった。