部下篇(四):昇進
昇進
■旗揚げする指導者
世論が事業を必要としているなら旗揚げして先頭に立てばよい
旗揚げ時は軌道に乗るまで儲けもないか赤字になる
実入り以外で組織の仲間の不満を溜めないように気を配る
仲間の長所を褒賞して士気を鼓舞し、仲間から慕われる人望が不可欠
人望がないと成果を出しても仲間に逃げられる
組織の規模が拡大するまでは短所で罰しないこと
《『君主論』第三章より》
■指導者まで出世する
上司や派閥重鎮のご機嫌をとり、お声がかりか「数の力」を得る
へつらいで指導者や幹部に昇りつめてから改めて善政を布けばよい
逆にそのような者を抑止するには、そうできないよう制度を整えておく
《『甲陽軍鑑』品第五十より》
《『君主論』第六章より》
《『政略論』第一巻五十二、
第二巻十三より》
■禅譲された指導者
前指導者とのコネがあればいいが、多数派を味方にすれば治めやすい
信賞必罰を徹底して、新指導者への不安を早期に払拭すること
《『君主論』第七章より》
■世襲で後見人に庇護されていた指導者
後見人の部下に庇護されていたら、昇進した段階で後見人の職を解す
後見人が残ると権力が分散する危険が増え、以後の統治に難渋する
世襲は二世が惰弱でもなんとか統治できるが三世も惰弱なら潰える
逆に二世も三世も卓越していれば組織は大きく飛躍する
《『荀子』儒効より》
《『言志四録』言志録より》
《『君主論』第二章より》
《『政略論』第一巻十九、二十より》