第3話
「水を司る神様がこの世界の創造神代理をしているのは理解しました」
「しかし、なぜ代理なのですか?本来の創造神様がいるのですからその神様にお任せすれば宜しいのでは?」
至極真っ当な質問した名も無き神はその返答に呆れるのであった。
「昔から彼女(創造神)は放浪癖がありまして
『少し旅に出ますので後の事、宜しくお願いします。』
と置手紙をしては何年も帰ってこない事があり、私達六柱はよく頭を抱えたものです」
「そして、最後に置いてった手紙の内容は
『私がいなくても大丈夫そうですね。頑張ってください。』
この手紙を残し、かれこれもう数万年も帰ってきていません」
「当初いつものように帰りを待ち続けました。しかし百年、二百年経っても帰ってこない」
「この頃になってようやく私達は彼女の残した手紙の意味を知ることになります」
「もしかしたら彼女が残した手紙は別れの手紙だったのではないかと」
「私達は探し始めました。この数多な世界と星々を」
「あまりにも広大で捜索は遅々として進まず千年と少し経った頃、偶然に一つの星が滅びる様を目の当たりにして私達は気が付いてしまったのです」
「創造神様がいなければ新たな星も世界も生まれない。誰かが管理をしなければ只、滅びるのを待つだけになってしまう」
創造神は行方不明。
滅びはすれど創れるものなし。 うん、詰んでます。早く帰ってきてください。
創造神様。
「仲間と何度も話し合った結果が創造神代理です」
「既に沢山の星が滅び・・・いいえ、今この瞬間にも滅びに瀕していると言った方が正しいでしょうね」
「滅びた原因はいろいろとありますがその中で一番多いのが神同士による戦いです」
「この世界も神同士での戦いが後を絶ちませんでした。しかも人に、加護もしくは神器を与え人類同士による代理戦争まで画策していた神々もいましたよ」
過去にはそんな事までしていたのか。
今の平穏な状況からだと全く想像できない。初めて知ったよ。
「だからこそ私達が介入して幾つかの規則を設け、私がこの世界で創造神代理をしているのです」
「その規則を破って、人そのものを神に変えてしまうなんて・・・貴方が初めてですよ。名無しさん」
マズい。そう思い視線を下に逸らす。
あの無表情、思い出しただけで震えが止まらない。
「別に怒っているのではありません」
「貴方は私に幾つかの借りがある。それを返してほしいだけなのです」
確かに思い当たる淵が三つある。
規則、ユキ、転生の件だ。
道理で罰則も条件も付けなかったのか。
本来、この話に逃げ道は無いし強制させる事もできる。
それなのに『借りを返してほしい』と言ってきたのだ。
その意思を汲んで
「わかりました。精一杯頑張ります」
と返答する名も無き神であった。