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仲良くできるのかしら

◇◆◇千春◇◆◇


(何なんですか!帰ってくるなり大声出して自分がどれだけ恵まれた環境に居るのか分かってないのかしら!)


千春と小春は、5年前に事故で両親を亡くし、両親がかなりの資産家であった為に遺産をめぐって親戚中をたらい回しになれ、引き取られるたびに実の子との間で格差の扱いを受け小雪は千春以外を怯えるようになり千春はつくり笑いが当たり前になってしまった。

幸いに友人関係に恵まれていたので学校にいる間は何とか小雪も過ごすことができたが家では千春の側を離れる事はなかった。

そんな日々を送っていたら、かなりの遠縁にあたる銀次の祖父から『田舎で良ければうちに来ないか?うちにはお主達に酷い扱いをする者はおらんぞ』そう言われ、小雪の為にもと思いこの話を受けたのだったが


(顔合わせ前から小雪が怯えてしまってるじゃないの!ただでさえ家ってことだけで怯えているのに!お爺様もお爺様です。呼ぶまで隠れてなさいって、引き取る前に話くらいして置いて下さいよ!)


「春ねぇ....」

「大丈夫よ。私がそばにいるからね」


入って置いでという声を聞いてリビングに入ると前に言われた通り目つきが凄く悪くその目線に怯えて小雪が千春の背に隠れてしまった。

その後も二人を無視してやり取りが数分続いたと思ったら銀次が台所にご飯を作りに行った。


「あの、お爺様予想よりも酷いのですが....」

「見た目や言葉は悪いが根は良いやじゃから安心せい。と言ってもこれまでがあるしのぅ初対面で信じろ言うのは無理じゃろう。徐々にで良いから信じてやっておくれ」

「そう、言われるのでしたらわかりましたが、小雪に危害を加えるようなことがありましたら私は許すことができませんので、理解しておいて下さい。」

「ふむ、それは大丈夫じゃろう。銀次も境遇はお主らと変わらんからの、それより銀次が作る飯は中々に美味いから期待しておいて良いぞ。飯が出来るまで暇じゃろうから、そこのパソコンで情報を見ていたりして時間を潰すと良いぞ」

「分かりました」


(境遇が同じ?同じはずなのに何故あんな態度がお爺様に取れるのよ。どうせ、私達より酷くなかったんでしょうね。じゃなきゃあんな態度がありえないわ)


そんな事を考えながら小雪と一緒にゲームの情報を見ていると夕飯を銀次が運んできた。


(何よこれ、なんでこんなに美味しいのよ。あぁ、小雪があんなに美味しそうに楽しそうに食事するのを見るのはいつぶりかしら。)


千春は嬉しそうに食べる小雪を見ながら食事をするのであった。

食事が終わり


「さぁ、説明してもらおうか」

「はぁ、せっかちじゃのぅ。まぁ、ええわい。多少違うところがあるが簡単に言えば銀次、お主と同じじゃ」


祖父が銀次に説明をすると、鋭い目つきで睨まれた。


「俺と同じ、ね。まぁ、詳しい事は知らんが概ね分かった。それならあんなもん買ってくるのもわかるが、どうせ、俺のぶんだけじゃなくておいつらの分もあるんだろ?」

「正解じゃ、一緒にゲームをすれば多少は親睦も深まるじゃろう?」

「なるほどな、だが、俺は一人で遊ぶぞ」

「それでも、構わん同じゲームをする。そこに意味があるんじゃ、さてと自己紹介ぐらいは、せて貰わんとお互い困るかの」

「それで良いなら良いか、さっきからそこの爺が呼んでる通り俺は山本銀次だ。俺に害が無ければ問題ない好きにしろ」

「あ、はい。分かりました。私は千春"ちはる"と言います。隣にいるのは小雪"こゆき"です。私が16歳の高校2年で、小雪は12歳の中学1年です。」

「同い年かよ。誕生日は?」

「私が8月8日で、こh「自分で喋れないやつのは聞いてない」なっ!」

「銀次、女の子には優しくせい!」

「知るか!あと、俺の方が1日早いから俺が兄な、俺は片付けがあるからじゃぁな」


(何が兄ですか!1日しか違わないくせに!それにお爺様が交流をはかれるように態々買ってくださったのにソロでいくって何を考えてるのよ!)


そんな事を思っていると千春は達の身元で


『自分らが一番不幸だなんて思ってんじゃねぇぞ』


と囁かれた。


(何を言っているのよ!私達より良い生活してきたくせに何を言ってるのよ!向こうが仲良くする気ないのに無理よ)


銀次がリビングから出て行ったあとに銀次言われたことに小雪が完全に怯えてしまいその場を動くことが出来ずにいた。


「はぁ、許してやっておくれ、銀次はな、5歳の時に両親を亡くしておる。しかも引き取られた親族からも目つきのせいで煙たがられての遺産もほとんどなかったせいで虐待も受けての学校でも友人はできず、やはり目つきのせいでいじめにあっておっての最初のうちは我慢していたらしいのじゃが、いつの間に返すようになってしもうての引き取った親戚が施設に預けてしまっての、それを儂が引き取ったんじゃよ。銀次とは血が繋がっとらんが本当の孫のように思っておるからの。それが伝わったのか引き取ってから3年してやっと心を開いてくれての、お主達に思う所があったようじゃの」


(え?あんな元気なのに私達より酷い環境に居たって言うの?信じられるわけないじゃない。って小雪?ねぇ、何でソワソワしてるのかしら?ゲームよね?ゲームがしたいだけよね?今までやったことがないからゲームしてみたいだけよね?なんか嫌な予感するわ....)


「お爺ちゃん、銀次..さんも同じゲームするの?」

「ふむ、そうじゃよ。それがどうしたんじゃ?」

「ううん、何でもないよ」


(あー、小雪が完全に銀次に興味を持ってしまったわ。はぁ、私だけがイライラしてるのが馬鹿みたいじゃないのよ。早く慣れないといけないわね)


「春ねぇ、ゲームの情報をもっと見よう」

「そうね、どうせやるなら楽しまなきゃね。それにサービス開始が3日後の7月24日らしいからそれまでにどういった感じにスキルをとるかも考えなきゃね」

「うん!」


(彼のプレイスタイルも聞いておかなきゃいけないわね)


その日は、寝るまで情報を見てあれこれと二人は話し合った。

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