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なんでもやります!? よろず同好会  作者: 岩戸 勇太
夏休みはどうしようか?
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いがみ合いが解決

 何これ……? なんで二人とも『渋々了承』みたいな感じの態度になっちゃってるわけ?

 この状況を飲み込めていないの俺だけなのかもしれない。

 見る限り、あの三人の様子は、いい感じになっている、これがマンガやアニメなら、背景に花とかが浮かんでいただろう。なんとなく俺にはそう感じる。

「また明日、部室で会いましょう。なんか、美味しいところは全部もっていかれました」

 見空が言う。

「ここに残っても恥をかくだけね」

 二人は、この場の空気を読んだらしい。俺にはまったく読めないけど……砂彩と見空の二人は、帰る事になっていったのだ。

「片付けしよう」

「片付けは俺達がやるのか……?」

 魅成が言うのに、俺が気付く。

 片付けを俺達に押し付けやがったか……あの二人……

「そんなの小さなことじゃない。お兄ちゃん小さい事を気にしすぎ」

「俺って顔に出やすいのか! なんで考えている事がことごとくバレるんだよ!」

「口を動かす前に、手を動かして」

 俺の文句の言葉も無視かよ……魅成もだんだん可愛く無くなっているな……

「私だって、ただのなまけものにまで優しくない」

「また読まれた! もう読まないでくんないかな!」

「可愛くなくなっているとか……片付けをやることになったくらいで、ふてくされすぎだよ。私に当たるのもダメ」

「結局何も食えなかったし、片付けだけを、やらされる身にもなってみろ」

 そう言うと、魅成の口元がクスリと笑った。

「何かを食べられればいいの?」

 そう言い、魅成は一つのお椀を俺に向けて出した。

「私はトン汁も作っていたの。忘れてたでしょう?」

 そう言い、俺の前にお椀を置いた。俺はそれを見つめる。

「何か食べたかったんでしょう?」

 ニヤリと笑いながら俺に言う魅成。こいつ……分かっていて言ってるな……

「箸は……?」

 汁物である、箸が無くては食えない……

 魅成は、箸を取り出した。

「私のを使ってあげる」

 そう言い、トン汁の中に箸を入れて、中のニンジンをつかむ。

 そして、俺の口元にニンジンを近づけてきた。

「はい。あーん」

 そう言い出す魅成。この状況、当然箸を持っているのは魅成である。

「どうしたの? 食べたかったんでしょう?」

 からかうようにして、さらに言ってくる魅成。

 問題なのは、そこじゃないだろう……

 『あーん』なんてやってもらうのは、小学校の低学年以来だ。

 まあいい……砂彩と魅空は、もう帰っている。これを見ている人間はいない。

 恥ずかしい気分もするが、魅成の悪ふざけに付き合ってやってもいいだろう。俺は、魅成の差し出してきたニンジンをくわえた。

「どう? おいしい?」

 そう聞いてくる魅成。正直恥ずかしくって味なんてあんまり感じない。

 そこで、魅成の後ろ。ガラスを隔てた窓の向こう側に、砂彩と見空の姿を見かけた。

 いつから見てたんだ……あの二人……

 二人は並んでこっちを見ている。 

『このロリコン……』『警察に通報しますよ……』

 そうとでも言い出しそうな、冷たい目線をしながら、俺の方を睨んでいたのだ。

 二人は、同時に後ろを向くと、ケッ……とでも言い出しそうな感じで俺のことを一瞥した後、廊下を歩いて去っていった。

「どうしたの? 美味しくなかったの?」

 俺の顔をのぞき込みながら言う魅成の声を聞く。

「これは他人から見れば、ものすごくおいしい状況だろうな……」

 意味が分かっていない魅成は、じゃがいもをトン汁から取り出して、俺の口に近づけてきた。

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