表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/67

待ち合わせに

 待ち合わせの場所に行くと、三者三様の様子であった。

 大荷物を抱え、半袖で来ている砂彩。デカイ望遠鏡を抱えており、長袖の服を着て、まるで、富士登山にでも行くような装備でやってきている見空。魅成は、制服のままやってきており、用意らしい用意はしていない。

 午後十時の終電に乗り、魅成の言う心霊スポットにまで向かっていく。

 全員、カメラ持参。俺は、山歩き用のシューズに虫よけスプレーを用意して、いつものかっこうでやってきた。

 田舎の駅であり、改札がなく、運転手にキップを渡して降りる場所だ。

 駅を出ると、目の前にはポツポツと民家の見える集落がある。

 そして、裏には山が見える。そこが、今回行く心霊スポットだというのだ。

 落石を止めるために、コンクリートで塗り固められた壁に挟まれた、二車線で、歩道の無い道路。

 ここに、工事のときの事故で死んだ幽霊が出るのであるというのだ。

 砂彩が荷物を出す。すると、中にはライトの類がびっしりと積み込まれていた。

「そんなに電灯ばっか用意して、どうするつもりだよ……」

「うるさいわね! 明るいほうがいいでしょう!」

「暗いと怖いのかよ……?」

 それで、固まった砂彩。一秒くらいしてから俺の事を、ギッ……とにらみ出す。

「そうよ! 悪い! オバケが怖いのよ! 笑いたければ笑うがいいわ! 私はオバケが怖いんですぅ!」

 こいつは逆ギレするタイプなのかよ……

 魅成は近くにある縁石に座って髪をいじり始めた。

 そして、見空にいたっては、望遠鏡を持ってどこかに行こうとしている。

「どこに行こうっていうんだ!」

「空気が澄んでいますから、UFO撮影をしてきます」

「ここには心霊写真の撮影に来たんだぞ!」

「この場には三人もいるんだから大丈夫でしょう?」

 そう言い、山の奥にまで入っていってしまった。

 よろず同好会の面々は、見事に息がバラバラである……

 俺も、近くにある縁石に座った。写真撮影にやってきたはずなのに、カメラを構えている者は一人もいない。

 こんなメンツを率いて、校長達の求めるような『成果』をあげる事ができるのだろうか?

 今更ながら、さらに不安になってくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ