何を始めようか?
次の日、部活に集まった面々。
よろず同好会の面々は、放課後になったら所在無く部室にやってきて、ダラダラと過ごしていた奴らである。
そう言う俺も、そのクチである。
部室の場所が変わろうとも、こいつらの行動パターンは変わらないらしい。
ただ、俺が来たときには、三人とも居心地が悪そうにしており、お互いに相手の様子を窺うものの、目が合うと、ふっ……と目をそらすし、お互いに会話すらしようとしない。
まさに、仲の悪い連中を同じ部屋に押し込んだ時の反応をしていた。
『うわぁ……何これ……空気が最悪だぞ……』
ピリピリとした感覚を肌で感じ、居心地の悪さを感じた俺は、魅成の隣に座る。
今や、この不気味な心霊少女が、俺にとっての心のオアシスになってしまっているという事実が、この場の空気の悪さを如実に表しているだろう……
だが、部長として、ここで伝えなければならない事がある。
「聞いてくれ……昨日、生徒会から部費を渡された……」
おずおず……と、いった感じで言う俺。
それを聞くと、砂彩と見空はそろってギラリとした目で俺の方を向く。
うわぁ……予想していた通りの反応……
「いくらなの?」
砂彩が聞いてくる。
「部の新設であれば、三万円入るはずですよね……」
見空も言う。
「そこでだ!」
二人の様子を見て、不穏なものを感じた俺は、言葉を打ち切るようにして話を続けた。
「貴重な部費だ! そして、十月までに、活動の成果を見せなければならないという状況もある! この部費を、どのようにして使うのが有効か? を、話し合おうじゃないか!」
まくし立てて言った俺。
そして、回りを見回して、皆の様子を確認する。
黙考をして言葉を探す見空。
そして、砂彩を見ると、自信ありげにしていた。
「ここは私に任せなさい!」
砂彩は机に足をドン! と、置きながら、自信満々にして言った。
「その体勢、慶次お兄ちゃんにパンツ丸見えだよ……」
魅成も、余計な事を言わんでいい……その言葉を聞いた直後、砂彩の足が俺の顔面に向けて飛んできた。




