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赤竜の威光

番外編リク「一般プレイヤーがレッドドラゴンに挑むとどうなるか」と「ランカー発見スレ」です。

ちょっと短めで申し訳ない。


リアルが落ち着くまではこんなペースになりそうです。週一ペースに戻せるのはいつになるやら。

163.名無しの魔法剣士さん

鎧を新調したいんだけど、何かオススメ無い?

今150ちょっとで南ルート進行中、鎧の重量M以下がいいんだけど

あと少しで山道越せるかなって所


164.名無しの竜騎士さん

南ルートかぁ、羨ましいな


165.名無しの賢者さん

150戦士系なら赤竜シリーズで安定だな

一式手に入ったらしばらく防具変える必要無くなる


166.名無しの黒騎士さん

北ルート行くんなら微妙だけど、行かないなら赤竜シリーズゲットするべき

北ルート行くなら氷竜シリーズだろうけど、南ルート火山との相性が最悪ってレベルじゃない


167.名無しの将軍さん

まあ山道越えてからになるけどね

相当優秀だから是非揃えてみて


168.名無しの魔法剣士さん

thx

山道越えたらドラゴン狩ってみるわ








「く、くそっ!」

「聞いてねーぞこんなの!」


 暴虐の火山エリア2。レベル151の魔法剣士であるニライとそのパーティメンバー2人は、壊滅の危機に陥っていた。

 フロア1は問題無く突破出来たが、フロア2で不注意からレッドドラゴンとマグマサーペント2体の奇襲を受け、一気に総崩れとなってしまった。

 元々は6人パーティだったが、開幕の奇襲で魔術師と治癒士の2人が落ち、回復役を失って慌てた所を盗賊が落とされた。主戦力である魔法剣士(自分)と重騎士、魔弓士は無傷だったが、回復手段が限られる現在の状況ではあまり意味は無く、態勢の立て直しすらままならない。


「回復薬は!」

「もう中毒の限界だ、飲んだら死ねる!」

「マジかい!?」

「自分の飲んだ量くらい把握しろよ!」


 さらに悪いことは重なり、初手で喰らった大ダメージを治すために回復アイテムを使いすぎたのが原因で、しばらく回復が出来ないという事態に。

 サーペント1匹は攻撃を集中させてどうにか倒したが、HPが6割ほどしかないこの3人で、回復無しでほぼ無傷のレッドドラゴンとマグマサーペントのコンビを倒すのはほぼ不可能といえる。

 一応ここまで来てるんだから自分たちも弱い訳ではない(と思いたい)が、バージョンアップで強化されたAIにプレイヤースキルがついて行けていない。


「くっそ、どうにか……っ!」


 そんなとき、視界の右上に点灯したものがあった。

 手の平のマークは、すなわち救援マーク。誰かがこちらの惨状を見て、手を貸そうとしているのだ。


「救援認証っ!」

「『滅拳術・葵』」

「『竜殺の騎士槍』!」

「『フロストビット』!」


 なりふり構わず救援を認証した瞬間、スキルの連打によってレッドドラゴンが真横に吹き飛ぶ。

 慌てて後ろを見ると、一人の女性と一人の青年がレッドドラゴンとマグマサーペントと対峙しており、一人の女性が駆け寄って来る。


「大丈夫ですか?」

「ああ……何とかなりそうだ、ありがとう」


 どうやら聖騎士であるらしい彼女は、俺に回復魔法をかけてくれた。回復薬はまだ残っているが、ありがたいことには変わり無い。

 横を見ると、チームメンバーも回復薬で回復している。


「すまん、もう大丈夫だ。俺も加勢に……」

「いえ、それには及びませんよ」

「え?」


 十分に回復仕切った所で改めて加勢しようとするが、何故か止められてしまう。

 理由を聞こうとした瞬間、ズズゥン、と何かが倒れる音。いや、まさか。


「もう終わりましたから」

「!?」


 慌てて音のした方を見遣れば、倒れ伏して消えるレッドドラゴン。そしてそれを背にしてこちらへ歩いて来る二人。

 救援に入ってからまだ一分もたってない。先手取ったからといって、そんなに早く倒せるものなのか?


「怪我無いですか?」

「大丈夫です、自分後衛でしたので」

「開幕連撃葵連打で余裕ですた」

「ディドさんの火力はおかしい……」

「え?」


 なんか今、有名人の名前を聞いたような。ディドって……え?


「え、もしかして、あの(・・)ディドさん?」

「どのディドかわからないけど、とりあえず私はディドですよー」

「スレは1から読んでたけど、本物は始めて見たわ……」




 休憩ついでに話を聞くと、どうやらここで素材集めとレベル上げを兼ねてしばらく篭っているようだ。……正直、もう突破しているとばかり思っていた。

 気になったのでステータスを覗かせてもらったのだが……


名前:ディド

レベル:173

職業:滅拳士

サブ職業:妖拳士

種族:霊鬼

HP 3562/2412(+1150)

MP 4330/3810(+520)

STR 691(+70)

DEF 284(+320)

AGI 394(+380)

DEX 43(+155)

INT 559(+110)

MDF 307(+270)

VIT 150(+170)

LUC 0(+270)


名前:グロス

レベル:165

職業:魔剣士

サブ職業:魔法剣士

種族:魔族

HP 4042/3192(+850)

MP 2853/2413(+440)

STR 516(+220)

DEF 467(+250)

AGI 284(+240)

DEX 299(+175)

INT 535(+220)

MDF 496(+185)

VIT 284(+70)

LUC 193(+150)


名前:ルマリア

レベル:162

職業:聖騎士

サブ職業:騎士

種族:聖人

HP 3745/2780(+965)

MP 2135/1655(+480)

STR 491(+180)

DEF 514(+240)

AGI 274(+163)

DEX 156(+180)

INT 312(+165)

MDF 385(+150)

VIT 319(+120)

LUC 184(+130)


 ……自分達と10レベルくらいしか違わないのに、この敗北感はなんだろうか。プレイヤースキルでここまで差がつくものなのかと思い知って凹む。


「まあそれはともかくとして……危ない所でした、救援ありがとうございます」

「いえいえ、困った時はお互い様ですよー」

「このあとはどうするんですか?」

「後衛の3人が死に戻りしちゃったので、一旦町に戻りかなーと」

「そうですか……自分達はまだ狩りを続けるので、また縁がありましたらよろしくお願いします」

「いえ、こちらこそ」

「あ、あの!」


 とりあえずお礼を言って、町で待っている仲間の元へ行こうとしたが、メンバーの一人がそれに割り込む。

 ああ、そういえばこいつ……


「はい、どうされました?」

「えっと、その、あの……ディ、ディドさん!」

「あ、私?」

「は、はい! もしよければでいいので、サインいただけませんか!」

「……サイン?」


 そうである。こいつ、ディドさんのファンなのだ。

 一時期とあるゲームにはまってかなりやり込んでいて、「自分よりやり込んでいる人いないんじゃないか」とか天狗になっていたのだが、俺が見せたディドさんのプレイ動画(ノーダメキャラ限定縛り)を見て完全敗北を悟り、同時に憧れの対象となったそうだ。

 ディドさんよりムラクモを始めたのは先なので1stキャラこそ重騎士だが、ディドさんがムラクモ始めた途端にくら替えし、今では2ndキャラはレベル117の妖拳士である。


「……まあ、いいけど……」

「ありがとうございます!」


 そう言ってアイテム欄から「色紙」と「ペン」を取り出す。困惑しながらもディドさんは色紙にサインを書いてくれた。


「はい、どうぞ」

「ありがとうございます! あ、これって『エンゲージ・ストーリー』で書いた奴ですよね!」

「あ、知ってるんだ?」

「はい、Part1からずっと見ましたよ!」

「それはどうもありがとう。正直エンゲで一番ネタ回になったのここだったような」

「そういえばそうですねぇ……あそこだけコメントが凄い多かったですよね」



 なんかいきなり話しはじめた。ディドさんも乗ってるし。

 ちょっと待ってみるが、むしろ話は弾んで止まりそうにない。


「……なんか、すいません」

「え、いや、言い出しっぺはこっちの奴だし……こっちこそすいません」

「いえいえ」

「いやいや」


 見かねたグロスさんがディドさんを止めるまで約10分、こっちはこっちでこんな会話を延々続ける事になるのだった。










【見て学べ】ムラクモランカースレその7【実践はするな】




258.名無しの魔法剣士さん

ディドさん見たわ


259.名無しの戦士さん

マジか


260.名無しの魔法使いさん

どこで見た?


261.名無しの魔法剣士さん

火山のエリア2


262.名無しの呪術士さん

無理ゲーorz


263.名無しの剣士さん

遠すぎる……


264.名無しの拳闘士さん

流石はランカーというべきか


265.名無しの騎士さん

どういう状況だったかkwsk


266.名無しの魔法剣士さん

山道越したからレッドドラゴン装備のために素材集めようと思ったけど想像以上に強くてパーティ半壊

あわや全滅というところで助けてくれた


267.名無しの戦士さん

かっけえぇぇぇぇ


268.名無しの賢者さん

すげぇwww


269.名無しの剣士さん

流石だわー


270.名無しの拳闘士さん

なんか喋った?


271.名無しの魔法剣士さん

まあちょっとだけ

どうやらレベル上げと素材集めしてたっぽい

あ、そういえばチムメンがサインもらってたな


272.名無しの魔法使いさん

あそこってそんなに簡単な所じゃないと聞いているんですけお……


273.名無しの騎士さん

つかサインとか何それ欲しい


274.名無しの戦士さん

俺も行ったらもらえるかな


275.名無しの魔法剣士さん

もらえると思うけど、火山まで行ければね


276.名無しの賢者さん

無理(′q`)

次回は……そろそろ本編でもいいかな。素材もそろそろ集まったでしょう。

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