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七話

「おはようございまーす!…あれ、今日はボスお休みですか?」


「おはよう、アシレ。セイレンは定例報告に登っているよ」


何時ものようにゆったりとコーヒーを淹れながらリュウが答える。本日は便利屋の所有者のもとに定例報告に行く月に一度の日だ。依頼ごとに報告書をまとめて飛ばしているが、必ずセイレンが報告に行くのがお決まりだった。


「そっか、もうそんな時期かぁ」


「毎月じゃなくてもいいと思うっすけど」


「まぁ、あの方も政務に追われてるし、こんな場所にはなかなか、ね」



ところ変わってここは王城。バタバタと人が行き交う廊下を抜け、切り取られたように静かなエリアへ立ち入っていく。警備の騎士も、もはや顔なじみになり会釈をする程度だ。

重厚な扉の前へたどり着く。こん、こん、こん、こん。セイレンがノックをするとゆっくり扉が開き、先ほどの騎士たちよりも豪華な鎧に身を包んだ男が出てくる。


「お待ちしておりました、セイレン様」


「いい加減敬称やめてくれませんかねぇ」


「殿下のご友人にそのような無礼は許されませんので」


中へ招かれて目に入ったのは、いつも通り書類の小山とこちらに気づいてにこりと笑う顔だった。


「やぁ、待ってたよ。どう?調子は」


「…わかってて聞いてるだろ。フツーだよ、フツー。毎回思ってたけど、都度報告書出してるんだからいらなくね?この会」


「私にだってたまには友人の顔を拝ませてくれよ。祝福の調子も聞きたいからね」


「この間の任務で使ったって書いただろ」


「そう。体の調子はどう?」


「別に悪かねぇよ。何度も使ってるとこ見てるだろ」


「まぁ、そうなんだけどさ。あ、ニジヤはどう?また変なもの作ってる?」


「作ってるよ。それも役立ってる。さすがお前の推薦なだけあるよな、王太子殿下」


セイレンのわざとらしい呼び方に、笑みを深めた殿下ことウィルセルは楽しそうに会話を続けた。


「アシレは本人の意向が強かったけれど、ニジヤは私が便利屋を紹介したからうまくやれているか心配でいつも聞いてしまうね。最近はどんなものを?」


「こないだの依頼の時は、耳飾り型の無線機もどきみたいなの持ってきたな」


「無線機?あの大きな装置を必要とするものを耳飾りで?」


「嗚呼、取り寄せた魔道具を改造して作ったらしい。結構きれいに聞こえたぞ」


「それは是非騎士団にも導入したい…ところだけど、ニジヤだから思い付きと偶然でできたと言うんだろうね。…ところで、便利屋に頼みたいことがあるんだ」


「毎回それじゃねーか」

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