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あなたの幼なじみはどうやら私にご執心のようです  作者: ぽーりー


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24/28

24 結び



最終話です☺️





『本当にご一緒してよろしかったんですか?』


レイモンドさんの奥さんのアリスさんが申し訳なさそうに尋ねてきた。


『もちろん、いいに決まってるじゃありませんか!私たち二人では寂しいですから』

『でもせっかくの新婚旅行が・・・。私たちは結婚式に出席させていただいただけでも光栄でしたのに』


三日前、私とロアス様は修道院の大聖堂で結婚式を挙げた。

結婚式には私の親族だけでなく、ロアス様のご家族もラビナスから駆けつけて出席してくださった。

我が家に宿泊していたロアス様のご家族が今朝ラビナスへと出立されたので、私たちも今日別荘へ向かうことにしたのだけれど、あちらに滞在する間御者のレイモンドさんをずっと拘束することになるので、よければ彼の家族もご一緒にと私から申し出たのだ。


『ねぇ〜お尻が痛いよ〜。いつ着くの?』


レイモンドさんの末息子のステファンがふてくされながらお尻をさすった。


『わがまま言わないの!こんな素敵な馬車に乗れるだけでもすごいことなのよ?他の馬車ならもっとお尻が痛くなりますからね?』

『え?そうなの?』

『ステファンごめんね。あと二刻くらいはかかると思うわ』

『え〜〜』


やはり小さい子に長旅は酷だったかしら・・・。

隣に目を向けると腕を組んだロアス様がウトウトなさっていた。

昨夜も遅くまでご両親とお酒を飲み交わしていたそうだ。


『ロアス様ってかっこいいね!王子様みたいだ』

『そう?ステファンもきっと素敵な男性になるわよ』

『へへっ。そうかな?』


ステファンは恥ずかしそうにアリスさんの腕にしがみついた。

ふふっ、可愛いわね。


それからアリスさんと女性ならでは会話を楽しんでいると、あっという間にモンテタールの南東に位置する街、ハレンブルクに到着した。

ここはモンテタールの中でも温暖で過ごしやすい地域で、街には貴族が所有する別荘が多く点在していた。


「すまない。眠ってしまったようだ」

「いえ、もう少しかかりますからまだ寝ていてください」

「大丈夫だ」


ステファンもいつの間にかアリスさんの膝の上で眠ってしまっていた。


屋敷に到着すると、私は松葉杖を握りしめた。


「大丈夫か?」

「平気です」


馬車から降りると、荷台から荷物を降ろそうとしていたレイモンドさんにロアス様が声をかけた。


『俺がやろう』

『とんでもないです!これくらい平気ですからご心配なさらないでください』

『しかし・・・』


レイモンドさんもあの落石事故で右肩を骨折してしまっていたのだ。


『もう完治していますから。ロアス様はお嬢様を屋敷へお連れしてください』

『そうか・・・。では頼む』




はぁ・・・ここへ来るのは久しぶりね。

幼い頃はよく来ていたけれど・・・。

思い出にふけりながら玄関のドアノッカーを叩こうとすると、白髪混じりの男性が慌てて出てきた。


『お嬢様!』

『トーマス!結婚式ぶりね』

『はい。早々に戻ってしまい申し訳ございませんでした』

『今日の準備のためでしょう?いつもありがとう』

『さぁ、お入りください。ディナーの準備も整っております』

『ありがたいわ。もうお腹がぺこぺこなの』

『今日は少し冷えますので暖炉もつけております』

『あら?スナーフェンに比べればずいぶん暖かいと思ったけれど』

『さようでございますか?わたくしは朝から関節が疼きますが・・・』


トーマスは元々セルディーン家で執事をしていたのだけれど、高齢になり持病もあるのでお祖父様がこの別荘の管理人になさったのだ。


『トーマス様、この度はお世話になります』

『よろしくお願いします。ほら、ステファン』

『よ、よろしくお願いします』


レイモンドさんのご家族が挨拶をすると、トーマスの顔が綻んだ。


『レイモンド、遠いところよく来たね。さぁ、まずは君たちを部屋に案内しよう』


トーマスは一階の奥にあるゲストルームにレイモンドさんたちを連れていった。


「私たちも行きましょうか」

「あぁ」


階段の前まで歩くと、ロアス様が私に向かって両手を広げた。


「俺が連れて行こう」

「いえ、大丈夫です。自分で登りたいんです」


私は松葉杖を使ってゆっくりと階段を上がった。


「大丈夫か?」

「はい」


なんとか登り切ると、私たちは廊下の突き当たりにある主寝室へと入った。

この部屋は普段であればお祖父様とお祖母様が使う部屋なので、シックな花柄のリネンで揃えられていたはずなんだけれど・・・。

なぜかベットのシーツや掛け布団、枕カバーが桃色のリネンに取り替えられ、赤いバラの花びらがベッドの上に敷き詰められていた。


「すごいな・・・」


ロアス様もあからさまな歓迎にポカンとしていた。


「す、すみません。トーマスが張り切り過ぎてしまったようで・・・」

「い、いや・・・」


あぁ・・・顔から湯気が出そうだわ・・・。


荷物を少し整理してから広間へ行くと、レイモンドさんたちがすでに着席していた。


『遅くなってすみません』

『いえ、私たちも今来たばかりです』


レイモンドさんが立ち上がったのでアリスさんとステファンもパッと立ち上がった。


『お気遣いなく、座ってください』


みんなで着席すると、トーマスが前菜のプレートを載せたワゴンを押してきた。


『まさか、トーマス様が給仕をなさるんですか?』


レイモンドさんが慌てて駆け寄った。


『レイモンド、座ってくれ。私がやりたいんだ。この屋敷にこうやってお客様が来るのは年に一度か二度しかないからね。じっとなんかしていられないんだよ』

『まさか調理もトーマス様が?』

『はははっ。料理人はこの日のためにちゃんと雇ってあるから安心してくれ』


トーマスはなんだかんだと喋りながら前菜のプレートをみんなにサーブした。


『トーマスも座って。一緒に食べましょう?』

『いえいえ、私は後でいただきます』

『そんなこと言わないで。結婚祝いだと思って、ね?お願い』

『・・・お嬢様がそこまでおっしゃるのでしたら』


それからみんなで葡萄酒を飲みながら美味しいお料理をいただくと、あっという間に時間は過ぎていった。


ディナーが終わると、レイモンドさんたちは疲れていたので先に部屋で休んでもらい、私とロアス様とトーマスは応接室へ移動した。


『ところで、ロアス様はどういったお仕事を?』

『ロアス様は兵士団で剣をご指南されているの』

『ほほ〜!そうですか!それは素晴らしいですね!』


私が事故に遭ってから二ヶ月後、ロアス様はチェイストン家の護衛を辞めて以前兵士団にスカウトしてくださった方とお会いになったらしい。

モンテタールの国籍がないと兵士団には入団出来ないけれど、指南役であれば国籍は関係ないとその時に知って、指南役として働くことにしたのだという。

その話を聞いた時、カルロ様がすんなりとロアス様を手放したことに驚いたけれど、私のお祖父様がチェイストン侯爵(カルロ様のお父様)に直談判したと後から聞いた。


『ロアス様はラビナスで騎士をなさっていたから剣に長けていらっしゃるの。騎士団でも将来は騎士団長になるのではないかと噂されていたほどなのよ?』

『どうりで!いい体格をされていると思いました!ロアス様がお嬢様の側にいてくださったら私も安心です・・・。お嬢様が幸せそうで本当に良かった・・・』

『ありがとう・・・』


トーマスは私が生まれた時からずっと一緒だったから、私にとっては三人目のお祖父様のような存在だ。


『これからは頻繁にここに来てもいいかしら?』

『もちろんです!いつでもお二人でお越しください』





主寝室へ戻ると、私はロアス様より先に入浴させてもらうことにした。

侍女がいないけれど一人でもなんとかなるだろう、そう思っていたけれど・・・。


「きゃあっ」


髪を洗おうと両手を上げた瞬間、ふらついて尻餅をついてしまった。

いた・・・。


「大丈夫か??」

「だ、大丈夫です。転んでしまって・・・」

「怪我はないか??」

「怪我はありませんが・・・立ち上がれなくて・・・」

「入ってもいいか?」

「え?」

「なるべく見ないようにする・・・」

「でも・・・」

「恥ずかしいのか?」

「・・・傷がありますから」


落石の事故で私の体にはいたるところに傷が残ってしまっていた。

こんな体をお見せするのは・・・。


「傷など・・・俺は気にしない」

「・・・・」

「こんなことを言うと・・・君に変に思われてしまうかもしれないが・・・俺はむしろ傷を見ると興奮してしまう・・・。いわゆる傷フェチというやつだ」

「・・・・」

「だから傷があるからといって思い悩む必要はない」

「・・・ぷっ」

「聞いているか?」

「ぷふっ・・・」

「リナ嬢?」

「・・・あっははははは!ん〜もう!笑わせないでください!うっふふふふふ」

「もしかして酔っているのか?」

「そ、そうかもしれませんっ。ふふふふふ」

「まいったな・・・」

「うふふふふっ・・・。わかりました。では、介助していただいてもよろしいでしょうか?」

「あぁ。任せてくれ」

「ふふっ。どうぞ、お入りください」


ロアス様は扉を開けると、私を抱き上げて浴槽の中に入れてくれた。


「俺が髪を洗おう」

「ありがとうございます。ふふっ」

「そうだ。バラの花びらを浴槽に浮かべれば肌が見えないんじゃないか?」

「確かにそうですね・・・」

「持ってこよう」

「ありがとうございます」


ふふ・・・。

傷に悩んでいるのがバカらしく思えてきたわ。

それからロアス様は私の髪を洗ってくださって、私があがるとロアス様もさっとお風呂を済ませた。


「これからはなんでも言ってくれ。夫婦になったのだから遠慮しないでくれ」

「はい・・・。ではこれからはロアス様がお風呂に入れてくださいますか?」

「それは・・・拷問だな」

「え?」

「先ほども言っただろう。傷フェチだと」

「まさか・・・本当の話だったんですか??」

「あぁ」


ロアス様が傷フェチという事実に理解が追いつかないでいると、ロアス様が私の髪に触れた。


「リナ嬢・・・今夜はトーマス殿の期待に応えないか?」

「え?トーマスの期待に?」

「彼が寝室をこれだけ飾り付けてくれたのは・・・なんのためだと思うんだ?」


それは私たち二人の夜を・・・。

やはりそういう意味でおっしゃっているのかしら・・・。


「ロアス様・・・」

「ロアスと呼んでくれ・・・。夫婦になったのだから」

「ロ・・・ロアス・・・」

「くっ・・・」

「では私のことも呼び捨てに・・・きゃっ」


突然ロアス様が私をベッドに押し倒した。


「リナ・・・限界だ・・・。今から君を抱いてもいいか?」


トクン・・・


「ロアス様・・・」

「ロアスだろう?」


そう言ってロアス様は私のバスローブに手をかけた。


トクン・・・トクン・・・


「リナ・・・許可してくれ」


切なそうに私を見下ろすロアス様が愛おしくて、私はロアス様の首に腕を回した。


「ふっ・・・リナ・・・愛している」

「私も・・・愛しています」


私たちはその夜強く結ばれたのであった。




FIN





最後までお読み頂きましてありがとうございました☺️

初めてざまぁ要素がある物語を書いてみましたがいかがでしたでしょうか。

もっと華麗に復讐出来ればよかったのですが、ざまぁ初心者ですみません(TへT)

何はともあれリナとロアスが無事に結ばれてほっとしました・・・。


ブックマーク、評価、リアクションをありがとうございました!

次回作も機会がありましたら覗いてみてください。


ぽーりー 



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