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子供の魔人??

(遠いなぁ……もう1ヶ月船の上、計算ではもうすぐで着く予定なんだけど…………)


 アデレイドは船を自動操縦にしながら海を眺める、ただひたすらお兄様の事だけを考えながら。


 すると、サーチに引っかかる飛行物体があった。何かと上を見上げると、人っぽいものと目が合った。


「妾を助けるのじゃ!そこの人間!!」


(何だあれ!!?)


 アデレイドは仕方なくロープでぐるぐる巻きにして引っ張った。そのままふわふわと落ちてくる何か……


 歳は2〜3歳くらいだろうか、髪は漆黒のツヤツヤロングヘアで無頓着なのかその腰まで長い髪の毛を結ばずに無造作ヘアにしている。瞳も真っ黒で大きくまつ毛も長い。そして、真っ白な雪の様な肌の持ち主、そして背中には黒い羽根…………まさかこの女の子は魔人なのか…………


「ねぇ、貴方何者?どこから来たの?なんでこんな所で飛んでいたの?」


 こんな海のど真ん中、しかも、魔国の近くで空を飛んているなんて…………


「妾か?妾は魔王じゃ!恐ろしいじゃろ!!人間早くこの縄を解け!!この光ってる縄は痛いのじゃ!!」


(はっ?ただの魔人じゃやなくて、魔人のトップの魔王?このちんちくりんの子供が??え???というか、そもそも何故こんな海にいるの?)


 しばらくフリーズしてしまう。


「痛いのじゃーーーーうぅ……早く解いてくれなのじゃーーー」


 実はあまり知らされていないが、魔王を含めた魔人達は光の魔法が弱点なのだ。


「貴方が助けろって言ったからロープで助けたのよ?ていうか、貴方魔王ならロープを外した途端に襲いかかってくるかもしれないじゃない!絶対にロープ外しません!!」


 仁王立ちで見下ろしながらアデレイドは言う。そもそも魔王が一番のボスならお兄様が攫われたのはこの魔王のせいとも言える。絶対に許さない!!

 ただ、あまりにも小さい魔王なので虐めてる感が凄い。しかし、魔人達は心の隙間に漬け込んでくると本にも書いてあったし、信用してはいけない。


「うわーーーん、人間はか弱いって聞いてたのに全然違うよぉ、怖いよぉーー、うわーーん」


 女の子が大声で泣き始めた。魔人は憎たらしいが、見た目が子供すぎる魔王に対して罪悪感が生まれる。この時点で心に付け込まれている気がするがアデレイドは子供に甘いのだ……なのでここは譲歩して、アデレイドが知りたい情報を話してもらう代わりにロープを外してあげると言う事にした。


「じゃぁ最初の質問ね、貴方は魔王って言ってたけど、魔人の中で一番偉いで合ってる?名前はなんて言うの?」


「ふふふ、妾の名前はキャメロン・フォード・アッセンブルグじゃ、そして妾が魔王!!魔国で一番偉い存在なのじゃ!!ハーッハッハッハ」


 ふんぞり返って自慢げに言う。


「貴方はなぜ、この海を漂ってたの?仲間がここに迎えにくるとかある?」


「貴方じゃなくて、魔王様と呼ぶがいい!!この海に辿り着いたのは………………………………飛行しながら寝てたらここまで来てしまってたのじゃ、妾は魔力操作まだ苦手でのぉ、海にも落ちたくないし、行きたい方向にも行かなくてのぉ…………困ったもんじゃアハハハハ!!

 因みに迎えは来ないぞ、今魔国から魔人は出たらダメなのじゃ、怖い目にあうからのぉ…………」


 何か怖い事を思い出したかの様にブルブルと震え両手で体をさすっている魔王


「じゃぁ最後に一番大事な質問をするね、私のお兄様、レオナルド・テイラーは今どこに監禁されてるの?」


「レオナルド・テイラー??誰じゃそれ?人間が我が城に来てると言うのか?そんな事あり得ぬ、連れ去ったと言うならその連れ去った魔人のペットにされとるじゃろうなぁアハハハハ!!」


 カチンッ!!光の檻を作り魔王を閉じ込めた。魔王は先程まで高笑いをしていたが、光の檻の中に急に閉じ込められ目を丸くした


「なっ!!なんじゃこれは!!話す代わりに自由にするのではなかったのか!??」


「一番大事な質問と言いましたよね、それなのに貴方はふざけた。人を馬鹿にするのも大概にしてくださいよ。私は真剣なんです。真面目に答えなかったら、貴方を殺してもいいんですからね」


 アデレイドは他にも言いたいことが沢山あったが、グッと堪えた。怒りで我を忘れそうだった。


「妾を殺すじゃと?アハハハ!おいお前、妾の怒りを買わぬほうが良いぞ?妾の方が格上だということを今わからせてもよいのだぞ?」


 怒れる両者から火花が散る。


「殺りましょうか?私だって貴方に負けませんよ?」


 アデレイドが挑発する。すると魔王が魔法を発動した。ピシャーンッ!雷がアデレイドに直撃した。しかしアデレイドはバリアで守られている。いきなりの攻撃にアデレイドは思った、やはり魔人は卑怯者だと


「魔人は姑息で卑怯者ですね」


 そう言うと、アデレイドは檻を狭めて魔王に食い込ませた。肉の焼けるひどい匂いがした。


「うわぁぁぁぁぁぁあーー肌が焼けるのじゃーー痛いぃぃぃいーー助けるのじゃーー辞めるのしゃぁぁぁーー」


 そこから1時間放置した。魔王は懇願し、泣きわめき、罵倒し、怒り狂い、また懇願しを繰り返していた。


「魔王さん、どっちが上か分かりました?貴方の事など殺せるんですよ?私は!!分かったらちゃんと答えてください」


「おぬし、な…何者なのじゃ……ホントに……ニンゲンか?……わらわの魔法を防ぎおって……ぐぅぅ……魔人は……強いものには従う………悔しいが……今のわらわ…では……お前に…叶わぬ………すまなかった……」


 魔王からの謝罪を受け取り、檻を取り払ってあげる。


「魔王さん、貴方お兄様の事知らないっていってましたよね?」


「あぁ、これは嘘ではないぞ!」


「では、貴方が知らないということを信じます。その代わり、私から一つ提案があるんですが、私がお城に潜入してお兄様見つけるのを、手伝ってください」


 魔王は呆気にとられた。まさか敵だらけの城に飛び込んでくる人間が居るとは、しかも兄一人を救うためだけに………到底理解しがたい感情であった。


「まぁ、お前は強かったしのぉ……妾の片腕って事でみんなに紹介しようかのぉ、そうすればそんなに手を出して来る奴らも居ないじゃろぅ」


「ありがとうございます!これでお兄様を救い出すことができそうです嬉しい!」


 お兄様救出への第一歩が踏み出せて大喜びのアデレイド、お疲れムードの魔王と共に魔王城へと向かった。

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