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希望の光3人のおじさん

 ついに港町まで来た。私の予想ではここから船に乗って魔国に行ける。長い道のりだった。ここまで来るのに半年もかかってしまった……お父様との約束の一年が後半分しかない、なんとか早くお兄様を奪還しなければ…………。


 辺りを見渡すと海産物を売っているお土産屋さんや、海の幸が食べられる屋台、レストランなど沢山並んでいた。


 船着場を探して歩いていると、少し歩いたところに船着場の看板をみつけた。魔国行きの船があるかどうか見てみると…………魔国行きは無かった…………ショックでしばらく固まって動けなくなってしまった。

 気を取り直して、チケット売り場の人に尋ねてみる。


「あの!!魔国行きの船って本当に出てないんですか?」


 お姉さんは困った顔をして


「魔国なんて何しに行くの?あそこは野蛮だから船なんて出してる所はどこもないわよ!多分国交を結んでいるところもないわよ?」


「で、でも魔国に行く人はたまにはいるんじゃないですか?本当に行ける手立ては無いんですか?」


「無いわね、諦めなさい」


 ショックだった…………ここまで来て足止めを喰らうなんて、これからどうやって魔国に行ったらいいか分からなくなってしまった。


 落ち込んで船の近くで海を見つめていると、


「嬢ちゃん!どーした景気悪りぃ顔してよぉ!おじさん達に話してみな!吐き出しちまえばスッキリするぞ?」

「そーだそーだ、そんな若ぇーうちから悩んでたって仕方ねぇーぞぉー」

「俺ら百戦錬磨の漁師に相談してみなって」



 船に乗ったおじさん達がニカッっと豪快に笑っている。おじさん達に話してみてどーにかなるかわからなかったが、乗りかかった船だ、と思い相談してみることにした。


「うーーんなるほどなぁ……魔国に行きたいってかぁ…………難しいなぁ…………


 やっぱり難しいんだ、無理なんだ…………


「まぁ、手が無い訳じゃないが…………


 …………えっ!!

「行く手段あるんですか!!??」


 食い気味にアデレイドが尋ねる。その目には焦りと渇望が見えていた。


「お、おぅ!!でも嬢ちゃんみたいな子供だとどうにもならない方法だぞ?」


「それでもいいです教えてください!!」


「じゃぁ、教えるけどよぉ、まず船を買うんだこの時点で高いから買えないと思うけどよ、そんで、その船を自分で運転してくのも難しい」


「後、魔石のエネルギーで動かすから魔石代もかかっちまうしな」


「そんで、1番厄介なのは海に出る魔物だ、これを退治して進まなきゃないけねぇ。そもそも魔物を退治するほどの力がないと海には出れねぇって話だな。どうだい?分かったかい?嬢ちゃんじゃ難しいだろ…………」


 おじさん達が親切丁寧に教えてくれた。うん、なんとかなりそうで安心した!海の魔物は初めて戦うがなんとか頑張ろう!なんとかしないとお兄様の所に行っても魔人をぶっ飛ばせないのだから


「おじさん達ありがとう!!とっても役に立つ情報でした!!私船買って来ます!!」


「あーうん、ってえっ?ふ、船!!?」

「お小遣いじゃ買えねーぞー?」

「俺らですら高くて新しいの買えねぇーんだぞー?」


 ビックリしているおじさん達を横目に私は元気よく走り出した。一度はどん底に落とされたが、今はもうひたすら進む事しか考えられなくなっていた。


 一番小さい船を買い、操縦方法も特に難しい事はなかった。魔石もどれくらいいるか分からなかったので大量に購入した。


「後は、出発して魔物を倒しながら進むだけね、さぁ!かかってきなさい、私が返り討ちにしてやる!!」


 そんな雄叫びをおじさん達が陰から見てたとか、見てなかったとか…………


 出発の前日、食料など沢山買い込み、図書館で海の魔物図鑑を見て対処法を考えたりしながら、はやる心を落ち着かせるようにして過ごした。


「さぁ!出発の時間よ、天気良好!まるで私の出発を祝っているかのようね。おじさんにありがとうをもう一度言いたかったけど、仕方ないわね。さっ、行きましょう」


 出発しようとしたその時、


「「「おおーーーーーい」」」


 あのおじさん達がやってきた。


「嬢ちゃん、海は危険だって言っただろ?でも行くと決めた女の目をしてるから俺ぁもぅ何も言わねぇが、これ持ってけ、人魚の涙だ。これは船乗りに代々伝わるお守りでな、これを身につけとくと魔物に会いにくいらしい」


「嬢ちゃん気をつけてな無理すんなよ?俺からはこの水中で息ができる魔石やるよ、もし魔物に海に引きずられてもこれがあればまだマシだろ?」


「嬢ちゃん何か事情があるっぽいが、身体が大事だからな!!ちゃんと飯食えよ!!俺からは水中で素早く泳げる魔石をやるよ、もし船が沈没したら自力で泳げるようにな!!」


 それぞれにアデレイドを気遣って声を掛けてくれる。おじさん達の優しさに触れて心が暖かくなった。


「最後の最後までありがとうございます!!無事に帰ってこようと思います!!いってきます!!」


「「「おう!!行ってらっしゃい」」」


 こうして、おじさん達に見送られながらアデレイドは魔国へと船を出した。

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