初めての告白
私は王都まで行くのに、ポートという瞬間移動できる機械を使う事にした。
(さすがダマレスカ、こんな便利な機械もあるんだぁ)
ポートで楽々王都に着いてしまった。私は王都で何か役に立ちそうなものは無いか探してみる事にした。
街をぶらぶらしているとフードを目深に被りキョロキョロしている怪しい子供がいた。背丈からして同じ歳年くらいに見える。迷子なのかと思い話しかけてみる。
「ねぇ、あなた大丈夫?迷子?」
怪しい子供は一瞬ビクッとして、私を見た。私が同じ子供だったからか、警戒を解いた様に見える。
「迷子じゃないよ、僕は今悪い人から逃げてたんだ、捕まったら大変な目に遭うからね」
(えっ?全然迷子な子供じゃなかった……こんな小さい子が悪い人から逃げてるなら守ってあげなきゃ!!)
自分も背丈がそんなに変わらないくせに大人な雰囲気をだすアデレイドだった
「私、こう見えて冒険者なんだ!良かったら悪い人達から守ってあげようか?」
任せなさいと胸をドンと叩いて見せる。
「ふふ、ありがとうじゃぁお願いしようかな、僕はお店を見て回りたいんだ。一緒に回ってくれる?」
「うん!いいよ!って、まずは自己紹介からだね、私の名前はアドラ、君の名前は?」
「僕の名前はエドワルドだよ、エドって呼んで」
フードの口元が笑った気がした。
それからエドとは屋台の串焼きやりんご飴などを食べ歩き、魔石で作られた色々な雑貨を見て回った。その中に小さなイヤリングがあった。色が沢山あって可愛いものがあり、買おうかどうしようか悩んで見ていると
「それ気に入った?良ければその中で好きなの選んでくれたら今日のお礼に買うよ」
突然のプレゼント!!ビックリしたがとっても嬉しい。
「エド!!ありがとう、じゃぁ良かったら今日の記念にお揃いで買わない?エドのぶんは私が出すから」
結局イヤリングをお互いに買う事になった。お揃いのものをプレゼントされるのは友達って感じがしてとっても嬉しかった。色はお互い相手にプレゼントしたい色にした。私は瞳の色と同じ白銀に近い色にした。
「わぁーエドありがとう綺麗な赤い色だね!!大切にするね」
「僕もありがとう、こんなに楽しかったの久しぶりなんだ。屋台に行ったり、お店を見て回ったり一人じゃこんなに楽しめなかった。もっと一緒に居たくなっちゃうね」
ふふふ、とお互いに笑う。お互いにイヤリングをつけ、お店を出る。
「もうすっかり日も暮れてきたね、これからエドはどうするの?」
「僕はそろそろ帰らなくちゃいけないかも、その前に一緒に夕陽を見たいな。付き合ってくれる?」
と言うと、手を差し出してくる。わたしはギュッとその手を握り返した。
エドと夕陽の見える丘に行く途中の細い路地を通っていると後ろから誰かにつけられてる気配がした。
「エド!!後ろから気配がするけど、もしかして悪い人達なんじゃぁ…………やっつける?」
「アドラ無理しちゃダメだよ、走ろう!!走れる?」
私達は走った。しかし、細い路地の先にも先回りされていて囲まれてしまった。男達は荒くれ者という雰囲気ではなかった。
「貴方達はなんなんですか!!この子を解放してあげなさい、迷惑です!!」
アデレイドが威嚇しながら叫ぶ。しかし、子供がいくら叫んだとしても全く男達には響かなかった。
「君がどう思ってるか知らないが、私達にも職務と言うものがある。今日一日逃げ回って私達がどれだけ肝を冷やしたか、私達の首が飛ぶかもしれないんですよエドワルド王子殿下」
王子……殿下…………?
「えっ?王子殿下……って、まさかこの人達護衛?もしかして護衛を撒いて今日遊びまわってたって事?だからフード脱がなかったって事?」
すると、エドがフードを脱ぐ。ピンクゴールドの髪に紅玉色の瞳をした顔がでてきた。少し癖っ毛でタレ目なところが幼い顔立ちをより一層可愛くしていた。エドワルドはアデレイドをしっかりと見つめて
「アドラ、今日は楽しかったよ夕陽まで一緒に見たかったけど、今日はもうお別れみたいだ…………とっても残念だ…………」
悲しげに俯くエド、それを見てアデレイドは悪い笑顔を浮かべる。
「そんなのまだ諦めてませんよ、私だって夕陽みたいですもん」
そう言うと、一瞬の隙をついてエドをお姫様抱っこする。そして、前回もらった風の魔石で思いっきり空を飛ぶ。初めて使ったからうまく飛べるか不安だったが、高く舞い上がり飛空できている。
「コラーーー!!王子を攫うなんて重罪だぞ!!」
「降りてこーーーい」
「捕まえたらタダじゃ済まないんだぞーー早く戻ってこい!!」
下で騎士達がワーワー言っている。そんな事お構いなしにアデレイドは王子に
「エド場所教えてください。飛んでいくので!!」
任せてという感じにウィンクをする。王子は何故か顔を赤くして「あっち」と方角を指する。
なんとか夕陽にそまる街を王子と一緒に眺めることができた。
「この街で暮らす人々を、この夕陽にそまった綺麗な景色と一緒に見てると僕も頑張らなきゃいけないって思うんだ」
護衛から逃げ回ったとしても、民の暮らしの事を考えた上での行動なんだなと感じた。アデレイドはそんな民に寄り添って頑張っている王子を見て胸が熱くなった。
「エドはとっても良い王様になるね、人々の暮らしを見て回って、改革をして、こんなに皆んなのこと考えている人この国にいないと思う。絶対皆んなに慕われる王様になるよ」
エドの顔が夕日で赤く染まるよりも更に赤くなっていった。顔が真っ赤なエドは何か考えているようで急に無言になった。暫くしてアデレイドの方を向くと、突然の告白をし始めた。
「アドラ、僕君の事好きになってしまったみたいだ…………君って本当に不思議だよ。王子が平民と同じものを食べたりする事に何も抵抗を感じなかったり、むしろ僕がやりたい事を分かってくれる。そんな人初めてなんだ、これからも僕と一緒に居てほしい、だめ?」
(えっ、、!!ダメ?って聞かれても、前世も含めて初めての告白でどうしたらいいか分かんないよぉぉ!?!というか、喪女の私には告白されるなんてイベント、キャパオーバーかもぉぉぉ)
パニックになり黙っていると
「ダメかな?アドラ、僕じゃ不安?」
どこかの王子と違い色々気遣いができ、気さくで面白く、いい王様になるであろうエドワルドになんて答えたらいいのか悩んだアデレイドは
「私、まだ、やらなきゃいけない事や、やりたい事沢山あって、今は恋愛の事考えられなくて………エドの事は好きだけどまだそう言うのはよく分からなくて、今はまだごめんなさい」
そう言うと、エドがフフッと笑みを浮かべて
「今はまだだね、それなら良かった、また何度でも君にプロポーズするから覚悟しておいて」
今度はアデレイドの顔が夕陽よりも真っ赤に染まった。ちょうどその時、後ろから騎士達が走ってくる足音が聞こえた。
「エドワルド王子殿下!!ゼェハァ今度こそハァハァ帰りますからねハァハァ」
「アドラまた会えるのを楽しみにしてるよ、僕はまた君を見つけるから!!」
手を振ってその場で別れた、アデレイドは終始真っ赤な顔のまま熱が冷めなかった。




