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食いしん坊の集い

 勇者の噂話を聞いてからは焦る様に山を登った。今は山を下っている所だ。そろそろ日も暮れてきたから開けてる場所で野営をする事にした。


 周りに何人か冒険者がいるが、気にせずにバリアを張り、オーク肉を焼く。匂いはしてない筈だが視線が突き刺さってくる。パンと野菜に焼いたオーク肉を挟んで食べようとしたその時、


「おい、お前それ俺らに寄越せ!後輩の物は先輩の物だ、って事は俺らはお前の先輩冒険者なんだから俺らのものって事だよなぁ???」


 絵に描いたようなチンピラ冒険者だった、今までこういうタイプを見た事なかったので呆気に取られてじーっとチンピラを見ながら固まってしまった。


「おいっ!無視してんじゃねー…………


「君たち!!こんな小さい子に何してるんだ?見苦しいぞ!やめたまえ」


 チンピラさん達が話してるのを遮って正義の味方の様な人達が現れた。


「こんな小さい子のご飯を奪うなんて君たちどうかしてるぞ!もし、ここをどかないなら僕たちと決闘してもらおうか!!」


「おう!やってやろうじゃねぇーーか」


(えーーーーーー、たかがご飯で決闘??)


 結果はチンピラ達がボロ負けして終わった。なんだか可哀想なくらい弱かった。


「あ、あの…………」


「やぁ!大丈夫かい?君の名前は?僕はユーレイク」


「私はアドラです……あの…………大丈夫ですか?(こんな事で争って)」


「あぁ、悪は滅びるべきだ!!善は生き残るからね」


 なんだか、チンピラ達よりも関わりたくないかもしれない……しかし、お礼をしないとめんどくさそうだから自分が作ったオーク肉のサンドイッチを分けその場を離れて、ボロボロのチンピラ達の所へ向かう。


「チンピラさん達大丈夫ですか?」


「グッ……くそぉ……ってチンピラじゃねぇ!!っ……イテテ……俺らが負けるなんて…お前俺らを憐れみにきたのか?」


「いえ、そんな事しません、ただ、ご飯をお裾分けしようと思って……」


 そうなのだ、普通にチンピラ達に絡まれた時から別に分けても良かったのだが、邪魔が入っただけだった。


「なっ!!お前俺達が負けたのにあの飯くれんのか?」


「最初から分けようとしてたのに、喧嘩始めちゃったんじゃないですか……」


 ボソッと小声で言う。そして、作ったオーク肉のサンドイッチを渡す。そして最初の場所に戻りやっと遅めの晩御飯を食べて眠りについた。


 翌朝目を覚ますと、チンピラ達と正義の味方達がバリアの外で待っていた。


「やぁ!アドラ、おはよう、君さえ良かったら僕たちのパーティーに入らないかい?君のご飯があるだけでも最高のパーティーになる事間違い無しだ!」


「何言ってんだ!俺達のパーティーに入るよなぁ?あんなうめぇ飯を俺らにも配るくらいの優しさがあるやつなんてそうそういねぇーお前の事は俺らで守るから俺らの所に来い!!」


 困った………何でこうなった、そんなに冒険中の飯とは偉大なのか…………私は迷わずキッパリと断る。


「どちらもパスで…………私一人で大丈夫です」


「そんな事は僕達が許さないよ」

「俺らと一緒に来やがれっていってるだろ?」


 なんだか雲行きが怪しくなってきた……アデレイドは面倒くさいのと、早くご飯を食べて出発したいのでイライラしていた。


「えいっ」


 面倒くさすぎて両パーティーをロープで縛った。隙を突かれたとはいえ、こんな小さい子の魔法にやられたことが恥ずかしくて両パーティー黙ってアデレイドの食事風景を眺める事になった。


 食事が終わり、さぁ出発しようと思ったその時、大した情報は得られないかもしれないが、魔人の事をとりあえず聞いておこうと思い両パーティーの元へ向かう。


「あの、魔人か、魔国について何か知ってる事はありませんか?」


 すると、チンピラが


「魔国って言ったらたしか、飯がめちゃくちゃ不味いらしいって聞いたな……こんな情報役に立つかわかんないけどよ」


「僕も聞いたことがあるぞ、魔人は生肉を食べるらしいと、焼いたりもせず、調味料もなしだとか……」


 この人達……ご飯の話しかしないな…………


 と言うか、お兄様、ちゃんとした食事してないのでは?大丈夫なのかなぁ…………一抹の不安が募る


「分かりましたありがとうございます。では解放するので、大人しくしてくださいね?私は一人で旅をしたいので……」


「ありがとうございます」


 ロープを解いたら両パーティーからお礼を言われた。こうしてやっと変なパーティ達と別れらる事ができた。それからは急いで山を下り、ダマレスカに到着した。


「さぁここがダマレスカ王国か……やっと国を抜けれたね、ここからさらに北に……早くしないとお兄様が………」

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