冒険者アドラ
旅立ちの日、アデレイドは父親や執事、メイド達に見送られ旅立った。馬車で移動すると目立つので、別れの挨拶をした後、瞬間移動でギルドまで来ていた。
まずはジェイクへの手紙を預ける。そして、世界地図をギルドから買い、魔国がどこにあるのか確認する。
思った通り、遥か遠く海の外にある国だった。ここまで行くだけで相当な時間がかかりそうだ……瞬歩で行くのもいいが、目立ってしまったらいけない、ある程度は乗合馬車なども使わないといけないだろう。
とりあえずは、次の街コンスタンへ向かう為に乗合馬車を探す。受付のマリアンヌさんにそれとなく聞いてみる。
「アドラちゃん乗合馬車ならいっその事、護衛を受けて行ったらどうかしら?他のパーティーと合同にではなるけれど」
合同!!心強い、しかも、何か情報も得られるかもしれないしこれは絶対受けるしかない
「マリアンヌさん!他パーティーと護衛します!!よろしくお願いします!!」
「明後日にはコンスタン行きの馬車があるから、明後日に来てくれたら他のパーティーを紹介するわね」
私は出発の時を待ち切れず、狩りと魔法の訓練をしながら時間を潰した。
そして迎えた出発当日、マリアンヌさんから紹介されたのは南十字星のメンバーだった。
「よろしく、小さな冒険者さんCランクと聞いて驚いたよ、私達はBランク冒険者の南十字星のリーダーの、ダグラス・サイラーだ!大剣使いをやっている、よろしくな」
金髪にグリーンの瞳をした三十代くらいのハツラツとした男性だ。
「私はアグネス・グロリッサよ、魔導士をやってるわ、わからない事があったらなんでも聞いてね」
黒髪に濃紺の麗しい瞳を持つとってもセクシーなお姉さんだ。年齢は不詳だ…………
「僕はニック・ドミニガスだよ。基本荷物持ちだけど、戦闘では補助魔法や戦闘補助をやってるんだ、よろしくね」
十代に見える彼は若草色の髪の毛に黄色の瞳で若々しくとっても活発そうだ。
「マルクス・ランペイド…………ガーディアンだ」
無口で少し顔が怖いこの人は三十代くらいに見える。茶髪に漆黒の瞳で、ガーディアンということもあり、かなり体が大きく、顔も相まってちょっと怖い。
「アドラ・ミラーです。魔法を使って戦います。バリアが使えるので頼ってください。よろしくお願いします」
全員の自己紹介が終わり、今回の護衛対象の元へ挨拶に行く。今回の護衛は小さな商会の護衛で、コンスタンまで二日かけて行く。
道中現れる山賊や魔物から守る契約だ。気を引き締めなければ
「アドラちゃんは護衛初めてかしら?」
アグネスさんから声をかけられる。正直に初めてだと答える。
「なら、魔法使いなら分かると思うけど、できたらでいいから索敵をして欲しいの、私とかわりばんこでね、アドラちゃんは索敵できるかしら?」
「索敵できます!!がんばります!!」
いつものサーチが役に立つ時がきた、初めての護衛だからいつもより気を張ってサーチを試みる。
しばらく何もないまま街道を進んでいく。すると、十キロ先に沢山の人影が見えた。そのまま伝えると
「最近現れたという盗賊かもしれないな……よし、このまま進みながら作成会議だ」
作成はこうだった、アドラが馬車と護衛対象をバリアで守り、南十字星のメンバーが山賊を一掃する。
何故この作戦になったかと言うと、護衛が初めてと言っていたアデレイドに、南十字星のメンバーは人を殺めた事が無いと察して、敢えて守りだけに徹してもらう事にしたのだった。
アデレイドは山賊を初めて見た。躊躇なく殺しにくる姿を見て、同じ人同士だとは思えなかった。自分だったら躊躇ってしまって怪我か、最悪、仲間に迷惑をかけていたかもしれないと思った。
自分が守り役で今回は良かったと改めて思った。
「南十字星のみなさん、ありがとうございます。私、次は盗賊が現れても大丈夫ですので、改めてよろしくお願いします」
「あんまり気を負わなくて良いからね、無理せずやっていこう」
ダグラスさんに頭をポンポンされる。大人扱いして欲しいわけでも無いが、やっぱり子供扱いは少し恥ずかしい…………皆んなの温かい視線もそれを助長させる。
その後順調に護衛は進み、今日の野営ポイントまで辿り着いた。野営は先生と何度かした事があったので楽しみでワクワクしていると、私が知っている野営とは随分違った。
先生ーーなんでちゃんとした野営を教えてくれなかったんですかぁーーーー!!!
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