入学初日
いよいよ今日が入学初日。お兄様と同じ馬車に乗る。
「お兄様!私の制服姿変じゃありませんか?大丈夫ですか?」
「アデルに似合わない服なんてないよ?制服姿とっても似合ってて可愛いよ」
いつもの優しい笑顔で答えてくれる。
(お兄様の笑顔今日も尊いありがとうございます)
「ありがとうございます。今日、お兄様と一緒に登校できて嬉しいです!ずっとこの日を待ち侘びてました!!」
「そうだね、僕もアデルと一緒の登校楽しみにしてたんだ。馬車の中ではアデルを独り占めできるからね」
「子供の時を思い出しますね、お兄様がよく膝の上で絵本を読み聞かせてくれて、私あの時間が一番好きでした」
「今も膝の上にのっても良いんだよ?アデルは羽のように軽いからね」
お兄様が膝の上をポンポンと叩いて見せる。私は誘惑に負けそうになる。お兄様の膝の上、とっても魅力的である。だが流石に私も、もう6歳だ、流石に膝の上に乗るのは少し恥ずかしい年頃なのである。
「お兄様!私はそんなに子供じゃありません!一人で座れます!!」
少し拗ねたフリをしてお兄様と笑い合った。
楽しい馬車の時間はあっという間で、すぐに学園に着いてしまった。
「さっ、アデル行こうか」
お兄様が先に降りて私をエスコートしてくれる。お兄様の手を取り馬車から降りる。すると、
「わぁ……テイラー兄妹美しすぎる……まるで絵画のようだ……」
「天使が二人も舞い降りてきた。ここは天国か!!」
「目が目がぁぁぁぁぁあ…………」
「あれがレオナルド様の妹なのねとっても美人ね……きっと能力も凄いんでしょう」
(なんだか周りがザワザワしてる気がするけど、お兄様の魅力にやられちゃってるのかもね、しかたないなぁ……ニヤニヤ)
「アデルあんまりニコニコしない方がいいよ?勘違いする奴が出てくるかもしれないからね」
表情筋を引き締めてニヤニヤしていたので、表での顔はニコニコに変換されていたらしい。
「勘違いする人は居ないと思うので大丈夫ですよ!!今お兄様の事を考えて笑顔になってしまっただけなんですから」
お兄様は頭を撫でながら
「アデルは可愛いね、ありがとう大好きだよ。でも、気をつけてね」
「私もお兄様大好きです!!気をつけます!!」
この時のこの光景を見ていた人達は、あまりの眩しさに倒れる者が続出した。
「さて、僕は生徒会の準備があるからここまでだけど、もし不安だったら生徒会はキャンセルするよ?どーする?アデル、不安だったりしない?大丈夫?」
不安だけど、私の我儘でお兄様の手を煩わせるわけにはいかない……アデレイドは笑顔で
「お兄様、私は大丈夫ですよ!何があっても一人でなんとかして見せます!!だから生徒会のお仕事頑張ってください」
お兄様を送り出した。お兄様は名残惜しそうに生徒会の準備へと向かっていった。
私はクラスがどこなのか気になり、クラス表が張り出されている掲示板にきていた。私はAクラスだった。
(光属性だけなのにAクラスで良いのかなぁ?確か、成績順にA、B、Cクラスに分けられていて、Cクラスが平民の特別クラスというクラス分けだったはずだけど、、勉強だけで見たら多分Aクラスだけど、私魔法全く使えない予定だからCクラスだと思ってたのに、どう言う事だろう?)
不思議だったが、掲示板に書いてあるのだからしょうがない、Aクラスなんだろうと納得する。
「さてと、まずはホールで新入生の挨拶と先生の話を聞かないといけないのよね……眠くなりそう……」
気を重くして、ホールへ向かうと、知り合いの顔があった。
「ジェイク!!久しぶり入学おめでとう!クラスは違うけど遊ぼうね」
「ちょっ!おまっ……やめろ目立つぞ!もちょっと自覚もてよ!」
ジェイクが肩を寄せてコソコソ私に話しかける。周りが余計にざわつきだした。
「そこの貴方、何をしているの?アデル!早く私の隣に座りなさい」
ローズが顔を真っ赤にして私を呼んでいる。淑女として大声を出すのは恥ずかしいが、私が絡まれてると思い助けてくれたのだろう。
「ごめんねジェイクあの子友達なんだ、また後でね?」
お兄様の真似をしてウィンクをして立ち去る。後ろの方でざわめきが大きくなった気がしたが、気のせいだろう。
「アデル!大丈夫でしたの?平民は危ないってお父様から聞いてますわ、何かされなかったの?大丈夫なの?」
若干震えながら問いかけてくる。怖かったのに勇気を出して私を助けてくれたんだろう、しかし、ジェイクは友達なのだ……誤解させたままじゃダメだと思い。ローズの耳元で
「実は、あの子私の友達なの、ジェイクって言ってとっても良い子だよ!心配させてごめんね?」
「えっ?でもあの子平民で、、、えっ、どーやってお友達に?脅されてる?」
理解が追いつかないみたいで、ローズが壊れた。それほど平民と貴族は馴れ合わないらしい、同じ人間なのに……。
「ある事で仲良くなったんだ、だから良かったらローズもジェイクと仲良くしてくれると私嬉しい。お願いローズすぐには無理でもお願い」
「あっ、貴方のお願いは狡いですわ!!もぅ……わかりましたわ、分かったからそんな目で見つめないでくださる!?」
真っ赤な顔でやめてと言うローズ。とっても可愛い!!アデレイドはニマニマするのをグッと堪えた。
「それより、今日の新入生代表のスピーチはアレクシス王子よ!楽しみだわ」
(ゲーー、そんな予感はしていたが、本当に第一王子がスピーチするんだね、どーでも良いな、寝てようかな……)
不敬な事を考えていたからバチが当たったのか
「テイラー嬢、ライト嬢、久しぶりですね、今日は僕がスピーチをするので聞いててくれると嬉しいな、実は緊張していて、テイラー嬢、何か言葉をくれないかな?君から何か言葉をもらったら緊張しない気がするんだ」
キラキラの笑顔でアデレイドからの言葉を待つ王子、アデレイドは心底嫌な気持ちだったが、王子だと言い聞かせて顔に出さない様になんとか踏ん張った。
「頑張ってください、応援してます」
なんとも取ってつけたような適当な言葉を、カタコトな言葉と、作り笑顔、ガッツポーズをして王子に投げかける。
王子はと言うと、顔は涼しい顔をしていたが、耳を真っ赤にさせていた。
「ありがとうテイラー嬢、元気が出たよじゃぁまた教室でね」
それをローズが寂しそうに見ていたことにアデレイドは気づかなかったのである。
スピーチや、挨拶が終わり、クラスごとに教室へ移動していく。その時ディランとマークとも合流した。
「アデルも、ローズも、制服にあってるね」
「ありがとうディラン!ディランもとっても似合ってるよ!」
たわいもない会話をしながら教室へ辿り着くと、席は名前順で決められていた。
(うわぁ、私と王子って隣同士なんじゃ……)
思った通り、アデレイドの隣はアレクシス王子だった。すると隣の王子から
「隣同士なんて、何かの縁があるのかもね?これからはテイラー嬢ともっと仲良くなりたいから、アデレイドと名前で呼んでも良いかな?」
(呼んで良いかな?って命令に近いんじゃないの?これ)
「好きに呼んで良いですよ、アレクシス王子殿下」
すると、拗ねたように
「僕の事も友達だと思って呼び捨てにしてくれて良いのに、一度呼び捨てで呼んでみてくれないか?」
ぞわぞわぞわ……アデレイドは会った時から何故か王子が受け付けられなかった。
(これ、なんて言ったらいいの?呼び捨てで不敬罪とか言われたらまぢ許さないけど……)
「アレクシス様…………これで良いですか?」
これで良いのか分からずつい、コテンッと顔を傾けてしまう。自分が可愛い事を分かってないので破壊力が抜群であった。
「ぅっ……ありがとうアデレイド……君は…………いや、やっぱりなんでもない……忘れてくれ……」
(変なの……やっぱりこの人苦手だ…………)
ガラガラガラッ教室の扉が開いて、先生が入ってきた。髪の毛と瞳の色が濃い茶色で体育会系の雰囲気を醸し出している。着ているものもTシャツにズボンと、ラフな格好である。
「おはよう諸君!僕はこのクラスの担任のオリヴァー・トーマス。扱える魔法は光と、水と、火だよ、魔法を主に教えるからよろしくね。では、一番前の席から挨拶してもらっても良いかな?」
一番前はアデレイドだった。
(私、何も考えてなかったけど、これって魔法の属性も言わなきゃいけない感じ?どーしよう……)
「は、初めまして、アデレイド・テイラーです。魔法は全然ダメなんですが、勉強なら誰にも負けない自信があります。仲良くしてくれると嬉しいです。よろしくお願いします」
クラス中からほぅというため息が漏れた。何人かはアデレイドの可愛さに倒れそうになっている。
「アデレイド嬢、魔法がダメと言っていたけれど、君の属性も是非みんなに教えて欲しいんだが言えるかな?」
(キターーーー……濁したけどやっぱりコレは言わなきゃいけないやつなのね……しょうがないなんとでもなれ!!)
「私の属性は光属性です」
………………………………
教室中が静まり返った。ディラン、マーク、ローズもポカンとしている。もちろん隣のアレクシスもである。
「アデレイド嬢、光属性なのはみんなわかっている事だよ?他の属性は何かなって話だよ?」
何を言ってるんだとばかりにオリヴァー先生が尋ねる。
「言い方をかえますね、光属性のみです」
………………………………ざわざわ
こうしてアデレイドが光属性のみである事が学校中に広まったのであった。
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