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お兄様へのプレゼント

 お兄様の誕生日がもうすぐやってくる。私は、プレゼントに悩んでいた。


(去年は似顔絵、その前は歌、今年はなににしよぉぉぉ……手作りお菓子をプレゼントしたくても、あの時のお兄様の様子はちょっと普通には見えなかったし、どーしよぉぉぉ………)


 めちゃくちゃ悩んだ末に、ジェイクと同じように魔石を加工して何か装飾品を作ろうと決めた。


 とりあえずGランクで安全に魔石を集めようと思う。が、先生が狩りを許してくれるか………先生に連絡石で確認を取る。


「アデレイド嬢なにかなぁ?ピンチ?」


「実は、お兄様の誕生日プレゼントで手作りの魔石の指輪を作ろうと思ってるんですけど……


「ダメだよ」


「まだ途中までしか言ってないじゃないですか……魔石を取りに行きたいなんてまだ言ってないじゃないですかぁ!!」


「だと思ったよ…………因みにランクは?」


「Gランクのナイトモグラです……」


「…………………………………………」


 長い沈黙の後、


「僕しばらく遠征で君の所に行けないって話してたよね…………レオナルド君の誕生日はいつなの?」


「一週間後です……」


「………………ナイトモグラね…………絶対に討伐は手を抜かない、他の魔物と遭遇したら逃げる、死にそうになったら死ぬ前に僕に絶対に連絡する……魔石を取り終わったら連絡をする、これ守れる?」


「絶対に守ります!!危険なことしません!!」


「はぁ……ならしょうがない……良いよ、君ならDランク以上でも本当は倒せるはずだからね、ただ経験が浅いのが心配なんだよ僕は…………一人で狩りは今回限りだからね?絶対に無理しないでよ?」


「はい!!先生ありがとうございます!」


 先生から一人での魔物討伐の許可が出た。心配はさせてしまうけれども正直言ってドキドキのほうがでかい。

 善は急げで、決まってからすぐ瞬間移動でギルドの裏に来ていた。そして、狙っていたナイトモグラの依頼票を持ってカウンターへ、、


「あら?今日は一人で魔物退治?大丈夫?気をつけていってきてね?」


 マリアンヌさんは今日も優しい。とっても癒やされた。行ってきます!!


「ナイトモグラは前回やっつけたもんね!!」


 この前と同じように光のロープと剣で倒していく。するとサーチにでかい魔物が引っかかった。おっきいってことは、魔石もでかいよね?きっとナイトモグラの大っきい個体だろうと思い近づいて行った。


「えっ……なにあれ………」


 魔物図鑑では見たことある魔物がナイトモグラを食べていた。その名も『一角狼』である。ナイトモグラは私と同じくらいの大きさだが、一角狼はその倍の大きさである。ランクはC、どおりでサーチの影がデカかったはずだ………


(うわぁぁ、めっちゃデカいこのまま逃げたほうが良いやつだ!!先生に怒られるから早く帰ろう!!)


 引き返そうと決めたその時、『ガラガラガラッ…』足を滑らせて盛大に音を立ててしまった。


『グルルルルルルッ』


 こっちに気づいた一角狼が近づいてくる。


(ひゃーーどーしよぉぉぉ!!に、に、逃げれる??これ…………こ、こんな時こそ冷静にだよね……ヒッヒッフー・ヒッヒッフー・・)


 何故かラマーズ法で冷静になろうとするアデレイド、ただ、冷静に戦おうにも、自分の倍はある狼に向き合うのはとっても怖かった。怖かったが、なんとか無理矢理自分を落ち着かせる。


(これはもう逃げるのは無理だ………何とか頑張って倒そう!ダメなら先生に連絡しよう)


 まずは、冷静に閃光を狼に浴びせかける。その一瞬をついて光の剣で首を切り落とす。怖いので胴体も光のロープで縛り上げておく。


(やったか?)


 と、思った瞬間、首だけの頭が牙をむき出しにして、こっちにかぶりついてきた「ぎゃゃゃやーー」オートバリアに包まれていたので無事だった。狼は最期の一撃で力尽き死んでいった。


「はぁはぁ……最期の最期で襲ってくる魔物も居るんだね、今度からもっと気をつけよう……

 あーーーこわかったぁ……今日はもう狩りは終わりだね………」


 ギルドに討伐完了を伝え換金し、先生への連絡もすませた。先生にはめちゃくちゃ怒られた。ただ、冷静な判断は褒めてくれた。しかし、瞬間移動で逃げたらよかったことも指摘された。確かに瞬間移動できるのを忘れていた。反省だ…………


 次に向かうのは宝石店だ。変身の指輪で服を可愛くしてから向かう。冒険者の服のままだと目立つからね


「この魔石を指輪にしたいんですが、どんなデザインがありますか?」


「これはこれは、アデレイド様この魔石を指輪になさるのですね?デザインはこちらのデザイン帳にありますので奥のお部屋でお選びください」


 紅茶とお菓子が準備してある個室に通される。

 本当は手作りが良かったが、流石に金属を加工する技術がない、ここだけはお店を頼るしかない。


(お兄様に似合うデザインあるといいなぁ……どれどれ………)


 カッコイイものから可愛いものまで沢山あるデザインの中からカッコイイデザインのものを選んだ。指の周りを囲む部分が、王冠のようなデザインである。王者の風格があるかっこかわいいお兄様にはピッタリの指輪だと思う。今日中に仕上がるそうなのでこのまま仕上がりを待った。


 仕上がった指輪を持って自宅に瞬間移動で帰る。後はどんな魔法を付与するかなんだけど……


(うーーん、やっぱり驚いてくれる魔法を付与したいよね……光魔法で何かできないかなぁ………)


 ずっと頭を悩ませて考えていると、ふと、写真を残したいと自分が常々かんがえていた事を思い出す。


(写真とか映像って、光の三原色とか言うのがあったよね、私の魔法でなんとかなりそうじゃない?)


 そう思い、色付きの光を思い浮かべて、そして風景を紙に転写してみる…………………


「やったぁぁーーー!!成功したぁ!!これで念願の写真もどきができるじゃん!!お兄様もきっとびっくりするよね?」


 早速、自分の魔法を魔石に付与していく。


(初めて自分の魔法を直接付与するのがお兄様のプレゼントだなんて、何だか嬉しいなぁ、お兄様喜んでくれるかなぁ)


 こうして、お兄様へのプレゼントが完成した。

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