家族へお返しをしよう
まずは家族全員にクッキーを配ろう!!最初はお父様から!
書斎の前の扉をノックする、「どうぞ」の声とともに入っていく。
「アデルじゃないか?どーしたんだい?お父様に会いたくなっちゃったのかな?」
いつも通り甘々なお父様。
「お父様、いつもお仕事お疲れ様です。そして、いつも家族全員の事を考えていてくれて、愛してくれてありがとう」
とびきりのスマイルと手をエイッと前に出しラッピングされたクッキーを出す。
「アデルっっっ!!これは?もしかして手作りかい?父様の為に?嬉しいよアデルーーー!!」
泣きながらお父様はギュッと抱っこしてくれる。皆んなに作ったと言いづらいが、こんなに喜んでくれるならまた作ろうかなと思ってしまう。
「お父様、また作ったら1番にお父様に持ってくるね」
「アデルーーーーーーーーーーー!!!」
「お父様一枚食べてみてください」
サクサクと良い音がしている。お父様が食べたクッキーのデコレーションは[お父様大好き]と書いたクッキーだった。
「今まで食べたクッキーの中で一番美味しいよ!残りのクッキーはもっとゆっくり味わって食べるからね!アデルもう一度ハグさせておくれ」
お父様は相当嬉しかったのか、しばらくアデルを離してくれなかった。
次はお母様だ、お母様の部屋の前でノックする。
「どうぞ」と言われて部屋の中に入っていく。
「お母様、日頃の感謝を込めてクッキーを焼いたので食べてもらえますか?」
目をキラキラさせてまたもや、エイッとラッピングされたクッキーをお母様の目の前に出してみせた。
「まぁまぁまぁ!アデルが初めて作ったのね?嬉しいわ一つ食べても良いかしら?この猫ちゃんが書いてあるのにしようかしら?」
サクサクッ少しづつお母様が食べていく。
「どうですか?」
お父様は大丈夫だったけど、お母様はどうかな?と恐る恐る聞いてみる。
「とっっっっても美味しいわ!ほっぺが落ちちゃう程美味しかったわ。作るのはとっても大変だったでしょ?お母様でさえ作った事ないのよ?アデルは天才ね凄いわ」
ニッコリと淑女の笑みを浮かべて褒めてくれる。とっても嬉しい。
「ありがとうございます。また作ってお母様に持ってきますね」
「楽しみに待ってるわ。ありがとう」
最後はハグして、おでこにチュッとしてくれた。
最後はお兄様だ、お兄様は今日はまだ帰ってきていないので待っていると、扉がノックされる。
入ってきたのはお兄様だった。
「アデル、お菓子はちゃんと作れたかい?」
お兄様には今日作る事バレバレだったみたいだ。
「はい!美味く作れたと思います。
お兄様、私の作ったクッキー食べてくれますか?」
またもや、エイッとラッピングをしたクッキーを目の前にだす。
「ありがとう。今ここでアデルが作ったクッキー食べても良いのかな?」
優しい笑顔で聞かれる。
「はい!是非食べてください」
(お兄様の笑顔尊い〜最高ぉぉ)
すると、一口食べたお兄様が固まった。
顔が一瞬で青白くなり、目がどことなく充血してる気がする。
「アデル、お兄様は用事が出来ちゃった…………クッキーまた後で食べるから、貰っていくね、、」
最後まで笑顔を絶やさずにお兄様は部屋から出て行った……。
(絶対に何かあった……でも、お父様と、お母様は美味しいと言ってくれていた……なにが原因なの?)
(これは……ダメだ…………)
さっきもらったクッキーを部屋に入ってすぐに吐き出した。
僕はアデルのお願いはなんでも聞いてあげたい、だけどこのクッキーを食べる事は僕には絶対に出来ない。
(僕が……う………わ…だから………)




