先生へお返しをしよう
文章が短めです。
まずはラッピングを買いに行かないと。お母様にラッピングを買いに行きたいことを伝える。
「ラッピングのお店ねぇ、、確か西通り沿いにあった気がするわ、今回は安全な場所だから一緒にお買い物行きましょう」
「はい!お母様」
ワクワクしながらお店に向かう。すると、お母様が突然涙目で手を握ってきた。
「前はアデルを怖い目に遭わせてしまってごめんなさいね、今回は護衛も増やしたし、貴族しか立ち寄らない店だから安全よ、とても混み合っているわけでもないから安心してね」
お母様はあの日のことをとても後悔していた。こういうやり取りを家でも何回もしている。
「お母様、私はもう気にしてないです。お母様が悪いわけでもないですし、悪いのは犯人達なんですから!!」
鼻息荒くフンスっと私は言う。
「それに、今日みたいにお母様とまたお出かけできて本当に嬉しいです。」
「アデル、、、なんて良い子なの、大好きよアデル」
お母様が涙目になりながらギュッと私を抱きしめた。私もギュッと抱きしめ返した。
可愛らしいピンクと水色の建物の前で馬車が止まる。ここがラッピングなどを売っている雑貨屋さんのようだ、私は先生にもお返しをあげるつもりだが、家族全員にもあげようと考えていた。全員の色に合うラッピングを選んでいく。
先生はどー見てもピンクなので、ピンク色で薄く、半透明の入れ物と、濃いピンクのリボンを先生には選んだ。
他にも、キラキラした小物や、勉強で使えそうな文房具など可愛いものが多く、見ていたら時間が大分たっていた。その日はラッピングや小物の買い物でおわったのである。
次の日、お菓子を作る為に厨房に来ていた。この世界では令嬢が厨房に入るのは余りないらしい。厨房の入り口からじーっと料理長を見つめる。とっても忙しそうで声がかけられない。
「おぃっ!さっきから天使のお嬢様は何をしてるんだ?」
「しっしっしらねぇよ!俺なんて可愛すぎて目を合わせらんねぇんだからよぉ!」
「料理長、絶対に料理長のこと見てると思いますぜ?」
「そっそんな事言うな!そー思ってるからさっきからそっちを向けねぇーんだよ、くそっ!」
料理人達をソワソワさせているとは知らずに忙しそうだなぁと思って遠慮しているアデレイド、お互いがソワソワしてる訳にもいかず、先に折れたのは料理長の方だった。
「アデレイド様何かご用がありましたか?」
「料理長!私お菓子を作りしたくてきました(満面の笑み)」
「グハッ、、あ、アデレイド様がお菓子作りですか?難しいですよ?」
「難しくてもいいの!頑張ってみたいの、手伝ってくれる?」
しゅんと子猫のような可愛さで問いかける。料理長がそれに抗えるわけがなかった、、、
「わかりました。何を作りますか?比較的簡単なのはクッキーとかですかね?デコレーションしてもかわいいでしょうし」
デコレーションの事まで考えてくれる優しい料理長である。
「デコレーションしてみたいです!!クッキーにしますありがとう料理長!!大好き!!」
(大好き、大好き、大好き、大好き、、、)
料理長の頭の中を大好きが駆け巡った瞬間である。
そこからは厨房全体でアデレイドをサポートしながらのクッキー作りがスタートした。粉はもう測り終えてある。砂糖もバターも卵も全部準備してある。子供の手で卵と砂糖を混ぜるのも、粉を入れてまとめるのも、綿棒で生地を伸ばすのも、すごく大変だった。ただ、型抜きはとっても楽しかった。猫だったり、ハートだったり、可愛くなぁれ、美味しくなぁれと願いを込めて作った。この時アデレイドの周りにはキラキラと光が舞っていた。
(美味しくできたかなぁ〜楽しみだなぁ〜)
上機嫌でオーブンを見つめるアデレイド
(なんて可愛いんだ……ずっと見てられる)
(て、てて天使だ…………)
(きっとグレアム様達に焼いてるんだろうな本当に良い子だなぁ)
(大好き、、大好き、、大好き、、)
1人だけまだ大好きの余韻から抜け出せていないようだった。
クッキーが焼き上がりデコレーションを済ませたアデレイドは買ってきたラッピングにクッキーを包んで準備を整えた。




