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お茶会がありまして(中編)

 馬車に揺られて王城の前に到着する。王城の大きな庭の一部で今日はお茶会が開かれる。


「テイラー侯爵家のアデレイド・テイラー嬢がお越しです」


 紹介の挨拶と共に入り口から入ると、そこに居た全員がこちらを向く。口々にコソコソ何か話している、


(えーー、悪口って事はないと思うけど、気分は良くないよ……友達作るの無理かもしれない……)


 来て早々、帰りたくなってくる。


(あれが妖精姫……)

(誰かあの白銀の天使に話しかけられる勇気がある人は居ないの?)

(可愛い、、、お付き合いしたい、、)

(お友達なんて恐れ多いわ)

(この世のものなのか!?あの可愛さ)

(あれが、テイラー家の隠し財産……)

(やはり病弱そうね、、)


 アデレイドは社交をしてなかったので噂が噂を呼び、妖精姫だの、隠し財産、病弱など、色々言われていた。

 そのどよめきの中、一人の男の子がアデレイドに近づいてくる。


「僕はディラン・キャンベルと申します。天使様?覚えていますか??」


 あの時と同じキラキラした蒼黒の瞳でこちらを見つめてくる。非常にヤバイ……疑っている様にも見えるし、尊敬の眼差しの様にも見える、、冷や汗が出てくる。


「キャンベル様、あちらでお話ししませんか?」


 天使(自称)スマイルを浮かべ、ディランを誘う。人目を避けて奥の方にあるガゼボへと歩いていく。


「キャンベル様、お久しぶりです。私はアデレイド・テイラーと申します。実は私の中には天使様が宿っているのです。時々身体を天使様にお貸ししているのです。なので、あの時出会ったのは私でもあり、天使様でもあるのです。これは、私しか知らない秘密なので絶っっっっっ対に!誰にも言ってはダメですよ!!私は決して怪しい者でも、不法侵入者とかでもないのです!!お分かりいただけましたか?」


 余りにも焦っていたので早口で捲し立てた。

 すると、目をキラキラさせて


「天使様が宿っているのですね?素敵ですテイラー嬢!!僕は黙っておきます!口は堅い方です心配しないでください!あと、僕のことはディランと呼んでください!同じ侯爵家ですし、天使様には名前で呼ばれたいです!!」


(ぎゃーーこんな可愛い男の子から純粋な目で見られると良心が痛む、、でも騙されてくれてありがとう)


 純粋VSぺ天使の勝負は、ぺ天使の勝利であった。


「ディラン様、私の事もアデレイド、もしくは仲の良い人達は(家族のみ)アデルと呼んでいるので良ければアデルと呼んでください(お友達第一号ここで作りたい!!お願い!!)」


 友達欲しさに仲良ければあだ名でしょと考えた私はディランにあだ名で呼んでほしいと言ってみる。


「アデレイド嬢が良いのであればアデルと呼びましょう!僕のことも様は要らないですよ、ディランと呼んでください!!(天使スマイル)」


(ぎゃーーーー(2回目)目が目がぁぁぁキラキラしててほっぺまた真っ赤にしてそんな、そんな、かわいいいいーーー!!鼻血出るーーー!!)


 私の邪な気持ちが表に出ない様表情筋を笑顔で固定し、堪える……


「では、私もディランと呼びますね。私達これからはお友達ですね(念押し)」


「はい!お友達です!!」


 二人でガゼボで盛り上がっている一方、メインの庭園には人だかりができていた。


「アレクシス王子殿下、お好きなタイプはどんな子ですの?」

「アレクシス王子殿下、私は剣が得意です!お側に置いておくと重宝します!」

「アレクシス王子殿下、我が家からのほんの気持ちです。これを受け取ってくれませんか?」


(ウンザリするな、、こんな馬鹿みたいな連中の相手をしなければならないなんて、この中から結婚相手を探せ?嘘だろ?無理に決まってるだろ、、)


「好きなタイプは特にないかな?」

「剣の稽古頑張ってるんだね、これからも頑張ってね」

「ごめんね、直接には物を受け取れないんだ」


 順番に答えていく、すると、遠くの方から歩いてくる男女二人が見える。

 一人は天使の様な白い肌で、白銀の髪と瞳、神々しい光まで纏って見える女の子、もう一人はサラサラとした紺碧の髪に、濡れた様な蒼黒の瞳を宿し、少し興奮しているのか、頬っぺたが少し赤い男の子、そこだけ異次元の煌びやかさが漂っていた。

 吸い寄せられる様に王子はふらふらと二人の元へ向かった。


「やぁ!僕はアレクシス・クリストファー・マルティネス、この国の第一王子だよ、君たちの名前教えてくれるかな?」


 シャンパンゴールドに近い髪の毛に、スカイブルーの瞳。爽やかでキラキラなオーラを放ちながら挨拶をしてくる。


(げっ!!第一王子??1番関わりたくないんですけど!!逃げ場がない、どーしよぉ……)


 「初めまして、ご挨拶が遅れました。私はキャンベル家次男の、ディラン・キャンベルと申します。以後お見知り置きを、、」


(えっ!?ちゃんとした挨拶の時は私って言えるの?いつものぼく呼びも可愛いけど私呼びめっちゃ萌えるんですけどぉぉ、ぐふふっ)


 そんな邪な考えを隣でしていると、ディランは綺麗な礼をして挨拶を終える。私も仕方なく挨拶をする。


「初めまして、ご挨拶が遅れました。私はテイラー家長女の、アデレイド・テイラーと申します。以後お見知り置きを、、」


 アデレイドも綺麗な礼をして、挨拶を終える。すると、とんでもない言葉をかけられる。


「君たち、僕の友達にならないかい?」


(うわぁぁぁー勘弁してよ!お友達は欲しいけど王子様の友達なんて妬み嫉みの宝庫じゃないの!?しかもこれ断れないやつでは??)


 ディランも突然の王子からの提案にビックリして言葉を失っていた。


 その時、脇から気の強そうな真っ赤な髪のご令嬢が出てきた。


「私もアレクシス王子殿下とお友達になりたいですわ。私はローズ・ライトと申します。どうぞローズと呼んでくださいませ」


 それを見た他の貴族達も、自分達も続けとばかりに挨拶し出す。


 王子が人の波に紛れてアデレイド達から離れていく。

 王子様もなんだかんだ大変なんだな、、と軽く同情する。

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