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草庵寺の女性

博和と亜見は政務報告会終了後、草庵寺に向かっていた。

なぜが、今日は博和が積極的であった。

亜見は疑問であった。しかし外に行こうとしている博和は珍しいため、このまま草庵寺に

行くことにした。

博和は市中にあると露店の団子屋に寄り団子をあるだけ買った。

そんなに食べるのか?という顔をされたが、草庵寺に持っていくために買ったのである。

草庵寺に着いた。道中、博和はまだ着かないのかとは言わなくなった。

そんなことよりも、博和は鼻歌を唄いながら歩いていた。よほど気分がいいようだ。

亜見は安心していいのかわからなかった。

なぜ博和が草庵寺に行きたいのかわからなかったのである。


草庵寺に到着した博和と亜見は辺りを見回していた。

亜見「すみません。どなたかいらっしゃいますか?」

女性「はーい。あっ!昨日の!」

亜見「はい。昨日に続いてまた視察に」

女性「いえいえい。ご自由にご覧ください。何かあればお声かけを」

亜見「はい。あの。お時間があるようでした、案内いただけますでしょうか。あっ!後、こちらみんなで召し上がってください。」

女性「え!あっ。お団子!ありがとうございます。はい。ご案内致します。申し訳ございませんが、少々お待ちください。」

といい、境内の中に戻って行った。

その間博和はずっと女性を目で追っていた。

女性「お待たせいたしました。」

亜見「あっ!そうだ。何とお呼びしたら、よろしいでしょうか?」

沙希「大変申し訳ございませんした。沙希と申します。沙希とお呼びください。」

亜見「沙希様ですね。改めまして、私は亜見と申します。こちらは上司の夏富と申します。あの、苗字はなんと?」

沙希「苗字は…お伝えするにあたりません。沙希だけで結構です。」

亜見「そうですか…よろしくお願いします。」

博和も亜見もなぜ苗字を教えてくれないのか?と疑問であった。

沙希「では、ご案内します。」と、博和と亜見を案内を始めた。


境内の中には二十人ほどの子供を五人の大人がいた。

亜見の話だと親を亡くした子供がほとんどで、浮浪児であった。浮浪児を草庵が寺で保護し

育てている。沙希は母のりつと共に面倒見ていると。話してくれた。

子供たちには、読み書き算盤 女の子には料理や裁縫を教え、男の子には畑仕事と武術を教えている。なお、沙希の兄が時間がある時に武術を教えている。

亜見「食べ物などや書物などはどうしているのだ?」

沙希「お野菜などは周りの方が支援くださいますが、毎日助けていただけるわけでないので、私が働いて買っております。書物も古本屋でぼろぼろになったもので格安で譲っていただいております。衣も同様です。」

亜見「沙希殿が働いていると…」

沙希「はい。旅籠で女中として働かせていただいております。」

亜見「そうなのですか…」

沙希「あの。夏富様と亜見様はお城で何をなさっていらっしゃるのですか?」

亜見「町の状況を見てくるようにと殿より命を受けてきたのです。」

沙希「そうなのですね…あの。夏富様と亜見様にお願いがあるのですが…よろしいでしょうか?」

亜見「はい。なんでしょうか?」

沙希「子供たちに剣術を教えていただけませんか?私の兄が毎日草庵寺に来れなくて。子供達に剣術を教えてほしいと強請られるのですが、私が剣術ができなくて…どなたかこちらに来ていただける武官様を

ご紹介いただけませんでしょうか。このようなことをお願いして本当に申し訳ございませんが、どうかお願いします。」

亜見「そうなのですね…。すぐには派遣できないですが、誰かいないか探してみます。」

と亜見は伝えた。

博和は亜見が教えたらどうか?とこっそり耳元で言ってきた。

博和がようやく話始めた。

博和「沙希殿。何か手伝えることはありますか?」

沙希「では夏富様は、子供たちに字を教えていただけますか?」

博和「はい!」

沙希は博和を境内に案内し、子供達を呼んだ。

子供達は嬉しそうに座っている。

博和は字を教え始めた。教えている横に沙希も座る。

亜見は外で男児に刀を教えていた。

草庵はその様子を微笑みながら見ていた。


夕刻になり帰る用意を始めた、亜見と博和であった。

帰り際に子供立ちに、また来てほしいとねだられ、また来ると約束して寺を出た。

そして城へ帰って行った。

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