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点数は人を測る尺度

 点数は人を測る尺度である。



 何を言う! 点数では測れない人間としての素晴らしさが俺には備わっている!!

 そんな数字、犬に食わせてしまえ! 点数なんてもの、定性的な評価ができない怠けた人間の逃げ道だ!! 


 確かにお前は高い点数を持っているかもしれない。けれどな、お前は所詮、数字に拘りすぎて本質を見失った愚かな野郎だ。お前に見せてやる、点数という数字では決して表すことのできない俺の真の実力をな!!



 ……と私は常々心の中で思っているのだが、残念ながらTOEICは試験であるためはっきりと点数が出てしまう。なんなら、受験している殆どの人間が高得点を出そうと必死になっている。私も含め点数という名の数字に縛られた愚かな人間なのだ。


 けど、やはりその点数に価値があるから皆求めているのだ。結局は皆点数を求め走っているあたり数字に縛られてしまった人間の儚さを感じてしまう。


 こんなことばっかり言っていると『お前こそ、点数取れなくて点数から逃げてるだけじゃないのか?』とか『ちゃんと数字を出せる人は、数字で見えない部分もしっかりしているんだよなぁ』とか『すぐ数字を批判する人は数字の何を知っているのか?』とか怒涛の正論が来そうである。うるせえ、黙らないとぶつぞ! って感じだ。

 

 それはさておいてTOEICを受験する以上、点数の話は切っても切り離せない存在だ。


 よく『俺、TOEIC700点だよ』とか『ノー勉で800余裕』とか英語自慢されるように、TOEIC受験者は度々自身の点数を誇示する傾向にあるようだ。

 また他にもメディアやネットで見られるように『まさか英語苦手な私が800点!?』とか、『落ちこぼれの俺がTOEIC900点をとり、外資に転職できました』とかサクセスストーリーにも用いられる始末。どこぞのweb小説のタイトルみたいである。


 これらを見るようにTOEICというものは、いかに高い点数を他者に見せるかを競う競技なのだ。

 

 というのも、TOEICという試験は合格という概念がないからである。一般的な試験とは違い、合格を目指すものではなく、点数を積み上げていく試験スタイルなので、高得点を取ろうと皆頑張るのだ。


 けど裏を返せば目標点は人それぞれで決まりはない。各々自分の中で目標立てるものであり、目指すべき点数は人によって異なる。


 なので、別に低得点でも履歴書に書けるし、人に言っても何も問題ない。受けたこと自体に価値あるものと思う人だっている。だけど、評価基準が点数であるために、全く誤魔化せない。なかなか厳しい世界だ。



 TOEICはリスニングとリーディング、合わせて990点満点だ。けれども、1問⚪︎点と決まっているわけではない。

 試験ごとの難易度を調整するため、独自の採点方式で算出し、例え試験フォームが異なっても、不平等が無いよう正確に英語力を点数で評価できるようになっている……らしい。


 聞いても『うーん?』って感じの人は、『数問ミスっても満点になることもあるよ』とだけおさえておけば大丈夫。


 そんなTOEICの点数であるが、実際のところ基準はどうなのかと思う人もいるかもしれないので、ここで簡単に説明しておきたい。


 イマイチTOEICの点数の凄さが分からない人も以下の表を見ればバッチリだ。ちなみにこれは世間一般に言われている評価なので、私が勝手に点数で線引きして人を評価しているというわけでは無いということを留意しておきたい。あくまで一般論ね、一般論。


5点:逆に凄い。全200問適当にマークシートを塗っても出てこないキセキの点数。一回のTOEICで数人出るかでないか。満点より珍しい。逆にTOEICに飽きた満点ホルダーが平均点を下げるためあえてやっているのかもしれない。でもそれだったら潔く全問不正解にしてほしい。


100点〜200点台:よっぽど英語が苦手かマークミスをしたかのどちらか。そもそもこの点数にある人はTOEICに世界についていけないと分かっていて受験しているように思える。多分問題に挑んでも殆ど分からず、2時間かけてマークシートを塗るものと思われる。あんまりこの点数を掲げている人はおらず、自分もSNSのプロフとかにしている人は見たことない。


300点〜400点:初めてTOEIC受験しましたよという人はこのあたりにいる人が多い。ここからキミのサクセスストーリーが始まると言われる点数であり、英語道のプロローグに過ぎない。平均より下なので自慢は難しいが、近所のおじいちゃんよりかは英語は読めると思われる。人より英単語知ってるよって言える。


500点代:平均より下だけど、真面目に中学高校と英語を勉強している人でもこのあたりになることがある。別にこの辺りの点数にだって英語ペラペラな人もザラにいる。


600点台:ここがいわゆる平均ライン。じゃあ、ここが普通の日本人の英語力かと勘違いしている人もいるかもしれないが、誤解をしてはいけない。そもそもTOEICを受ける人は英語に自信がある人ばかりなので、これは『英語が得意な人が集まって出した平均点』だ。ここまで楽勝と思っている人は甘く見てはいけない。ここに来るだけでも結構しんどい。けど、ここまでこれば『まぁ、英語は読めますよ』ぐらいは人に言える。

 ある程度英語に慣れている人だってここに落ち着くこともあるようだ。


700点台:平均の壁を超えたため、この辺りで自慢し始める。企業でもここを一つのラインとしているところも多く、履歴書に書けるレベルであり一つの壁となるようだ。英語のチラシとか請求書は大体読めるくらいになる。


800点台:殆どの企業で、まず足切りは食らわないレベル。この辺りの点数からSNSでよく見られる。まるであちらこちら、アクセサリーのようにプロフで書かれている為、自分でも手に届くと錯覚しやすいが、なかなか辿り着くのは時間がかかる。この辺りから『高得点者』の称号をいただけるように、一目置かれる存在。


900点台:すごい


990点:満点。TOEIC界の頂点。夜道に気をつけたほうがいいかもね。

 


 ざっとこんな感じだ。私自身はやれ『500点レベル』だのやれ『600点レベル』だのと、点数で線引きされて括られるのは非常に癪であるが、世の中の評価がそうなので仕方ない。それに、私自身もその点数の持つ価値に依存して受験しているので、あんまり悪くは言えない。しかしながら、現実問題TOEIC界というのは、上記のように点数で線引きされる血も涙もない世界である。


 それに、アンチ点数な私ですらも、TOEICに毒され、日に日に人を点数で判断するよう蝕まれてきている。完全に深淵に飲まれるのも時間の問題だ。


 こんな冷徹で恐ろしい世界がTOEICには存在しているのだ。他にやりようはないというかと、疑念を呈したくなるのだが、文句を言うなら高得点を取れと言うことか。

 またしても私は闇に触れてしまった。

Q1:本文におけるTOEIC500点台について、正しい記述はどれか?


A:一般的な日本人の平均点


B:サクセスストーリーの始まり


C:よくSNSのプロフィールで書かれる


D:目標点にできる



Q2:本文より、筆者はこれからどうなるか?


A:SNSを使う


B:あるところに誘われる


C:うるさい人に対して暴力を振るう


D:履歴書を作る




Q3:本文にて、TOEICの点数についてどのようなことを言っているか?


A:高い点数な人ほど偉い


B:人としての素質を推し量る指標の一つ


C:全問正解しないと満点にならない


D:あるレベルを示す


 


Q1の解説:正解はD。本文に『けど裏を返せば目標点は人それぞれで決まりはない。各々自分の中で目標立てるものであり、目指すべき点数は人によって異なる』と記されておりDが正解。他は500点台以外のことを記述しており不正解。


Q2の解説:正解はB。本文後半に『完全に深淵に飲まれるのも時間の問題だ』と述べられており、それを言い換えたBが正解。Cについては『ぶつぞ』と脅しているだけで、実際に遂行までは試みていないので不正解。


Q3の解説:Dが正解。Cの選択肢について、全問正解しなくても満点になることがある。

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