020・冒険者ルールと心得の説明 その2
「さて、次の冒険者ルールのご説明は......冒険者パーティの数ですね?こほん...冒険者が組めるパーティ数には制限がございます。冒険者が組む事の出来る最大数は、全部で4人までとなっておりますので、それ以上でパーティを組もうとしておられる人はご注意下さいね!」
「え、4人!?パーティって、4人しか組めないんですか!?」
「それはどうしてなんでしょうか?」
「それはですね。4人以上の好き勝手なパーティ人数にしてしまいますと、冒険ギルドのデータ管理の演算がキャパオーバーしてしまう、これが主な理由ですね。まぁ他にも細かい理由は多々ございますけど......」
「な、なるほど、そういう事か。数がある程度決まってないと管理が難しいってやつね......」
「でも四人までしかパーティを組めないだなんて、予想外だよ~~っ!ぐぬぬぬぬ~ま、参ったぞ、これ。私達って五人組みなのにぃ~~っ!っていうか、私が確実にハブされるじゃぁぁあ~~~んっ!」
「はは...ご愁傷様。でも説明係の言っていた他の細かい理由ってなんだろう?」
「多分だと思うけど、デジタルの方がいっぱいいっぱいって言っているのだから、アナログ作業じゃないかな?」
「はい、そこの新人さん正解です♪手書きってホント疲れるんですよねぇ。挙げ句の果てに残業残業の大嵐!デジタル万歳ですよ♪おっと、話が脱線してしまいましたね。では次の説明に入ります。コホン......組んだパーティメンバーですが、事前にギルドへと申請紙を出して登録しておいて下さいね。もし申請紙を提出していなかった場合、パーティが貰える筈だった報酬を貰えなくなってしまう可能性が起こってしまいますので」
説明担当のお姉さんが、矢継ぎ早でアナログ時代の愚痴をこぼしていく。
「うひゃ!頑張ってクリアしたっていうのに、報酬が貰えないのはマジで
ご勘弁だぜぇ!」
「もしそうなった場合、わたしは泣くね!ギャン泣きしちゃう自信があるよ!
そして数週間は立ち直れないっ!」
「うふふ♪そうならない為にも、申請紙の提出を忘れないようして下さいね!」
もしもの事案に慌て動揺する新人冒険者に、説明係のお姉さんが笑顔で軽く注意を促す。
「それからもうひとつ。組んだパーティから離脱する場合も同じく、ギルドに離脱の申請紙を確実に提出して下さい。もしトラブル関係でパーティを離れようとしていても、その申請をシッカリしておかないと、冒険ギルドはその離脱者を庇ってあげられなくなる可能性がございますので......」
説明係のお姉さんの表情が、先程までの笑顔とは打って代わった表情に変わり、離脱の申請紙の提出を絶対に忘れないようと釘を刺した。
「説明担当の人のあの虚ろな表情を見るに......きっと何かしら嫌な覚えがあるんだろうな......」
「とにかく!お姉さんの言う様に、人間関係でトラブルや問題が起きたら、即ギルドに報告!これ絶対に忘れべからず......だねっ!」
「......だな。トラブル関係でパーティを離れたのに、パーティを離れていないと見なされたら、確実に面倒ごとが起こるのは目に見えてくるしな!」
「うふふ。皆様、良い心掛けです♪」
そんなのは嫌だと、気を引き締めている新人冒険者達に、説明係のお姉さんが満足そうな笑顔で微笑むと、
「こほん...それでは次の説明へと入りますね......」
軽く咳払いをし、真面目モードに戻して電子パットのページを次へと進める。