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143・試合に出して下さい!


「つ、つまり。その四大貴族が主催する試合に俺が出れば、そこのフィギュアを頂ける...そういうことでしょうか?」


「はい♪」


うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!


い、いいんですか、ユカリさん!


本当にそんなレア物を頂いちゃっていいんっすかぁぁぁあっ!!


「お、俺をその試合に出して下さい東城さんっ!!」


俺はユカリに向かってそれはそれはキレイな土下座をして、どうかその試合に俺を出して下さいと嘆願する。


「本当ですか、光野様!ありがとうございます!ではこの書類に出場する承認サインをお願いしますわ!」


「はいはい♪」


サクヤはパッと書類に記述されている内容を読み込み問題ないと確認後、承認サインをする。


「はい、確かに承認サイン頂きましたわ♪」


ユカリがサインの書かれた書類を部下に渡す。


「ではこのフィギュアは試合の後に渡しますわね。今渡してしまうと優子から聞いた光野様の性格上、もう用はないと試合にワザと負けそうですしね♪」


「うぐ!見抜かれている!?」


流石ユカリ、俺の事を良く分かってらっしゃると感心する。


「では改めて本当にありがとうございます光野様、依頼を受けて頂いて。このフィギュアを無理を通して発注した甲斐があるってものですわ♪」


ユカリはそう言うと、口に手を持っていき微笑する。


「さて。実のところ、出場の依頼を受けて頂きたく少々先走ってしまいましたが、光野様が試合に出場出来ない可能性もあります。多分の可能性なのですが、一応光野様が試合に参加できるかどうか、ルールと照らし合わせをして確認したいのですが、よろしいでしょうか?」


「ああ。勿論いいですよ」


「ありがとうございます。リーシャ!」


「はっ!」


「まず最初は......」


ユカリがリーシャと呼ばれる金髪の女性から、ルールブックと書かれた本を受け取るとそれをパラッと開き、サクヤが試合に出場出来るかどうか、そのチェックを確認していく。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「......以上ですわ。ふむ、どうやら光野様が試合に出場する事でルール違反となる項目はございませんわね!」


ユカリはルール確認チェックを終え、ルール違反に該当するものが1つもない事に安堵の表情でルールブックをバタンと閉じる。


「では光野様。改めて試合出場、お願い致しますわね♪」


ユカリがニコッと微笑み、再度試合への出場頼みますと軽く頭を下げると、


「おう!自分に任せて下さいなっ!」


サクヤがしたり顔でサムズアップする。


「さて。優子のお礼も光野様に渡しましたし、わたくしの用も無事に終わりました。これを最後においとまさせて頂いてますわね」


ユカリはそう言うと、その場に両膝と両手を着けて土下座の体勢に入る。


「はぃぃいいい!?な、なな、何で土下座をしているんですかね、東城さん!?」


サクヤはユカリの突然なる土下座に、どんな真っ黒い腹があるんだと焦って狼狽えてしまう。


「光野様にこれだけは聞いて欲しく、わたくしの嘆願を込めた土下座でございます。今回のわたくしの行動行為に優子は一切関係ございません。わたくしが優子に強引に迫った結果なのです。従って、どうか優子の事を嫌ったり恨んだりしない下さい。どうかわたくしのこの土下座にて、寛大なる心をお願い致しますわっ!」


ユカリは真面目顔で自分のこの行動に優子は関係ないと説明すると、再び頭を深く下げて土下座をする。


優子の事を思うユカリの行ったこの土下座を見てサクヤは、



ギャァァァァァァアア―――――ッ!!


ブリザァァァア――――――――ドッッ!!??


こ、ここ、こ、こ、怖えぇえぇぇぇえっ!!??


謝っているのに何で身体中が凍てつく様な威圧を迸らせてんの、この人ぉぉおおぉぉおおっ!!!


それって、


「遠回しに許さないと分かってますわよね♪」


...って、言っているものじゃねぇかぁぁぁああっ!!


殺気がない分、めちゃくちゃ恐怖なんですけどぉぉぉおぉおおっ!!


......まあ、その程度の事で怒る事なんてありませんから許しますけどね。


と、とにかくこいつをこのまま土下座をさせ続けるのは危険極まりないっ!


そう思考するが否や、


「あ、頭を上げて下さい東城さん!ゆ、許します!許しますからっ!と、当然優子ちゃんの事も嫌ったり恨んだりなんてしませんっ!だ、だからどうかご安心下さいませっ!!」


土下座体勢を今すぐやめて下さいと、俺は切実必死に頼み込む。


「慈悲深き寛大なる心をありがとうございます、光野様!これで優子に怒られずに済みますわ♪」


サクヤの許しを得て、ユカリが安堵の表情で土下座をやめて立ち上がる。


そして足に付いた土を手でパンパンと払った後、サクヤの顔を見てニコリと微笑むと、


「それでは光野様。もう少し貴方とお話を重ねたいのですが、生憎東城家長女として忙しい身でして。名残惜しいですがこれで失礼させて頂きますわね。ではごきげんよう。リーシャ、ルーシャ行きますわよ!」


「「はっ!!」」


「では光野様。後日打ち合わせ時にまたお会い致しましょう♪」


サクヤに軽く会釈して別れの挨拶を口にすると、二人の従者と共にユカリは来た道を優雅な足取りで帰って行く。


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― 新着の感想 ―
 そういえば、他の転移者三名も、彼と同じ条件で帰還したのでしょうか。  そうだとしたら、彼女達にも改変前のダンジョンの無い世界の記憶があるのですよね。
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