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131・風菜火奈水那、戦乙女再び


―――時は少しだけ遡り。


サクヤが放課後の帰り道、マドサイを求めて彷徨っていた時間に戻る。



「ああもう!ムシャクシャするぅ~!うきぃいぃいっ!!」


「まぁまぁ。落ち着きなって、火奈ちゃん!火奈ちゃんの気持ちは分かるけどさぁ~!」


地団駄を踏んでムキムキしている火奈に、水那が苦笑いを浮かべつつやんわりとそれを宥める。


「えぇえいっ!これが落ち着いていられるかってのっ!っていうか、水那はよく落ち着いていられるわねっ!!」


しかし火奈は余程ご立腹なのか、未だ怒りは収まらない。


「あはは。火奈っちが怒るのも無理ないって、水那っち。ウチ的にもあれはないって思うし。何せ危うく死んじゃう所だったしねぇ.....」


「風奈もそう思うわよね!四回だよ、四回っ!わたし達がモンスターハウスに引っ掛かった数!モンスターハウスに引っ掛かる確立は十パー以外だってのにさっ!!」


風奈の賛同に、火菜のボルテージが加速する。


「ボクだって、あれはヒドイと思ったよ。でもさ四回もモンスターハウスに引っ掛かったお陰で、良い収穫もあったのもまた事実じゃん。だからさ、プラスマイナスで言うならおプラスって思おうよ!」


水那はそう言うと、モンスターハウスにてゲットした数個のレアアイテムを取り出し、それを火奈に見せる。


「うぐ。た、確かにそれはそれで良い収穫だったと思うよ。け、けどさ!決してプラスではないぞ!未だにストレスがハンパないしねっ!!」


たがレアアイテムを見せてもなお、火奈のお怒りモードは冷めなかった。


「たはは、これは困ったな。火奈っちをこのままにしておいたら明日の探索に支障が思いっきり出そうだな......。う~~~~~~ん、火奈っちのご機嫌を回復させるにはどうしらいいのか......」


風菜は首を傾げて何か良い案はないかと思考を悩ませる。


.........あっ!?


あ、あれだぁあっ!


あれがあったじゃんっ!!


「火奈っち!水那っち!気分転換と気晴らしに今からゲーセンに行こっか!」


風菜は良い案が浮かぶと、それを早速実行する。


「え?」


「ゲ、ゲーセン??」


風菜の提案に、水那と火奈が何故ゲーセンとハテナ顔を見せる。


「ほら。ここのギルド近くにあるゲームセンターって、戦闘アタックバトルがあったじゃん!あれで溜まりに溜まったその鬱憤を晴らしなよ、火奈っち!火奈っち、あのゲームに物好~~くハマっていたじゃんっ!」


「おお!それいいアイデアかもっ!火奈ちゃん、常日頃いつも言ってたもんね。あのゲームのランキングトップを狙うんだってさ!」


「戦闘アタックバトル......か。くふふふそうだね......っ!このイライラ&ストレスを晴らすには打って付けかもっ!」


火奈は乗り気になったのか、口角をニヤリと吊り上げると気合いの入ったシャドーボクシングを始める。


「よっしゃ!そうと決まれば、善は急げだ!暗くなる前にゲーセンにいくぞっ!風菜!水那!」


火奈が自分のリュックを背中に素早く背負うと、駆け足で部屋を出て行く。


「さっきまであんなに怒っていた癖に、火奈ちゃんってホント喜怒哀楽が激しいよねぇ......」


「あはは。まぁでもそれが火奈っちの持ち味でもあるし、あの性格のお陰でウチ達...戦乙女にはバランスの良いチームになっているんだけどね!」


「風菜ちゃんの言う様に、あの性格のおかげで難関を突破出来たり、ピンチを脱した時が何度かあったもんね。火奈ちゃんがチームに欠かす事の出来ない存在なのは事実だね♪」


「まぁ何せよ、火奈っちのご機嫌が治って何より何だ♪」


「うんうん。しかしナイス助言だったね、風菜ちゃん!さすが戦乙女のリーダー♪そんじゃ、ボク達もゲーセンに行こうか。あのテンションの火奈ちゃんが何かしらのトラブルを起こす可能性があるし!」


「おっと、それは十分有り得る話だね。そうなる前に火奈っちと合流するか♪」


風菜と水那がお互いに苦笑いをこぼした後、自分の荷物の入ったショルダーバッグやリュックを手に取り、先に出て行った火奈の後を早足で追い掛ける。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「うわはははっ!久しいなぁぁあ、戦略アタックバトルさんよぉぉぉおっ!!」


ゲーセンにいち早く辿り着いた火奈は、数ヶ月ぶりに見る戦闘アタックバトル機体にニヤリと口角を吊り上げ、人差し指をビシッと突き付けると高笑いを荒らげる。


「ち、ちょっと火奈ちゃん!こ、声が大きいって!周りの皆さんのご迷惑になるでしょうが!」


騒ぐ様に声を上げる火奈に、恥ずかしいそうな顔をした水那が口を塞いで黙らせる。


「そ、それよりも何あの行列!?めちゃくちゃ人が並んでいるんですけど......っ!?」


「モガモガ...ああそっか。風菜は戦闘アタックバトルは初めてだったっけ?だが残念ながら、あれはまだ全然混んでいない方だぞ!」


「へ?あ、あれで!?」


「ああ。これが休日ともなると、あれの数倍近くは並んで

いるからな!」


「はぁ!?す、数倍近くっ!?」


火奈の言葉に、ビックリ仰天という表情で衝撃を受けてしまう風菜だった。


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