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128・溜飲が下がったわ♪


「こ、このイライラする声は!?」


「見てよみんな!間違いない!あのチャラ野郎達だよっ!!」


「あの野郎ども!まだのうのうとこんな所にウロウロしていやがったかぁぁぁあっ!!」


綾香、佐紀、優子の三人がチャラ大学生その1その2を発見するが否や、目の色を凶悪へと変えてチャラ大学生その1その2の下へ猛ダッシュして行く。


「よくも私達を囮にしてくれたわねぇぇぇええっ!」


「げぇえ!?お、お前達は―――――ホゲェエエ!?」


「歯ぁああ食いしばれぇぇぇええっ!!」


「な、なんでお前ら生きていやが――――ウギヤア!?」


チャラチャラ大学生その1その2の下に辿り着いた綾香と佐紀が問答無用とばかりに怒りのこもったパンチとキックをブチ咬ます。


「何が『戦闘やフォローは俺達に任せておけ♪』だぁあっ!この口だけチャラチャラクソ野郎がぁぁぁああっ!!!」


「―――ホギャ!グギャ!!ゴギャ!?」


「―――ケギャ!ヘギャ!!グギャ!?」


そして留めとばかりに鞘から抜いた刀の峰で優子がチャラ大学生その1その2をボコボコにしていく。




――三人がチャラ大学生達をしばく倒すこと数分後――




「ふう!ちょっとだけど溜飲が下がったわ♪」


「ったく。まさか本当にまだギルド内にいるとは.......」


綾香がスッキリといわん笑顔で背伸びをし、綾香が逃げもせずギルドに残っていたチャラ大学生達に呆れかえる。


「ふふ、ご三人さん。気が晴れたかな?」


「「「え?」」」


「キミ達の態度を見るに、こいつらが囮にしたって女の子達ってキミ達の事だよね?」


「は、はい。そうですけど......」


「あ、貴女は一体......?」


「ん?アタシ?アタシは―――」


「―――もうみんないきなり走って行かないでよ~!」


チャラ大学生達を捉えていたサクラが自分の紹介しようとした瞬間、成美が綾香達三人に遅れてチャラ大学生達の下にやって来た。


「あはは、ゴメンゴメン。こいつらを目に映したら、つい怒りで我を忘れちゃってさ!」


「右に同じ!」


「左に同じ!」


「はは...まぁあんたらの気持ちを考えるとしょうがないか。そんじゃわたしも一丁、親友の敵打ちにこいつらを一、二発ボコっておきましょうか................ん?ふえ!?お、おお、おおお、お姉さん!?も、もも、ももも、もしかして華宮...桜さんですかっ!?」


成美が目の前にいるサクラを見て、驚いた顔に変わる。


「ど、どうしたん、成美?そんなビックリ仰天なお顔をしちゃってさ?」


「な、成美、この人の事を知ってるの?」


「も、勿論知っているに決まってるじゃんっ!!このお姉さん、S級冒険者なんだよっ!S級冒険者さまっ!!」



「「「え、S級冒険者っ!?」」」



成美は綾香達にこのお姉さんが一体誰かを説明すると、佐紀達三人が目を大きく見開いて驚く。


「そ、それにお姉さんのその胸に輝くワッペン!?ひょっとして『GTP』に所属しているんですか!?」


「ね、ねぇ成美。そ、そのGTPって何よ?」


「GTPっていうのは.........」


成美はGTPの事を佐紀に説明する。


「うへぇ~悪に落ちた冒険者を取り締まる組織かぁ~~!」


「LVで身体能力の上がった冒険者を捉えるには一般人じゃ確かに無理だもんね!」


「そんな悪に堕ちた冒険者を捉える為、GTPに所属する冒険者はみんなランクが桜さんみたくランクの高い人達で結成されているエリート集団なんだから!」


「ふえ~S級冒険者でエリート集団!?本当にスッゴいんだねぇ~桜さんって!私らとあんま年齢が変わらない感じなのに!?マジリスペクトだよっ!!」


成美の説明を聞き、綾香が驚くと同時に心から尊敬したキラキラ笑顔の表情を見せる。


「ふふ、ありがと。でもGTPに入ったのはなりたくてというよりも、最近身内に起きたある事件が切っ掛けで―――おっと、そんな私事よりキミ達のお陰で大人しくなったこの馬鹿達を魔道具チェックに掛け、囮の件が本当かどうかの確認が先だねぇ!倉田、沢川っ!こいつらを判別機に連れて行って!」


「ハッ!」


「了解です!」


サクラの号令に、倉田沢川と呼ばれた黒いスーツを着た屈強なる男二人が取り抑えていたチャラ大学生達を引き摺り、どこかへ連れて行く。


「それから貴女達。わるいけど貴女達の証言を聞かせてもらえるかな?それからその証言が本当か嘘か、魔道具による判別チェックに時間が少々掛かるんだけど、時間は大丈夫かな?」


「はい。大事な用は特にこの後何もないので大丈夫です!」


「わたしも大丈夫!」


「ワタシも大丈夫です!」


サクラの問いに、佐紀、綾香、優子が問題ないと答える。


「それより、その判別チェックとは一体なんですか?」


「平たく言うなら、発言にウソがないかのチェックかな!」


「ウソがないかのチェック?」


「うんそうだよ。あ、言っておくけどこの判別チェック、ウソの発見率は百パーセントだから、決してウソを付こうなんて思わないようにね!」


「うへ!?ひゃ、百パーセント!?」


「そ、それはまた凄い魔道具ですね!」


「でも使用コストが高そうなアイテムだね、その魔道具?」


「キミの言う通りこの魔道具、性能は確かにピカイチなんだけどこいつを起動するには相当数のレア魔石を消費するんだ。だからあんま頻繁には使えないのが難点なんだよねぇ!」


「レア魔石って確か最低でも一個数十万はするだっけ?」


「そ、それを相当数.....」


「そいつはまたコストが大変な魔道具だな......」


佐紀、綾香、優子の三人が嘘を百パーセント見抜く事の出来る判別機の起動コストの悪さに、苦笑の表情や困惑の表情をこぼす。


「あ、あの!わ、わたしも一緒に付いて行ってもいいですか?あいつらチャラ大学生達が逃げて来た時に放ってたセリフの証言を出来るだろうし!」


成美はサクラともっと話がしたいので、まだ帰らずにここへ残ると口にする。


「勿論構わないよ。その証言が本当だと立証されたら、あいつらの有罪確定率を上げる事が出来るだろうしね♪」


「あ、ありがとうございます!」


サクラの承諾に成美は喜色満面の笑みで頭を下げる。


「それと移動するのを少しだけ待ってもらえませんか?わたしと一緒にここに来ているお兄ちゃんがそろそろ戻ってくると思うので!」


「キミのお兄ちゃん?別に構わないよ。この後アタシはこと急ぐ用事は特に何もないし、貴女達の時間さえ良いのであればね!」


成美の頼みに対し、サクラは問題ないと言葉を返す。


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ようやく一人目と再会かな。
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