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101/144

101・古島を倒したらご褒美が貰えるとな?


「それにもし朔夜が頑張ってあいつに勝ってくれたら、ご褒美としてわたしが勝利のキスをしてあげるよ♪」


「な、なんですと!?」


「ちょ!?ま、また抜け駆けか、亜依子!?あ、あーしもするしっ!あーしもご褒美に勝利のチューをしてやるしっ!」


亜依子の行動力にビックリした心愛が、亜依子に負けたまるかとあざとい上目遣いでそう言い放つが、しかし恥ずかしかったのか顔中を赤く染めあげる。



「ねぇねぇ!聞きました!キ、キスですって!?」


「聞きましたよ!チ、チ、チューですってよ!?」



「「「「キャァァァアアアァアア――――ッ♪♪♪」」」」



亜依子や心愛のご褒美宣言に、クラスメイトの女子達が黄色い声を荒らげて騒ぎ出す。



「いやはや。風見さんも西城さんも光野君にベタボレじゃんか!マジボレじゃんか!」


「クラスメイトの目があるっていうのに、全く憚らず光野君とイチャイチャしてるよ......」


「その挙げ句、まさかキス宣言までするとはね!」


「ふ。やるじゃんあの二人!」


「いやしかし。完全に乙女ってるよねぇ~風見さんも西城さんも♪」


「うん。ふたりともお目々がすっかりハートマークだもん!」


「くぅ!見ているこっちが恥ずかしくなってくるよ~~!」


「でも超羨ましい~!私もめっさ乙女し~た~い~~!」


「あはは!あんたには無理だよ♪」


「そうそう。あんたのがさつを受け入れてくれる度量のある男子はこの学校にはいないよ♪」


「くそ!自分でも分かっているだけに何も反論出来んっ!」


クラスメイトの女子達が、光野達に様々な喜色満面の声を上げる。


そんな中、男子はというと、



「「「「あいつ、どこかで惨たらしく死なないかな.......っ!!!」」」」



皆が皆、朔夜に嫉妬と妬みの視線で睨んでいた。



それからHRの時間と一限目の授業があっという間に過ぎ去り、二限目の授業の時間がやって来る。



「みんな集合しろ~!今から組み手式の試合を始めるぞ~っ!」


体育の教師が疎らに散っている男子を自分の前に整列させる。


「今まで基本的な組み手の技を散々教えてきたと思うが、今日はそれを今からやる試合でちゃんと身に付けているかどうか、見定めようと思っている。では対戦相手はいつもの様に成績の良し悪しで決めていくぞ。まず―――」


「―――ちょっと待ってくれ先生!今日の試合相手は自分達で選ばせてもらえねぇかな?見定めるって言うんならよ、いつもとは違ったやり方も見定めておく必要があるんじゃねぇのか?」


体育の教師が授業内容を説明していると、古島がそんな言葉を投げる。


「う~ん、そうだな。お前の意見も正しいな。よし今日は古島の案で行くとするぞ。それじゃお前達、今から試合をする相手を各自見つけろ。で、相手が決まったらここに再び集合するんだ、いいな!」


体育の教師が古島の意見を聞き入れると、整列していた男子達を一旦解散させる。


「くくく。そういう訳だ、朔夜。朝に言った様に俺と勝負するんぞ♪」


古島が勘に障るニヤニヤ顔で、俺の肩に腕を回してくる。


.........チッ


こいつどうやって俺と試合をするつもりなんだと思っていたけど、こういう事だったか。


しかし陽キャラは戸惑いもなく、先生に意見をしやがるよな。


でも正直いって、こいつと試合をするのは面倒くさいから断るか。


だってこいつが勝手に試合だ決闘だとか宣っているだけだし、


なので別に断っても構わないだろう。


ああでもしかし、


どうせ誰かと試合をしなきゃいけないんだよな。


まだ加減の匙加減がしっかり出来ていない今、ケガをさせたとしても一切の後悔の念もヤっちまった感も沸いてこないこいつと試合した方が良いのか?


それにこいつに勝ったら、亜依子や心愛が勝利のご褒美としてキスしてくれるって言ってたしな。


ああ、はいはい。


分かってます、分かってますよ。


あの言葉が陽キャラお得意の、その場のノリで言った冗談の腹だって事はね。


俺は勇者仲間達からそんな感じの揶揄いをいつも受けていたので、あまり

それを鵜呑みにはしていなかった。


.........なのだが、


しかしひょっとしたら、もしかしたらがあるやもしれんと思った俺は、


「.........分かった」


やんわりと断ろうと思っていた古島との試合を承諾した。


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― 新着の感想 ―
[一言] 性格悪い手のひら返し擦り寄りギャルふたりメインの話いつまで続くのだろうか。 改心や反省もさせずにこういう流れにするんだったら、半年間主人公に陰湿なイビリしてたって設定無い方が良かったんじゃ無…
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