第七十一話 本気と書いてマジと読み、全力と書いてガチと読む 其の三
すいまっせんした~~!!!こっちの用事がなかなか忙しくて投稿が遅れてしまい、申し訳ありません!!
―――時は少し巻き戻る。
「だから師匠・・・。」
ヴォンッ!!
「・・・え?」
(は?え?今の今まで師匠いたよね?どこに行った?どこに?)スカイアは一人地下闘技場で今の今までここにいた愉快な骸骨の姿を探す。
「チィッ!!」
まず疑うべきはポテプが何者かに襲われ、その敵がここにいるのでは?ということ。故にスカイアの最適解はあたりを見回すよりも早く闘気をあたりに張り巡らせ、師匠である骸骨の闘気を探ること。
「いない・・・?いや、これは・・・ものすごい速度で遠ざかっている?・・・まさか転移?でもどこから?」
一瞬だが、スカイアの脳裏に移ったのは師匠が転移させられた時、漆黒に光った地面だ。
「っ・・・!!」
一瞬・・・雷光よりも速く地面を踏み込み、光った場所・・・よく探ってみればまだ師匠の闘気が感じられる場所へと跳ぶ。
「ここだ・・・。これは・・・転移というよりも召喚か?いや、誰がやった?それが分からなければ意味が無い。・・・ん?これは・・・?」
ジャラ・・・。
「鎖?どうしてこんなものがここに?・・・いや、これは・・・。」
その鎖は師匠を奪っていったあの魔法陣に込められていた魔力がかすかに残っていた。
「成程・・・この鎖に魔力妨害を付与して師匠の感知をすり抜けたのか・・・。」
ならばこの鎖を逆探知すれば特定できる!!そう考えたスカイアはすぐさま行動に移す。だが・・・
「ダメ・・・か。」
ふつふつと怒りがこみあげてくる。この胸を切り裂く感情は何だ?そうスカイアは自分に問を掛ける。
「待てよ・・・?この魔力は・・・?」
そう、その魔力は自分から大切な人を、恋人を永久に奪っていったものによく似ている。その魔力は自分が妹のようにかわいがっていた巫女を奪ったものによく似ている。その魔力は・・・自分のかけがえのない大切な師を奪った者のそれによく似て・・・いや、まったく一緒。同じものだ。
「ならば場所の特定は容易。『追跡魔眼:闘気』」
あのまま、あの森のあの忌々しいほどに純白の城から奴が、奴らが移動していなければ、
「・・・見つけた。」
そう言って至高の種族は一人笑う。やっと復讐ができる・・・と。
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「ん・・・。ふぁぁ・・・。喉渇いた・・・。」
夜・・・真夜中・・・。喉が渇いたと言って起き上がった俺は隣りに寝ている彼女の寝顔を眺めていたっす。
「う~ん・・・。水飲み場は確か・・・?」
あっ、確か台所・・・いや、あそこはもう厨房っすね・・・。兎に角、そこに行けば水がある・・・いや、水じゃなくてもジュースぐらいあるっすよね?ね?
「いや広いっす・・・厨房どこっすか?・・・こんな時間にお師匠さんやクリーナさん呼ぶのもなぁ・・・。気が引けるっすよねぇ。」
「そうですね。」
ビグウウウゥゥゥッ!!!
「び、び、びっくりしたぁ・・・。」
「はぁ・・・。暗闇の中で一人でどこだどこだ言ってるやつがいたら普通気づきますよ?」
「いや、さっきまで寝てたっすよね?」
「そりゃあ寝てる間に抱き枕にしていた相手がいきなりいなくなってぬくもりが無くなったら目が覚めるでしょう?」
「まあ確かに。」
「そういうことです。」
あ、俺は抱き枕扱いなんっすね・・・。
「で?何をしていたのですか?厨房はこっちですよ?」
あ、逆の方向だったんっすね・・・。
「全く・・・方向音痴にもほどがあるでしょう?そんなんだからジュルスに絡まれるのですよ。」
「マジでそれ言わないでくれっす。」
黒歴史を掘り返されるのは誰でも嫌っすよ。
そんなこんなで厨房についたっす。本当に自分が方向音痴だっていうことを痛感したっすね。っていうか、喉が渇いてやばいっす。
「ほら、水飲んだら早く戻りますよ?」
「はいはい分かってるっすよ。」
・・・ん?あれ何だ?
「穴・・・?」
「なんですかこんな時に?どこにも穴なんてないですよ?」
「いや、そこにあるっすよ。ほら、冷蔵庫の後ろ左の壁に・・・。」
「・・・・・っ!!」
「なんなんすかね?あの穴?」
「中に何か入ってますね。」
俺は穴に近づいて中に手を突っ込んだっす。・・・これは・・・宝箱?
「宝箱?」
「ぽいですね。」
「開けてみるっすか。」
「罠の確認は・・・?」
「こういうのは一気に開けるのが男のロマンっす。」
「理解不能ですね。」
「結構っすよ。」
中に入っていたのは・・・。
「これは・・・本?というよりかは・・・日記?」
「え~と、『死神とその従者についての考察』ですか?」
「死神っすか・・・。あの?」
「多分・・・というか、それ以外にいるんですか?」
「ん?この本、魔法でタイトルが隠されてるっすよ。」
「本当ですね。噓を暴き、その身を真実の光に照らせ罠系初級魔法『ダウト』」
パァァァ!!
「おお!!・・・ぼろいっすね。」
「そうですね。え~と?題名は・・・『憤怒の死神考察書』・・・著者 ブラハム=マッカ・テオドール」
「なんなんすかね?」
「読んでみるしかないでしょう?」
「そうっすね!!」