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マギスター オブ アークエネミー  作者: (羽根ペン)
1章 勇者救助編
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第六十五話 弱者には弱者の強者には強者の戦い方がある 其の八

おいおい。これやべえんじゃねえの?俺がテレポートした先には、竜に攻められてすでに満身創痍といった様子のアルジェンとフランシアがいた。


「おい!アルジェン!!どうなってる!!?」


「現在、クリーナさんがあっちにいたボスらしき奴を倒しに行ってます!!」


「何色の竜だった?」


「恐らく緑っす!!」


「う~ん・・・。じゃあ大丈夫かな。よし、此処にいる竜全員殲滅するから下がってろ。」


「え・・・?」


「コマンド起動。詠唱速度上昇。術式展開速度上昇。初級植物系魔法『バンブー・ショット』展開。魔法威力上昇。魔法貫通力上昇。展開可能数上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。上昇。・・・トラップ変換チェンジ・・・自立起動付与。・・・・・設置!!」


俺の足元に半径五十メートルぐらい(竜たちが全員入るぐらいの広さ)の、緑色の魔法陣が展開される。


「さて・・・引っかかってくれるよね?竜君達よ?」


「GYU・・・A・・・ククククク・・・ハハハハハハ!!!コレダカラニンゲンハバカダヨナァ?オレタチセイヨウリュウガコンナオソマツナワナニヒッカカルトデモオモッテイルノカァ!?」


だいぶ片言だが人語を解するか・・・。いいね!面白そうだ!!


「でもさぁ・・・お前ごときに構ってる暇なんかないんだよねぇ。」


というわけで作戦変更といこうか。さっき自分でも引っかからないって言ってたしな。オメガ、頼む。


『御意。自立起動取り消し。・・・トラップ起動!』


あれ?お前・・・なんか人間らしくなってない?


『そのような事実は確認されていないです。』


「GYAAAAAAAAAAAAAAAAUUUUUUUUUAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!」


「おっ!起動したか。」


緑色の魔法陣から竹が飛び出てくる。ただの竹じゃない。先のとがった竹だ。その貫通力、速さ、威力はお墨付き。初級魔法の中でも使い勝手のいい魔法と言えるだろう。そこにコマンドの付与と来ている。


「俺は最強の罠を創り出したかもしれん・・・。」


「・・・ぐろいっすね・・・。」


確かに・・・控えめに言っても竹が竜の体を次々と串刺しにしていくのは見ていて気持ちいいものではないな。


「死んだかな?それともまだ生きてる?」


・・・誰だぁ~この声?正直嫌な予感しかしないのだがなあ?


「ねえねえ。あなたはこの竜たちが死んでると思う?生きてると思う?」


「いや、どっからどう見ても死んでるだろ?」


俺が殺したんだから間違いねえだろうが!殺した当人に生きてるかどうか聞いてくるとか・・・馬鹿なのか?この幼女?いや、馬鹿なんだろうな。見るからに頭育ってなさそうな顔してるもんな。


「ざ~んねん。まだ生きてるんだよねえ。呪詛系上級魔法『死者デス蘇生リペア』」


死んだ竜の下に紫色の魔法陣が展開される。ズズズ・・・という音とともに、地に伏した竜が腐ったつみれみたいな見た目になって立ち上がり、死んだ魚みたいな目でこっちを見てきた。


「成程、ネクロマンサーか?だとしたら・・・厄介だな。」


ネクロマンサー、死したものをゾンビなどにして使役する術師。


「俺はワイトだからな。格好の的だろう。」


「お師匠さんには分が悪いっす!!ここは俺が相手を・・・。」


「アルジェン?ここは私に任せてくれませんか?」


何か後ろにゴゴゴゴゴゴゴっていう音が付きそうな威圧感でフランシアがネクロマンサー(?)の幼女を睨んでる・・・。まあ、フランシアの新しいスキルなら奴に優位が取れるかもな。


「まあまあ。いきなり敵対するつもりはないよ?私はテオ様に言われてドラゴンたちを回収しに来ただけなんだよ?じゃあ、もう帰るね?」


テオって・・・まさか、あいつが犯人とはなぁ?あの臆病者がなあ?いや~・・・眼中にすらなかった相手が犯人だとこうもイラつくのか・・・。ま、確かにあの伝言の口調はあいつらしかったな。


「おい。そこの幼女。」


「幼女じゃないもん!!ちゃんとしたレディだもん!!!」


「お前が幼女かどうかはひとまず置いといてだな。」


「ん?」


「奴の・・・テオの・・・目的は何だ?」


「え~?ひょっとして知合いですかぁ~?あの尊きお方の考えていることなんて私が知ってるわけないじゃないですかあ?」


「じゃあ、死ね。」


「嫌ですよ~っと。影系上級魔法『シャドウ・ドライブ』。じゃあね。あのお方の知り合いさん?」


幼女と腐れつみれドラゴン達はそのまま影に入って消えた。


「むう・・・欲求不満です。」


「まあまあ。フランシア。クリーナも帰ってきたことだし、今日は帰ろうぜ。」


「むう・・・。」


「全く・・・。」


つーかあのネクロマンサー(幼女)フラグ建てるだけ建てて帰ってったな。結局何がしたかったんだ?奴は?


「あれ~?ここにいた竜たちは~?」


「お師匠さんが全部斃したっすよ。まあ、そのあといろいろあったんっすけどね。」


「ふ~ん。じゃ、家戻ろうか~?」


「欲求不満です。」


まだごねてんのか?あいつは?


「だ~め。今日はもう休むよ~。寝るのも修行の内なんだから~。」


「は~い・・・。」


「師匠~。どうしますか~?」


「決まってるだろ。」


「分かりました~。じゃあ、師匠は外で待っててください。」


「うい。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「来たか・・・。」


現在時刻は夜の十二時。フランシアやアルジェンは寝ている。


「師匠。手合わせ願えますか?」


家の中からスカイアが出てきた。いつ見てもなんかむかつく家だよな。なんか・・・こう・・・造形が・・・なんか・・・イラッと来るんだよ。ま、そんなことはどうでもいいから置いとくんじゃなくて遠くにぶん投げといて、


「スカイア・・・。俺の存在意義って何なんだろうな?彼女も守れないし、強くもないし、むしろ弱い。おまけに、自分がさんざん下に見ていた奴に出し抜かれてる。俺ってなんこの世界に存在してるんだろうな?言ってるだけで何も成し遂げれれない俺って・・・世界に必要なのかな?」


「師匠・・・。」


「分かってる。手合わせだったな。さっさとやろうぜ。」


「・・・・・はい。全力で行かせてもらいます!!」


「おう。かかって来いよ。」


スカイアは俺に何かを期待しているみたいだが、そんなことはない。俺は結果的に何も守れなかったただの臆病者だ。何が世界の力だ?何がコマンドだ?何が師匠だ?俺はそこまで立派な奴じゃない。そこまで他人にでかく評価されていい存在じゃない。


「師匠。こっちの世界に来て僕もそろそろ三百年。それなりに成長はしているはずです。師匠!!あんたの目を覚まさせてやりますよ!!!」


「やってみろ。俺に勝って見ろよスカイアぁ!!!!!」


ま、スカイアなら俺に勝つのは余裕だよな。俺の弟子を止めてからもう二百年近く経ってるんだし。強くなってるだろう。反対に俺は・・・はぁ。


「では・・・・・参る!!!!!」


スカイアのその掛け声で決闘が始まった。


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