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マギスター オブ アークエネミー  作者: (羽根ペン)
1章 勇者救助編
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第二話 コマンド起動ついでにストーリーも始動

「「う、うわあああああああああああああああああ!!!!!???」」


「待ちなさいこら~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!」


フランシアが自身の周囲に展開している7つの魔法は、左から順に炎、水、風、岩、雷、光、闇という、魔法の中での七大元素の全てだった。しかも、その魔法一つ一つが必殺の威力を持っているという、超弩級の魔法だ。あんなのに当たったら、俺だって無事では済まないだろう。まあ、当たればだが・・・。


「お、おいアルジェン。お前、あれ何とかできないか?」


「いや、無理無理無理無理、無理っすよお。お、お師匠さんこそ何とかできないんっすか!?」


「ぶっちゃけ言うと、意外と厳しいが、出来なくはないぞ!!・・・直撃したら死ねるがな。」


「じ、じゃじゃじゃ、じゃあ早く何とかしてくださいよ。あ、あれやばいっすよ!当たったら俺達でもただでは済まないかもっすよ!!」


「わかったわかった。わかったからそう肩を揺らすな。今やるから。」


「コマンド起動。光経初級魔法『ビーム』展開+防御系初級付与魔法『アイアン』付与。」


そう言って俺が展開した魔法は2種類の初級魔法。1つは『ビーム』という、光の魔法。この魔法は、指先にでた小さい光球から高温の熱線が発射される魔法だ。もう一つは『アイアン』という魔法だ。この魔法は、術者と、その術者が指定した者一人の耐久力を少し上昇させるという付与魔法だ。


どちらも初級の魔法使いが使えるような簡単な魔法で、そんなもので世間では賢者、仲間内では妖精王と呼ばれるほど魔法に卓越している彼女の魔法を防げるかと言われれば、普通の人なら無理だと言うだろう。だが、俺は違う。俺は、先ほど起動させた『アイアン』の魔法をアルジェンに付与した後、詠唱(?)を始めた。


「えーーーーー、コホン。それでは詠唱(?)を開始しようか。コマンド起動。魔法威力上昇。展開可能数上昇。」


これで『ビーム』の威力が目に見えて向上する。具体的に言うと、熱線の大きさが10㎝ほど大きくなり、数が7個に増えた。


「付与効果上昇。」


これで俺とアルジェンが纏う『アイアン』の魔法の効果が上昇した。これも具体的に言うと、少しVITが上がるという効果が、ステータスで見て10ほど上がるとしたら、このコマンドで、100ほどまでVITが上がることになる。ただ、あくまでも『アイアン』は保険で、フランシアの魔法攻撃を防ぐのは『ビーム』だ。


「おい、フランシア。この7つの熱線はお前の体を正確に貫くぞ。ハチの巣にされたくなければ冷静になれ。お前は昔から冷静でいられたいい子だっただろ?さあ、早くその魔法を納めるんだ。」


「ふふっ。先生。私はとっくの昔から冷静でした。でも先生。せっかくだから私の今の全力、受けてみてください。」


フランシアがそう言った瞬間、彼女が展開していた七つの魔法が、少なく見積もっても3倍ほどの大きさに肥大した。


「・・・・・上等だ。受けてやろうじゃねえか。」


そう言った俺の頬を汗が一滴流れ落ちた。

・・・ああは言ったものの、どうやって受け止めようか。う~ん・・・仕方がない。奥の手とは言わないが、あれをやるとしよう。


「は~~~~~~。コマンド起動。展開中魔法解除。」


「えっ?ちょ、ちょっとお師匠さん!?何してるんっすか!!??あんなん当たったら俺もお師匠さんも無事では済まないことくらいわかってるっすよね!?」


アルジェンの疑問には答えず、俺は魔法を展開することに集中した。


「防御系初級魔法『防護壁プロテクト』展開。魔法防御力上昇。魔法効果範囲指定。魔法効果発現座標指定。『プロテクト』重複可能数拡張。アルジェン!邪魔だ!!下がれ!!!」


「え!?ちょっと!!何始める気っすか!!??」


「そうですアルジェン。邪魔です。どきなさい。」


・・・さて。少し遅いが、いつも通りコマンドの説明といこう。まだ二回しかしてないけどね。今回は文字のわりに簡単だ。


まず、最初のコマンドは・・・。え?そんなことより、早くバトル見せろって?まあまあ。パパっと説明するから。


簡単に言うと、初級の防御魔法である『プロテクト』っていう魔法を強化して、『プロテクト』が効果を及ぼす範囲と場所を指定して、『プロテクト』は重ね出しできる魔法だから、重ねて出せる数を増やした。っていうことだ。


今度からこんな風に簡単に説明してくれって?それは・・・善処するよ。と、とにかく!!今はバトルだろ?


「こちらは準備完了です。」


フランシアが出している七つの魔法が一つの光球に集約された。


「くらってください先生!!はあああああああ!!!!『絶対不可避エーテル魔槍光芒・グングニル・レイ』!!!!!いっけええええええええええ!!!!!!!!」


フランシアが魔法名を唱えた刹那!一つの光球に集約された七つの魔法が七色の光を放ちながら一振りの光る槍となって飛んできた。


「こっちもだよ!!うおおおおおお!!!!!!重ねて重ねて重ねまくって『プロテクト』9乗起動!!!!とぉ~~~まれぇぇぇ~~~~~~~~!!!!」


二つの魔法が合わさったその瞬間。ゴオオン!!!!!という音がなり、爆炎が発生した。煙が晴れたところには、肩で息をするフランシアと、平然としている俺が立っており、一瞬の間をおいて、フランシアがゆっくりと倒れた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


俺に膝枕されているフランシアが起きた。


「お~~~いフランシア。大丈夫か?」


「う、う~~ん。あっ先生。大丈夫ですか?」


バッと俺の膝から飛びのくフランシア。そんなに俺の膝の眠り心地悪かった?


「いやそれ特大ブーメランだぜ。」


「ふふっ。心配してくれてありがとうございます。それと・・・・・すいませんでした。カッとなってしまったとはいえ・・・先生を攻撃してしまったので・・・。本当にすみませんでした。」


「大丈夫だよ。それに・・・フランシア。お前のほうがMP(魔力)を使い切って疲れてるんだから。おとなしくしてないとだめだぞ。」


「・・・あ~~~~。お師匠さん?お取込み中申し訳ないっスけど、話の続きをさせてくれませんか?」


「はっ!!そうですよ先生!早くメイランを助けないと!!!」


「だ~~か~~ら~~。まずさ、なんで君たちがメイランが魔王になったことを知ってるわけ?それに、メイランがなぜ魔王になったのかもなんも俺に説明してないじゃないか。そこんとこどうなんだよ?」


「「・・・すみませんでした!!」」


「おう!で?当時の状況はどうだったんだ?」


「・・・・・私が話します。」


そういって、浮かない顔をしながらフランシアが話し始めた。


連載なので次回もよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「フランシア」ちゃんのツンデレ的展開好きです。続きを楽しみにしています。
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