第一話 突然な来訪で始まる意外な展開ってテンプレ過ぎない?
今回初めて投稿します。今後ともよろしくお願いします。
ゲッテムバルト歴 245年のとある日、妖精王の湖に、黒髪黒目で黒いローブを羽織った全身黒ずくめの16歳ほどの少年が佇んでいた。
ガサガサっという音が聞こえたため、少年が音のした方を向くと20代前半の赤毛の男と金髪の女が立っていた。男のほうは犬歯が大きいのが目立っており、女のほうは顔に黄金の模様が描かれている。
「「お久しぶりです。」」
「ああ。久しぶりだな。魔王アルジェンと、妖精王フランシア。その後、調子はどうだい?アルジェンは世界を我が物にできたのかな?」
アルジェンと呼ばれた、赤毛の男が口を開く。
「からかわんでくださいよ先お師匠さん。そんなことより、大変なことになっちまったっす。」
「どうした?何か変なことでもあったのか?そういえば、今日ここにいない勇者メイランはどうしたんだ?」
言いにくそうな顔をしながら妖精王と呼ばれた女・・・フランシアが口をひらいた。
「そのことについてお話があります。実は彼女は今、世間一般的に言う魔王という存在になっています。」
少年の頭の中はクエスチョンマークが渦巻いていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やあ!こんにちは皆。俺の名前はニャルアット・ポテプ。弟子たちや、数少ない知り合いからはポテプとか、師匠とか呼ばれている。よし、自己紹介も終わったことだし、話を戻そう。
「え―――――――――――――――――っ!!!!!!!!!なんで?どうして?だって魔王ってアルジェンの夢だったよね。は?ちょっと意味が分からないんですけど!!???」
「混乱される気持ちもわかります。ですが、最後まで話を聞いてもらっても良いでしょうか。」
そう言って、フランシアがアルジェンに目配せした。
「お師匠さん。俺は礼儀正しいのは苦手だから、そんなかしこまったことは言えないっすが、メイランが魔王になったのは本当っす。それに、俺にとって魔王になるという目標が命より大事だということは、メイランも良くわかっていたはずっすよ。それなのにメイランが・・・あれほど勇者にこだわっていたメイランが、魔王になったというのは、あいつによほどのことがあったということだと俺は思うっす。今、メイランとまともに会話できるのはお師匠さんだけっす。」
うわーいきなり重い話だよこれは。元教え子の暴走とかシャレにならないって!!
話を聞くのに我慢できなくなった俺は、更に話を続けようとしたアルジェンを遮って言葉を発していた。
「ちょい待って。いったん話を整理しよう。俺がお前らに聞きたいのは主に3つ。・・・1つ、なぜメイランが魔王になったのか。・・・2つ、きみたちはなぜその話を知っているのか。・・・3つ、君たちの近況を聞かせて欲しい。話してくれるよね?」
そう、フランクに話しかけると、2人は少し微笑んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なるほどな~。今、外の世界ではそんなことになってるのか~。・・・にしても、アルジェンが勇者で、フランシアが賢者ね~。」
「まったく。おれにもよくわかってないんすよ。俺だって後はメイランの前の魔王を倒せば魔王になれるくらいの用意はできてたのに。」
「へえ。それじゃあアルジェンはもう吸血鬼になったんだ。・・・・・まったく。アンデッドになるのは俺だけでいいのにさ。」
・・・少し・・・もったいないと思ってしまった。まだ未来のある若い男が自分の夢のためとはいえ残りの人生を犠牲にするとは。
「いやあ。冗談きついっすって。お師匠さんほどの死霊はなかなかいないっすよ?」
「確かにそうだが、俺の場合は不老であることにかこつけてやりたい放題してただけだぜ。それに、ワイトになるのは大体高位の魔法使いじゃないか。しかも、俺はワイトになってまだ数百年ほどだ。俺以外のワイトは、平均して俺より数千年以上生きてると思うよ?」
「いやいや、謙遜しないでください。先生ほどの強さのワイトそんなにいないと思いますよ。これは私が調べてきたことなんですけど・・・。」
「いや~。にしても、フランシアは本当にお師匠さんのことになると夢中になるな。そのあたりは本当にかわってないな~。」
「ばっ!!ちがっ!!」
「まあ照れんなって。フランシアがお師匠さんのことを好きだったのは俺もメイランも分かってたんだから。そんでもって、ま~たフランシアがお師匠さんに夢中になってるぜ。って二人で笑いあってたんだよ。」
「へ~え。お前ら、俺がお前らに魔法や、剣術をどうやって教えようか。と、苦労してた時にそんな変な話をしていたのか。これはた~っぷりお仕置きがひつようだなあ。」
「ひ、ひいいいいいいっ!!お、お許しを。お師匠様。も、もう絶対にしませんから~。」
「ははっ。冗談だよ。冗談。でも、アルジェン。そのビビり癖は直せよ?」
「俺がビビるのはお師匠さんに対してだけっすよ~。」
「はっはっはっは。今更俺がお前らに何を説教しようというんだい?お前らはもう立派な大人じゃないか。」
「普通に無視された!!?」
そんなことを言い合いながら俺とアルジェンがフランシアのほうを向くと、そこには・・・何故か自身の周囲に超高度な7つの属性魔法を展開して、鬼の形相をこちらに向けているフランシアがいた。
「ア~~~~~ル~~~~~~~ジェ~~~~~~~~~ン~~~~~~~~~!!!!!」
連載小説なので次回もよろしくお願いします!!