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37話:強い人でも、絶対勝つ人はいない

「どうする?!」

「追ってくる可能性が高いからとりあえず人混みの中に逃げる!」

「人混みの中に入れば死ぬ可能性あるけど?!」

「アカリに狙われるよりかは生きる可能性が高い!」


 現在、L地域とG地域の境目に来ている。


 周りには口掛けのビル群が並び、地面には草の一つも生えていない。

 走れば舞う砂ホコリが、俺らだけだと伝えているようだ。


 走り始めてからは3,4分経っただろうか。

 後ろから人が来る気配はない。


 俺はステータスの関係で、少し緩めに走っている。

 点心さんは俺よりレベルが高いとはいえ、SPDにはあまりステータスを振っていない。


 そのため、正直な話アカリがSPDに振っているステータスであれば、追いつかれても不思議ではない。


 そんな違和感を感じながら、G地域に突入した。


「一応ここらへんで止まっておこ……」


 アカリのことがよほど怖いのか、人混みに突入したがっている点心さんを呼び止めようとした瞬間。


【イベント発生】


 目の前に急にウィンドウが出現する。

 いきなりの出現に驚いたが、予想できたことであり、即座にもう一つ表示されたウィンドウを読む。


【全参加者の内、10分の1の脱落を確認いたしました】


 結構早いな。

 やはりあの初手リーダー殺しのおかげで、リーダー結構な被害が出たのか。


【そのため規定イベント『蘇る囚人サモン・デッド』を開始いたします】


 蘇る囚人、なのにサモン?

 英語の意味があっていないな、なんてことを考えていると、すぐ近くでボシュ、という音が聞こえた。

 なんの音だ? とそちらの方を向いてみると、そこにいたのは、


【現在脱落しているプレイヤーを一時的に復活させます。

 復活したプレイヤーはイベントでのネームタグの隠蔽、フェイスノイズを解除いたします】


 端正な顔立ちと、騎士を彷彿とさせる鎧。

 たなびく金髪は、さぞ女子を虜にするのではなかろうか。


 しかし、目の前のプレイヤーの肌の色は、灰色。

 まるでゾンビを彷彿とさせる色だ。


【復活プレイヤーは、3時間に再度死亡いたします。

 その間に再度の死亡がなく、2名以上のプレイヤーキルが認められれば、再度死亡を取り消しいたします。


 つまり、だ。

 これは序盤即死に対する救済イベント。


 出現は……プレイヤーの付近、かな。

 現在いるのはG地域。

 戦火が強いのはFとGの間だ。


 そのため、ぱっと見る限り、周辺にプレイヤーはいない。


 それを狙ったかのようにすぐ近くに現れた脱落プレイヤー(ゾンビ)。

 確証はないが、可能性は高い。


「やぁ、はじめまして」


 点心さんと俺は、動きを止める。


 ここでF地域の方に動けば、まずい。

 もしも本当にプレイヤーの近くにゾンビが出現するならば、先程見た戦火より大きな戦いがF地域の方では行われている。

 そんな中をこの眼の前のプレイヤーを連れていけるのだろうか。


「申し訳ないけど、僕はここで生き残らないといけないんだ」


 目の前のゾンビは、その騎士然とした装備にふさわしい、大きな剣を背中から抜く。

 大きな剣だ。


 光り輝くその剣を、両手でしっかりと構えた眼の前の男は、


「僕の名はセイバー」


 名を名乗る。


 俺は心の底から思う。


「参る」


 なんで死んだと。

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