2.出会い
もう少し説明っぽいのが続きます。
紺野美香とは、小学校からの付き合いだ。家が近所で、親同士も知り合いだった。仲良くなったきっかけは小学校2年生くらいの時かな?自宅で野球の練習をしている時に、ネットに入らず道路に転がったボールを拾ってもらった事。だと思う。
「はい!これ、あなたのでしょ?」
「あ、ありがとう。きみは…確か………紺野美香ちゃん?だったっけ?」
以前、父親同士が話をしてる時、お母さんらしき人の背中に隠れてこっちを見てたことがあった気がする。クラスが違うから、話したことはないけど……
「うん!そうだよ!あなたは……はるきくん、だよね!野球の練習、してたの?」
「うん!野球、しってるの?」
「お父さんがね、良くテレビで見てるんだよ。何してるのかよくわかんないけど、かっこいいなあって!…ねぇ、練習するの、みててもいい?」
「うん、いいけど……一人で素振りとかしてるだけだから、おもしろくないとおもうよ?」
「いいの!よくわかんないけど、楽しそうだから!」
この日から彼女は、練習に顔を見せるようになった。練習をただニコニコしながら眺めて、練習が終わると俺の家でご飯を食べて、お母さんと一緒に帰っていく。最初は黙々と練習をしてたけれど、美香が来てくれる日がいつの間にか楽しみになっていた。
そんな生活が数年続き、中学1年生の夏。帰り道の途中で、美香に告白された。嬉しさのあまり内容はおぼろげだけど、楽しそうに笑って練習する姿と試合での凛とした姿が好きとか、そんな事を言われたと思う。俺は即断で返事をし、恋人同士になった。