18.前に
いつもより少し長めかも?コレジャナイ!と思う方いたらごめんなさい!
お調子者の妹キャラを一回書いてみたかったんです。
「……そろそろ、帰ろっか?もうこんな時間になるし、これ以上遅くなって電車の時間に間に合わなくなっちゃうと困るもんね」
「そうだな、帰ろうか。……2時間近く話してたんだな、俺達。遅くまで付き合わせちゃったお詫びだ、家まで送ってくよ。」
まだ終電までは時間がある。家はこの近くだと言っていたと思うし、彼女を家まで送っていくくらいは大丈夫だろう。
「えっ!?良いよそんな、お話ししたいって言ったのも無理に辛い話させちゃったのも私なんだから、そんなに気を使わないで良いんだよ!?それに、私の家駅の近くだから、そんなに時間かからないし」
なんか凄く動揺してる?変な意味は無かったんだけど、嫌がられてるのかな?でも、最近物騒だし…
「じゃあ、尚更だよ。俺も駅に行かなきゃいけないんだし、話を聞いてもらって助かった。そのお礼させてくれよ。…それに、こんな時間に四条みたいな女の子が1人で歩いてたら、何があるか分からないだろ?心配なんだよ」
実際、この辺りは街灯も少なくて仄暗い。1人で夜道を歩くのは犯罪被害に遭いやすいと聞くし、四条の様な可愛い子なら尚更危険だ。
「そこまで言ってくれるなら……お言葉に、甘えちゃおうかな…?でも。時間とかギリギリだったら、気にせずに駅に向かっちゃって大丈夫だからね?それじゃ、行こっか?」
なんやかんやで了承してもらえたので、公園を出て歩き出す。が…2人だけで夜道を歩いていると、お互い何故か無言になってしまう。さっきまで怒りやら驚きやらでお互い気分が高揚していたのが落ち着いたせいだろうか?急にさっきまでの発言が気恥ずかしく感じてきた。俺、かなり大胆なこと言い続けてたよな………うわ、なんか顔熱くなって来た気がする!
ふと、横を見ると四条も同じような事を考えているのか、顔が赤い気がする。暗闇の中でも、真っ白な頬がほんのりと染まる様子は、とても綺麗だった。
2人ともにただ無言で歩く。そんな時間が、何故かとても心地よく感じた。
「あの…私の家、あそこだから。この辺までで大丈夫よ。送ってくれて、ありがとう。電車の時間は大丈夫?」
そんな時間も終わりを告げ、四条の家の付近に到着した。時間は……丁度いいくらいか。
「気にしないで、俺が好きでやった事なんだから。時間も全然大丈夫。……四条、今日はありがとうな。久しぶりに会えて、色んな話聞いてもらって、励ましてもらって。少し、前向きになれたかもしれない」
昨日までの黒々とした気持ちは、今は不思議と浮かんでこない。
「良いんだよ、それくらい。だって、私が貴方にしてもらった事への感謝は、これくらいじゃ全然足りないから!だから、私にできる事で、何でもサポートするからね!」
「うん、ありがとう四条。期待を裏切らないように、頑張るよ。それじゃ、お疲れ様。また、店に顔出すよ」
そう言って駅に向かおうとすると………
『あーーっ!瑠璃姉おかえりー!今日は遅かったんだね………ってえぇっ!?る、るるる瑠璃姉が………!彼氏を家に連れてきたぁーーー!?』
元気な声を発する何者かが駆け寄ってきた。
ん?瑠璃姉…?って事は、四条の妹?
「り、梨乃?こんな時間にどうしたの?」
「瑠璃姉が帰ってこないから、いつ帰ってくるのかなーって玄関で待ってたら話し声が聞こえたから迎えに来たの!」
やっぱり妹らしい。梨乃ちゃんか。見た目的には中1くらいかな?四条に似た黒髪を、肩より少し下で結った活発な雰囲気の子だ。
「けど、まさかあの瑠璃姉が彼氏とデートしてその帰りに家に連れてくるなんて……!それで遅かったんだね!?」
「かっかかか彼氏ッ!?デデデート!?何言ってるのよ梨乃!私達まだそんな関係じゃ……!!」
「「…………………まだ?」」
その言い方だと、将来的には…って意味に聞こえるんだが。多分テンパってるだけなんだろうけど…
「あっ!?ちっ違うのよ高橋君!これはね、そう別に変な意味じゃなくてあの……そりゃ、いずれはそんな風になれたらなんて思わなくないけど……えへへ…」
自分の世界に飛んでいってしまった………後半は声が小さくて聞き取れなかったが…梨乃ちゃんも四条の急変っぷりに驚いて固まっちゃってるよ。
「あの〜…瑠璃姉?さっきからとんでもないこと口走っちゃってるけど大丈夫?」
「………はっ!?まさか誘導尋問なの!?卑怯よ梨乃!」
いや、どっちかって言うと四条の盛大な自爆………
「瑠璃姉が勝手に自爆しただけじゃん……」
同じ事を考えていたらしい。が、それを口に出したら…………ほらやっぱり。怒られそうな雰囲気。だが、空気の読めていない梨乃ちゃんはまだ止まらない。
「って言うか、高橋君って瑠璃姉が転校する前同じ中学だった、あの高橋君なの?」
「そうだと思うけど、なんで知ってるんだ?」
「だって、あの瑠璃姉が急にお洒落とか身嗜みに気を使い始めたんだよ?それで、誰かの事をヒーローだとか王子様みたいとか話するんだよ!?どんな完璧超人だよそれってあっ………」
多分誇張と言うか美化されてる感じが否めないけど、そんな風に思ってもらえてたのは素直に嬉しい。ただ…………
「梨乃〜〜?ちょ〜っとお家でお姉ちゃんとお・は・な・し、しましょうか………??高橋君、それじゃあ、私は家族同士の大切な話し合いがあるから……またね?」
このタイミングでそのカミングアウトは最悪手と言えるだろう。見事に火に油を注いだ梨乃ちゃんは、憤怒の形相をした四条に連れて行かれてしまった……
「高橋く〜〜〜ん!たーすーけーてーー!」
俺にはどうすることも出来ないよ。南無……。
って、あっ。電車の時間…!またやらかしてしまった。本当、学習しないなぁ俺…………
ま、せっかくだしランニングしながら帰ればいっか!とにかくこれから、頑張るぞ!




