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月のきれいな夜に  作者: さやくん
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6.海とおなじに

海にやってきたショウくんとタオ。何が起きるかな。

暑い夏の日のことでした。

 タオとショウくんは、自転車に乗って海に行くことにしました。麦わら帽子、水着のパンツにTシャツ、タオルを首にかけ、ビーチサンダルをひっかけて向かいます。ビニール製のトートバッグには、おにぎりとお茶も入っています。もちろん、水中メガネもっていきます。

 ショウくんが、汗を拭きながらタオに話しかけます。

「今日は、ほんとに暑いね。早く海につかないかな」

「そうだね。でも、もうちょっとだよ」 

 峠をふたつこえて浜についた二人は、自転車をとめ、Tシャツを脱いでビーチサンダルを脱ぎました。そして、ジリジリ熱くなった砂浜をかけて海に入りました。

「気持ちいいね、海」

 ショウくんが、タオに言いました。

「うん」

 二人は、沖の岩場に泳いでいきます。岩場に着くと、水中メガネをつけもぐってみます。「海草がゆらゆらゆれているよ」

「魚もたくさん泳いでいる」

最初にタオが、次にショウくんがうれしそうに叫びます。

 なんどもなんども、もぐってはうかびをくりかえし、海の中のゆらゆらを楽しみます。

「何度ももぐるの、ちょっとめんどくさいね。ずっともぐっていられたらいいのにね」

 ショウくんが、言いました。タオはしばらく考えて、こう言いました。

「そうだなぁ…。できるかもしれないな。ショウくん、ちょっとこっちにきて口を閉じていて」

 ショウくんがタオのそばにいき口を閉じると、ショウくんの口の先を3回、ポンポンとたたきました。

「これで大丈夫。海のなかでも息ができるよ。さあ、もぐってみて」

 ショウくんは、驚きながらももぐってみました。すると、ぜんぜん息苦しくなりません。ゴボゴボ海水を飲み込んでははきだし、まるで魚のエラ呼吸のように長くもぐっていられるようになりました。気がつくと、タオも近くにやってきました。二人は、目の前の魚を追いかけながら泳いだり、ゆらゆらゆれる海草のまわりをぐるぐるまわってみたりしました。まるで、海の生き物になったように、なんでもできるのでした。


 いったい、どのくらいの時間がたったのでしょうか。突然、タオはショウくんの手をつかみ、海面に上がっていきました。

「ふぅ~。もう時間切れだ。これが限界だ」

 そう言うと、ショウくんにウインクして、浜辺に泳ぎだしました。

 二人の夏の海は、どこまでも青く、キラキラ光っていました。


海に潜って…

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