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月のきれいな夜に  作者: さやくん
5/11

5.タオとあめふらし

タオとショウくんがであった不思議ないきものの(?)お話

少し蒸し暑い日でした。

タオをショウくんが迎えにきました。今日は、公園でバスケットボールをして遊ぶ約束をしていたのです。


二人が公園に着くと、人も少なくひっそりしていました。

「静かだね。」

 ショウくんが、話します。

「そう、ちょうどいい。コートもひとりじめできそうだからね」

 タオは、笑って言いました。

 二人はしばらく黙って、ボールをパスしあいました。ウオーミングアップです。そして、軽く息があがったところで、横並びで走りながらパスをして、シュートします。次は、いよいよ一対一の、対面での練習です。ドリブルをしながら、ディフェンスをかわし、ゴールをねらいます。攻守を交代しながら、30分程度体を動かしました。


「ちょっと、休憩しよう」

 タオが声をかけました。そうして、コートのはずれの芝生の上に座り込んで汗を拭き、持ってきたスポーツドリンクをごくごく飲みます。


「よく体が動くね」

 ショウくんが言います。

「何を言うんだよ。何度もボールをとられちゃったじゃないか」

 タオが答えます。

「あれ?雨が降ってきたよ」

 ショウくんが、濡れないようにタオルをかぶりながら話します。

「ん?ほんとだ。ちょっと待ってて。さっき『あめふらし』が、いたな。そのせいだね。僕、つかまえてくる」

 と、タオは言いながら、茂みの方に歩いていきます。ショウくんは、わけがわからないまま、タオについていきます。タオは、しばらく茂みの中をゴソゴソさがしていました。

「あ、いたいた。『あめふらし』だ。もう大丈夫、つかまえたよ。このビニール袋にいれておこう」

 でも、ショウくんには、なんにも見えません。上を縛った、からっぽのビニール袋が見えるだけです。

 コートのそばにもどってきたタオに、ショウくんが聞きます。

「タオくん、『あめふらし』ってなんなの?僕にはみえないんだけれど…」

「え、そうなの?ここにいるよ。2センチくらいの茶色い虫みたいなやつだよ。ときどき出てきて、雨を降らすんだ。でも、こうやって捕まえて袋にいれると、雨を降らす力がなくなっちゃうんだ」

 気づけばもう、雨がやんでいます。

ショウくんは、不思議そうに、空を見上げた後、『あめふらし』のいる袋を見ました。タオの持っている袋から、カサコソという音だけがしていました。


不思議ないきもの(?)は、どんなことをするのかしら…

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