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いつか幸せになれるその日まで。  作者: さくらもち
新たな想い
7/8

Chorus contest ‐1‐

◇ ◇ ◇ ◇


「今から合唱コンクールの運営係を募集します。やってくれる人はいますか?」

ーーーしーんーーー

安定のやつだ。これで手を挙げるなんてどんな勇気がいるか。やりたくても手を挙げられない子も絶対いるでしょ。

「えええっ、えー、じゃあ、やってもいいよって人〜」

ーーーしーんーーー

状況が変わってないよ、先生。

「えー、1回みんな伏せて!やってもいいよって人静かに手挙げて!!」

。。。。。

音がしない。誰も挙げていない。

「嘘でしょ…。。」

先生の口からポロッと溢れてしまった。


キーンコーンカーンコーン__。


「あぁ、終わっちゃった…。次までにちょっと考えてきてね!」

そう言うとファイルに何か書き始めた。


「毎回こうだよね〜。手挙げる人全然いない。」

「なら佑奈やる?」

「いやだよ!めんどくさそう!!」

「決まんなかったらこのまま時間過ぎくから授業潰れる〜〜」

友達と話せている。楽しく話せるのはいつぶりだろう、そう思えるくらい楽しかった。

「美玲ちゃーん、ちょっといいかな?」

先生から声をかけられた。

「あ、はーい」

「美玲運営係確定やん」

「どんまい」

2人は笑いながら私を見送った。


「あっ!きたきた」

「あのー、なんでしょう…」

大体は予想ついてますけどね。

「合唱コンクールの運営係やってくれないかな? 人が居なくて…。隣のクラスからも1人来るから大丈夫だよ!!」

まあそうでしょうね。予想通り。私がだまって俯いていると、

「だめかな…? 本当にお願い…!!」

これはもう断れないですね。後からの人間関係めんどくさいですからね。

「や、やりますよ……」

「えー!本当!? ありがとう!!」

そう言い残すと先生は職員室に戻って行った。私も佑奈と彩音のところに戻った。


「どうしよう。運営係になってしまった」

「あっははは、どんまい、ふっ」

佑奈は大爆笑。彩音は笑いそうで笑っていない。

「だって運営係だよ?めんどくさいに決まってる!あっはははは」

笑いのツボに入ってしまったらしく笑いが止まらない。

「私だってやりたくてやってるわけじゃないからね? これで成績上がるかも〜」

「上げらせないぞ〜」

「そんなん知らん、なんで美玲が…はははっ」

「なあー、さっきからお前らうるせーぞ」

「うわ、遥斗だ」

「まとめないでくれるかな、うるさいのは佑奈だけだから」

「ねえ、ちょっと…ひーっひひっっ」

笑い方がやばくなってきている。魔女のような不気味な笑いである。

「で、何があったの」

「ひーみーつー」

「んだよ。つまんねーなー」

知られたら笑われるに決まっている。私はこんなのするタイプではない。言われたからなくなくやるだけだ。

「佑奈〜、そろそろ笑いこらえた方がいいよ〜」

「ひーっ、ごめん!ぷっ!」


◇ ◇


「第一回、合唱コンクール運営係会議を始めます。始めに自己紹介をしましょう。1年生からどうぞ。」

1年から3年までの各クラス1人づつ運営係になった人が出席している。私の学年は4組まである。今は2組に所属している。

「よろしくお願いします。」

私が最後に挨拶を終えたら意外な声がした。

「2年3組の運営係になりました流川蓮弥です。迷惑をかけると思いますがおわるまでよろしくお願いします。」

「あれ、蓮弥だ、なんでここにいるの??」

「あー、ほんとだー」

笑いながら先輩にいじられている彼は蓮弥だった。

「しょうがないだろ、押し付けられたんだよ」

「はいはい、次いってください。」

先生に言われて蓮弥と先輩たちは静かになった。

自己紹介は3年生の最後まで回ると担当の先生の紹介があった。特に関わってこなかった先生だったので、あまり興味がなかった。

「ここまでで一回目の会議は終了です。気をつけて下校をしてください。」

「「「ありがとうございました」」」


「よ、よろしく…ね…」

初めて声をかけた。緊張がすごい。変なとこから汗が出て声が裏返りそうな、そんな感じである。

「おう!よろしく〜」

「美玲ちゃんも運営係なんだね!よろしくね!」

「蓮弥ぁぁぁぁあああ!男子1人だけかと思ったぜーー、良かったあああああ」

女子2人、男子2人で男女のバランスがちょうど良かった。

「あっ!2年だけのグループ作らない?」

「さんせー」

「いいんじゃねーの?」

「あ、うん」

「帰ったら私が作っておくから入ってね!また明日〜」

「ばいばーい」


◇ ◇


【2年運営係】に招待されました。

「仕事早いなぁ〜」

(みれい が参加しました。)

「よろしく〜」

「よろしくね!」

「よろし」

「く」

私が送信してから1分程で他の3人からの返信が返ってきた。新しい友達に 蓮弥 が追加されていた。

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