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いつか幸せになれるその日まで。  作者: さくらもち
数々の失ったもの
5/8

sports festival

今日は体育祭。学年ごとに優勝が決まり、それぞれのクラスの担任がガチ勢になってウザがられるやつである。ガチ勢にならなさすぎても「やる気あんのかよ」とか言われそうである。


「がんばろ!」

「お互いねーw」

元気な女子達がはしゃいでいる。やる気がある子はもうすごい尊敬する。

「体育祭くそだりぃ」

(あーっ。めちゃくちゃ分かるよその気持ち!)

話したことがほぼないし、他の人と話してるから入らないけれどすごく共感する

「やる意味ある?なくない?」

「先生ガチ勢すぎw」

「やばいよなー」

先生はすごい言われるから大変だなと思っていた。というか体育祭やる意味はないのかなと思う。やりたくないだけだが。


「体育祭いやなんだけど」

遥斗に言った。たまたまいたのでちょっと愚痴ってやろうかと思った。

「めんどくせーよなぁ」

「私が出る競技、私以外の人はめっちゃできるの、それがすごくいや」

「おっつーw」

この時後悔した。どうやら愚痴る相手を間違えたようだ。

「まあー?俺レベルになると他の人が出来んだけだし?w」

「あっそー、あーはいはい、そーですか」

「あっ、でもリレメンで他の人も早いんだよなあ〜」

「遥斗は何番目に走るんだっけ?」

「んーとね、2番目、ちょうど前通るよ」

「2番目か…隣のクラスは蓮弥だったっけ?」

「なんで知ってんの??」

「えーっと…たまたま聞こえたの!」

嘘だ。本当は遠回しに隣のクラスの人に聞いた。

「あーね」

「みんなーー!移動するよーー!!」

真面目な子が声かけを始めた。

遥斗は男子と一緒に楽しそうに移動し始めた。それに比べわたしは…。結衣と話しにくくなっていて、隣のクラスの子と行動するのであった。



体育祭が始まっても私と話してくれる人なんていなかった。遥斗は男子とずっといる。基本的にはそれが普通なんだがどうも寂しかった。

「次は選抜リレーです。それぞれのクラスから選抜された選手が走り抜けます。」

(遥斗と蓮弥が出る…。)

同クラの仲良い男子か隣のクラスの片思い中の男子か、どちらを応援するかは決まっていた。私は蓮弥を応援する。だけど声に出すわけにはいかない。心の中でそっと…

(蓮弥…!がんばれ…っ!)

遥斗と蓮弥がすごくいい勝負をしている。最後まで横に並んでいたくらいだった。

最終走者がゴールし、クラスごとに控え席まで戻ってきた。結果は敗北。でも、様々なところから、

「おつかれさまー!」

「かっこよかったよ〜」

「ないすぅ〜」

「どんまーーーい」

いろいろな言葉が飛び交う中、私は蓮弥を見つめていたのだった。そんな蓮弥の横には………彼女の姿が見える。2人で写真を撮っていた。やはり、私では隣に行けないんだと、諦めなければならないのだと、そう思わされた。



体育祭終了後、たまたま結衣と職員室による用事が合って一緒に行動した。気まづかったが気にしないふりをして言ってみた。

「ゆいー、私失恋したみたい」

「ま、だいたい知ってたけど辛いよね…。そんな日もある〜」

彼女がいることは噂で聞いていたけど、自分の目で見ると実感することが多かった。


この時はっきりと気がついた。

そう、私は“失恋”したのだ。




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