Broken heart
私は恋をしていた。彼の名前は蓮弥。学年の中心のグループの男の子。バスケがとても上手くてスタメンにも入っていた。話したことはなかったけれど周りにいる人はいつも笑顔だった。すごく楽しそうで一緒にいたら楽しいだろうと夢見てきた。だが、クラスは離れてしまっていた。
それに比べて私は運動音痴、友達が少ないといった良いところがなく誰かに好かれることはなかった。釣り合うわけない、そんなことは自分自身が1番よく分かっていた。そう、叶うはずはなかったのだ__。
「ねー知ってる?蓮弥彼女できたんだって!」
「あー!知ってるー!教室でもラブラブだもんね!」
「お似合いすぎるw」
「それなw」
……。廊下で話す声が聞こえる。蓮弥の彼女は可愛かった。頭も良い、運動もできる本当にお似合いだと私も思う。でも、嘘であると願いたかった。
「おーい、生きとるか?w」
不意に話しかけてきたのは友達の結衣である。
「ギリ生きてる」
「まー、うん、どんまい!」
結衣は私が蓮弥のことを好きなのを知っている。もちろん、蓮弥に彼女がいることも知っている。面白がられているのか心配してくれてるのかよく分からなかったが笑ってくれる方がありがたかった。
__キーンコーンカーンコーン。
(1回忘れて授業に集中しよう)
そう思って私は授業を受け始めた。