戦いの後で
「師匠!なぜあの時わって入ってこられたのです!あのまま私に任せて下されば逃げられることもなかったのに!」
近いな!ちょっと唾が俺にかかりそうになっているじゃないか。
まだ戦闘のなごりがあるのかロバートはかなりの興奮状態だ。
「弟子よ!本当にそれでよかったのか?」
そんなロバートに対して俺はあえて重々しく答える。
「どういう事ですか?」
「動けない相手にとどめを刺すような事をして騎士として恥ずかしくないのか!騎士ならば正々堂々と戦え!」
ガーン!そんな効果音がロバートの目の前に見えるようなショックを受けている。
「師匠!私が間違っておりました!」
「うむ、わかればよい。よい勉強になったな。これからも精進せよ」
「はい!頑張ります!」
ロバートは涙を流しながら力強くうなづいている。
相変わらず扱いやすいバカでよかった。
騎士とかどうとか関係なしに俺はアンドロマリウスを殺したくなかっただけなのだが、とりあえず納得してくれたようだ。
だが、こっちはそうもいかないだろうな。
「私はやはり出来る時にしっかりとどめを刺すべきだったと思いますけど。かなりの強敵でしたし、あんな思いまでして追い詰めたのに・・・」
あんな思い=キョウドウに尻を眺め続けられていたリィンはかなり不満そうだ。
「まあ、そういうなよ。これからはあいつもこの城にはうかつには攻めてこないだろう。すくなくとも自分が弱体化した原因がわかって、その対処ができるまでは攻めてくることは2度とないはずだ」
原因について俺が念話で説明したが信じていないようだったが、対処ができないことには変わりなはい。弱体化した事への対処もせずに攻めてくるほどアンドロマリウスはバカじゃないからな。
「2度目があっては困ります!」
悲鳴を上げるように言うリィンに、
「わしは何度でも手伝うぞ。定位置でな」
キョウドウはそのしわだらけの顔でにちゃりと笑うが、さすがにリィンがかわいそうなのでそうならないように善処しよう。
俺はそう決意するのだった。